2026年2月9日月曜日

鹿角製儀仗5点(成田市荒海貝塚)観察記録3Dモデル

 3D Models of Observation Records of Five Deer Antler Ceremonial Guards (Arami Shell Mound, Narita City)


I created 3D models of the observation records of five deer antler ceremonial guards on display at the Chiba City Archaeological Research Center's special exhibition, "The Mysterious Late Jomon Period."

The carved patterns are creative designs that are inspiring even to modern audiences.


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中の特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている鹿角製儀仗5点の観察記録3Dモデルをつくりました。

彫刻された文様が、現代人にとっても感動できる創造的デザインとなっています。

1 鹿角製儀仗5点(成田市荒海貝塚)観察記録3Dモデル

鹿角製儀仗5点(成田市荒海貝塚)観察記録3Dモデル

早稲田大学會津八一記念博物館所蔵

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.01.24


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 130 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 展示解説

「狩猟を生業とした人々のシンボル」


展示解説

展示解説(及びパンフレット)では、縄文時代晩期末葉~弥生前期にかけて生業の分業・専業化が進み、房総半島では狩猟を生業の中心とした人々がいて、その人々が鹿角製儀器を所有していたことが詳しく解説されています。

3 彫刻

鹿角製儀仗に彫刻された文様が、現代人にとっても違和感なく受け入れることができる創造的デザインであり、感動します。


鹿角製儀仗(テクスチャ有り)


鹿角製儀仗(テクスチャ無し)


鹿角製儀仗(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)


8断面と7断面の貝層区分対比作業

 Comparison of Shell Layer Classifications between Sections 8 and 7


For the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound, the proposed shell layer classification from Section 8 was projected onto Section 7. Erosion has created a topography consisting of flat and steep slopes in the collapsed layers, and mixed shell sand layers have been deposited as slope-like stratification, filling in the topography.


有吉北貝塚北斜面貝層について、8断面貝層区分案を7断面に対比投影しました。侵食作用により崩落層などに平面と急斜面で構成される地形ができ、その地形を埋めるように混貝砂層が斜面性の成層として堆積しています。

1 8断面と7断面の貝層区分対比結果


8断面と7断面の貝層区分対比結果


7断面の貝層区分

8断面貝層区分案を7断面に対比投影しました。手がかりは貝層全体構造の対応関係、分層記載、縦断図(17断面、1断面)による接合関係などです。

なお、分層記載は7断面、8断面ともに「稀」であり、対比手がかりとしては虚弱です。

2 7断面-17断面-8断面の位置関係


7断面-17断面-8断面の位置関係


7断面-17断面-8断面の位置関係

3 メモ

7断面のH崩落層とQ混砂貝層がガリー侵食作用で平面と急斜面で構成される地形ができ、その地形を埋めるようにQ混貝砂層が斜面性の成層として堆積しています。この事象を含めて、7断面における主な侵食現象は次図に示すように3回存在したと考えられます。


主な侵食跡


2026年2月7日土曜日

意図的に破壊された土器(市原市能満上小貝塚)観察記録3Dモデル

 3D Model of Observation Records of Intentionally Destroyed Pottery (Noman kamikokaizuka Shell Mound, Ichihara City)


I created a 3D model of the observation records of intentionally destroyed pottery, which is on display at the Chiba City Archaeological Research Center's special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period."

I imagine that the intentional destruction of the pottery eliminated its practical use in this world, allowing it to be used forever in the afterlife.


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中の特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている意図的に破壊された土器の観察記録3Dモデルをつくりました。

土器の意図的破壊は、この世での実用性を排除することで、あの世でいつまでも使えるようにしたのだと空想します。

1 意図的に破壊された土器(市原市能満上小貝塚)観察記録3Dモデル

意図的に破壊された土器(市原市能満上小貝塚)観察記録3Dモデル

台の部分が壊されている

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.01.24


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 161 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開(Textured)


GigaMesh Software Frameworkによる展開(Solid)


GigaMesh Software Frameworkによる展開(Non-Photorealistic Rendering)

3 メモ

3-1 2点の展示

意図的に破壊された土器は台の部分の破壊例と下部破壊例の2例が展示されています。


意図的破壊2例の展示

3-2 展示の文脈

意図的破壊土器展示は次の文脈の中で位置付けられています。

・縄文時代晩期には土偶・石棒・異形土器といった祭祀道具が発達した。

・この様子は縄文時代後晩期社会が停滞・衰退したために呪術に依存する社会=祭祀具の発達という図式で語られることもあった。

・しかし、縄文時代晩期には長期継続する規模の大きなムラでこれら祭祀道具が多く出土する傾向がある。

・このことから、停滞・衰退というより、長期継続する大きなムラで祭祀具が盛んに使われていたことになり、そういったムラで祭祀が多くおこなわれる意味を考えた方が良い。

・縄文時代晩期の祭祀行為の跡から土偶や石棒などの道具が焼かれて廃棄される例や土器が意図的に壊されて廃棄されることがある。

3-3 土器の意図的破壊の意味仮説

土器の意図的破壊の意味は特定の意味があるのではなく、幾つの意味があるのかもしれません。そうした幾つかの意味の一つに次のような意味が含まれていると想像しています。

その土器を使っていた人(所有していた人)が死亡して、あの世に送る時、あの世でその土器を使えるように故人にその土器を持参させて、あの世に持っていかせたのだ思います。

