ラベル 検討空間 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 検討空間 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年3月18日火曜日

検討空間における斜面貝層の白色貝層の把握

 Understanding the white shell layer of the slope shell layer in the study area


The white shell layer (= shell-dense layer) of the slope shell layer in the study area of ​​the north slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound (the space between cross sections 10 and 11) was understood from on-site photographs. The development of the white shell layer can be divided into three stages in both cross sections 10 and 11.


有吉北貝塚北斜面貝層の検討空間(10断面と11断面に挟まれた空間)における斜面貝層の白色貝層(=貝殻密集層)を現場写真から把握しました。白色貝層の発達は10断面と11断面でともに3段階に区分できます。

1 10断面と11断面の写真


10断面写真 発掘調査報告書から引用、Photoshopでカラー化


11断面写真 発掘調査報告書から引用、Photoshopでカラー化


断面位置図

2 白色貝層の区分と対応


10断面11断面斜面貝層における主な白色貝層(土含有が低い貝層)の略対応

写真で白色部分は土の含有が低く、貝殻主体の貝層であると考えられます。そこで白色を指標にして貝層発達とその両断面における対応を検討し、図示しました。

貝層は下から(古いものから)崩落層斜面の上部から途中まで発達している貝層、崩落層斜面の上部から最下部まで発達している貝層、崩落斜面の途中から二次堆積層を覆いつくす貝層の3段階に区分できます。

その3段階区分は10断面、11断面で共通し、それぞれの貝層対応を確認できます。

白色貝層(=貝殻が密集しているところ)を観察することによって、検討空間における斜面貝層発達の大局観を得ることができました。

3 白色貝層(写真)と貝層断面図分層との対応


10断面(左右反転)主な白色貝層(土含有が低い貝層)


11断面主な白色貝層(土含有が低い貝層)

写真における白色貝層を貝層断面図の分層にプロットしました。

4 貝層断面図に関する問題点と対応

3の作業から、次の問題点を意識し、その対応をメモしました。

4-1 貝層断面図に関する問題点

4-1-1 貝層断面図の分層区分だけから主な白色貝層を認識することが困難

貝層断面図(セクション図の集成)の分層区分には、詳細すぎることと、細長い形状で変化の激しいの分層の定義(混土率、貝種、破砕率、色などの特性)が1点の観察であるという特徴があります。そのため、貝層断面図の分層区分だけから白色貝層の認識(=貝殻密集域の把握≒斜面貝層大局観の獲得)をすることが意外にも困難です。

4-1-2 貝層断面図表現が丸まっている

貝層断面図表現(分層線の作図表現)が丸まっていて(貝層が蛇行する部分が直線的に表現されているなど詳細な分布が表現されていない)、正確性に欠ける部分が見受けられます。

4-2 対応

検討空間の貝層断面図を活用する場面では、写真があればそれを前面に出して利用することにします。写真の方が現場の様子を直観的に把握でき、分析における間違いや勘違いを防ぐことができます。


2025年3月15日土曜日

検討空間における骨3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

 3D bone distribution model in the study space (density color expression version)


I created a 3D bone distribution model in the study space set for the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, and further created a density color expression version. By expressing bone density by color, the bone distribution structure in 3D space could be visualized.

The donut-shaped dense area in the middle of the slope is distinctive.


有吉北貝塚北斜面貝層で設定した検討空間における骨3D分布モデルを作成し、さらにその密集度色表現バージョンを作成しました。骨密集度を色表現すると、3次元空間における骨分布構造が可視化できました。

斜面中腹のドーナツ状密集域が特徴的です。

1 検討空間における骨3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

検討空間における骨3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

検討空間:有吉北貝塚北斜面貝層の10断面と11断面に挟まれた幅2m×高さ8m×長さ14mの空間

出土骨:検討空間から2833骨が出土し、そのうちXYZ座標を取得できた2622骨の3D分布を図化

遺物をCUBE(5㎝×5㎝×5㎝)で表示

骨密集度:

赤 当該骨から20㎝範囲内空間に10個以上の骨が出土しているもの

ピンク 当該骨から20㎝範囲内空間に6~9個の骨が出土しているもの

薄ピンク 当該骨から20㎝範囲内空間に3~5個の骨が出土しているもの

白 当該骨から20㎝範囲内空間に0~2個の骨が出土しているもの

11断面を表示(描画されているグリッドは1m×1m)

3DF Zephyr v8.002でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 密集度の区分

当該骨から20㎝範囲内空間(当該骨を中心とする半径20㎝球体範囲内)に存在する他の骨の数の分布を次のグラフのように区分して、色を貼り付けました。


骨の20㎝範囲内に出土する他の骨の数

3 観