故人の肉体と土器そのものはこの世に残るのですが、適切なお祀りを執行することにより、故人の魂と土器の魂をあの世に送り出していたのだと思います。

しかし、物体としての土器が残ります。何かの間違いでその土器を有用物として別人が使うことが生じると、それはあの世の故人にとって事故となり、あの世でその土器が使えなくなってしまいます。そこで、そうした万が一の事故が生じないように、土器を欠いて、実用性を排除したのだと思います。

……………………………………………………………………

なお、このような縄文時代土器破壊が、現代まで(戦後まで)故人が出棺で家を出るとき、故人の使った茶碗を土間に打ちつけて割る風習として伝わってきていると考えています。


9断面と8断面の貝層区分対比作業

 Comparison of shell layer classifications between Section 9 and Section 8


For the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound, the proposed shell layer classification from Section 9 was projected onto Section 8. In this area, near the main gully channel, slope shell layers predominate over sedimentary shell layers derived from the main gully channel.


有吉北貝塚北斜面貝層について、9断面貝層区分案を8断面に対比投影しました。この付近ではガリー本流路付近で、ガリー本流に由来する堆積貝層より斜面性貝層の方が優勢です。

1 9断面と8断面の貝層区分対比結果


9断面と8断面の貝層区分対比結果


8断面の貝層区分

9断面貝層区分案を8断面に対比投影しました。手がかりは貝層全体構造の対応関係、分層記載、縦断図(17断面、1断面)による接合関係などです。

なお、分層記載は8断面については「稀」であり、対比手がかりとしては虚弱です。(分層記載の基本は現場フィールドノードにおこなわれているようです。フィールノートは原票として保存されていないようです。)

2 8断面-17断面-9断面の位置関係


8断面-17断面-9断面の位置関係


8断面-17断面-9断面の位置関係

3 メモ

8断面におけるガリー本流による堆積層(W、X)の断面積が9断面より小さくなっています。

また、斜面性貝層(S1、R2、S2)がWとXの間いに入り込んでいます。こうした状況はこの付近のガリー本流の河道特性が流下区間であり、堆積区間ではないことを表現しているものと推察します。つまり、ガリー本流が運び堆積する貝層より、斜面上から投棄され葡行移動してきた貝層の方が優勢であることが表現されています。全断面の対比作業がそろった段階で詳しく分析することにします。


2026年2月6日金曜日

土偶等9点観察記録3Dモデル

 3D Models of Observation Records of Nine Clay Figurines and Other Artifacts


I created 3D models of observation records of nine clay figurines and other artifacts currently on display at the Chiba City Archaeological Research Center's special exhibition, "The Mysterious Late Jomon Period."

Upon closer inspection of the earrings in the 3D models, I was deeply impressed by their intricate and elaborate designs, comparable in quality to modern earrings.


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中の特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている土偶等9点の観察記録3Dモデルをつくりました。

耳飾を3Dモデルで詳しく観察すると、現代宝飾品としての耳飾に全く引けをとらない精緻で凝ったデザインとなっていて、強い感動をおぼえました。

1 土偶等9点観察記録3Dモデル

土偶等9点観察記録3Dモデル

後右:土偶(佐倉市宮内井戸作遺跡)、千葉県指定文化財

後左2点:異形土器(鎌ヶ谷市中沢遺跡)、縄文時代後期

前右:土偶(佐倉市宮内井戸作遺跡)、縄文時代晩期

【展示解説】

縄文時代に盛んに製作された土偶は、祭祀に用いられる際に破壊を伴うことが多かったようであり、完全な形で出土するものは少ない。この土偶は珍しく全形が残る資料で、頭部の表現などが特徴的。東北を中心に分布する遮光器土偶の模倣と考えられる。

前中央3点:土製耳飾(千葉市加曽利貝塚)、縄文時代晩期

前左2点:土製耳飾(佐倉市宮内井戸作遺跡)、千葉県指定文化財、縄文時代晩期

【展示解説】

現在の耳飾がそうであるように、縄文時代の耳飾にも左右一対と作られたものがあったようだ。この2つの耳飾は作りやサイズが同じため、セットで装着されたのだろう。文様も細かく施され、彫刻的に作られた逸品。

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.01.24


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 124 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 感想

耳飾を3Dモデルで詳しく観察すると、現代宝飾品としての耳飾に全く引けをとらない精緻で凝ったデザインとなっていて、強い感動をおぼえました。縄文人の美的センスと造形技術にあらためて感心しました。


耳飾


耳飾


2026年2月5日木曜日

動物形土製品(市原市菊間手永遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of Animal-shaped Earthenware (Kikuma Tenaga Site, Ichihara City)


I created a 3D model of the observation records of the animal-shaped earthenware artifacts on display at the Chiba City Archaeological Research Center's special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period." What kind of animal is this model?


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中の令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている動物形土製品の観察記録3Dモデルをつくりました。動物のモデルは何でしょうか。

1 動物形土製品(市原市菊間手永遺跡)観察記録3Dモデル

動物形土製品(市原市菊間手永遺跡)観察記録3Dモデル

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.01.24


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 64 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 ChatGPT遊び

●プロンプト

貼付画像は縄文時代の動物形土製品です。この土製品のモデルとなった動物種を3つほど推定して、その根拠を簡潔に説明してください。


画像

●回答

縄文時代の動物形土製品は写実というより特徴を誇張して表すことが多く、特定の種の断定は難しいのですが、形態的な特徴から以下のような候補が考えられます。

**① イノシシ**

* 短く丸い吻(鼻先)が前に突き出している

* 口元が横に広く、どっしりした顔つき

* 縄文時代に最も身近で重要な狩猟対象で、土製品のモチーフとして頻出

  → 鼻が低く幅広い点は、イノシシの頭部形状とよく一致します。

**② クマ**

* 目のくぼみが小さく、顔全体が丸く厚みがある

* 鼻先がやや短く、重たい印象の顔立ち

* 東北・北海道の縄文文化ではクマは特に重要な動物

  → 口元の量感と全体の丸みは、クマの頭部の単純化表現として解釈できます。

**③ イヌ(縄文犬)**

* 鼻と口が前方に突き出した「口吻」の形がはっきりしている

* 目の位置が顔の前面寄りに表現されている

* 縄文時代にはすでに飼育されており、精神的・儀礼的意味を持った可能性がある

  → 口の開き方やマズル(鼻口部)の直線的な出方は犬系動物にも見える特徴です。

**総合的には**、鼻の幅広さと短さからは「イノシシ」、丸い量感からは「クマ」、口吻の出方からは「イヌ」とも解釈でき、特定の一種というより「狩猟動物を象徴的に表した造形」である可能性も高いと考えられます。

3 参考


未調整3Dモデル


検討メモ 9断面~13断面の貝層区分の観察メモ

 Observation Notes: Observation Notes on Shell Layer Divisions at Cross Sections 9-13


I have made notes on the issues I noticed and the workarounds I took while observing the shell layer divisions at Cross Sections 9-13. I'm stuck in a "poorly planned, poorly planned rest" situation, and I'm wasting time.


9断面~13断面の貝層区分を観察して生まれた問題意識とその解決のための作業方針をメモしました。「下手な考え休むに似たり」状況に陥って時間浪費が続いています。

この記事は2026.02.05記事「9断面から13断面までの貝層区分総集」の続きです。

1 Xの対比を土器密集を指標に断面対比できるか

・第4ステージのXはガリー本流の急激堆積事象であり、堆積物層相や断面構造的に断面間で対比できます。この対比を確実なものとするために、Xが土器片集中出土層であるという指標で対比できるか、検討することにします。

・13断面Xには「土器混入多」の記載があります。

・既に作成してある土器を含む全遺物3D分布データと断面図の対応関係を可視化して、検討します。

2 ガリー流路下流ほど(9断面→13断面)第4ステージの断面積割合が増える現象について

2-1 第4ステージ断面積が増えることは事実か

・9断面→13断面の順に見かけ上、第4ステージ(Xなど)の断面積が増えます。

・断面図はガリー流路に対して同じ角度で交わっていないので、単純な断面積比較はできません。

・そのため、全断面積に対する第4ステージ面積の比率で比較することにします。

・しかし、表土除去と足場作りのための貝層一部除去情報が欠落していて、本来の貝層断面と調査された貝層断面はかなり違います。

・このような条件で、下流ほど第4ステージの全断面に対する割合が増える現象は事実か確認することにします。

2-2 第4ステージ断面積が下流で増えるとすれば、その理由はなにか

・第4ステージ(Xなど)断面積が下流で増える理由は、その付近のガリー本流の河床勾配が緩やかになり、堆積区間であったためと推定しますが、勾配計測などで確認できか、作業します。

3 ガリー流路下流ほど(9断面→13断面)第5ステージの断面積割合が増える現象について

3-1 第5ステージ断面積が増えることは事実か

・2-1と同じ観点から、下流ほど第5ステージの全断面に対する割合が増える現象は事実か確認することにします。

3-2 第5ステージ断面積が下流で増えるとすれば、その理由はなにか

・北斜面貝層の端で第5ステージ断面積が増えるのですからある程度明白な理由が存在していたと考えます第3ステージは第5ステージと同じ斜面貝層ですが、北斜面貝層の端で断面積が増えていません。

・今は言語化できませんが、第4ステージの挙動と関係があるかもしれないと考えています。


9断面と12断面

4 12断面(貝層分布域)と13断面(非貝層分布域)の関係

・12断面(貝層分布域)と13断面(非貝層分布域)の断面構造は同じであると言えます。ここで、12断面の貝層に対応する13断面の土層はどのように堆積したのか、詳しく検討することにします。

・12断面の貝層は縄文人の貝殻投棄で生成したのですが、それに対応する13断面の土層は、都合よくその時に土層が堆積したのかどうかという問題意識です。

・逆に考えれば、土層の堆積は長期視点ではどの地点にもあり、その土層に貝殻投棄が加わった場所があるということかもしれません。


9断面から13断面までの貝層区分総集

 A comprehensive collection of shell layer divisions from cross sections 9 to 13


I am currently working on a comparison of shell layer divisions in cross sections of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. Using the shell layer division of cross section 11 as a reference, I compared previous and subsequent cross sections and observed the results side by side. I found that the uppermost shell layer (the newest shell layer) develops more toward the edge of the shell layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層断面図貝層区分の対比作業を進めています。11断面の貝層区分を基準にして前後の断面図を対比し、その結果を並べて観察しました。最上貝層(最新貝層)が貝層縁辺ほど発達する特徴が見つかりました。

1 9断面から13断面までの貝層断面図


9断面


10断面


11断面(基準断面)


30断面(剥ぎ取り断面)


12断面


13断面(貝層分布域外)


断面図位置図

2 ステージ区分図

貝層断面図貝層区分結果を次の基準によりステージ区分(発達順番区分)しました。

第5ステージ S3、D5

第4ステージ R3、X、D4

第3ステージ Q、R1、S1、R2、S2、W、D3

第2テージ H、I、K、W、D3

第1ステージ G、V、D1、D2


9断面


10断面


11断面(基準断面)


30断面(剥ぎ取り断面)


12断面


13断面(貝層分布域外)


参考 14断面


参考 15断面


参考 31断面

3 メモ

3-1 貝層断面構造

貝層分布域の9断面、10断面、11断面、30断面、12断面は同一の貝層断面構造となっています。この構造から次の貝層発達概略を知ることができます。

1 第1ステージ

この付近の台地がガリー侵食により削られ急崖がつくられた。その侵食時のG基底砂層と同時期のV(ガリー流路本流堆積物)、D1、D2が残された。(D1はGより古い可能性があります。Gに貝が含まれるので、前代貝層が存在していた場所にガリー侵食があり、急崖が作られたと考えられます。)

2 第2ステージ

急崖上部が崩落して急崖直下にH、Iが堆積した。一部が二次堆積してKとなった。同期のガリー流路堆積物がW、D3。(H、I、Kに貝(貝ブロック)、遺物が包含されるので、崩落層形成時に同時に貝層形成がおこなわれていたと考えられます。)

3 第3ステージ

Q及び斜面貝層R1、S1、R2、S2とW、D3(ガリー流路堆積物)。(斜面貝層が二枚貝の割合が多い時期(S1、S2)と少ない時期(R1、R2)を交互にして発達した時期)

4 第4テージ

R3とX、D3。Xが急激に発達した時期。(ガリー流路本流の上流で激しい侵食があり、そこで生産された貝殻を含む土砂がこの付近に堆積したと想定します。)

5 第5ステージ

S3、D5。二枚貝の含有が多いS3斜面貝層が分厚く堆積しています。

3-2 層厚変化

・第3ステージの斜面貝層(Q、R1、S1、R2、S2)のボリュームが9断面→12断面で少し小さくなっています。貝殻投棄は貝塚縁辺部で少なくなっていたようです。

・一方、第5ステージの斜面貝層(S3)のボリュームは9断面→12断面で大きくなっています。貝殻投棄が明らかに貝塚縁辺部で最大化しています。

・第4ステージXの層厚が9断面→12断面で大きくなっています。これはこの付近のガリー流路堆積区間の特性を表現しているものと考えます。

・縄文人は、第4ステージでXが分厚く堆積した区間を選んで、第5ステージに斜面貝層S3を意図的に分厚く投棄したのかもしれません。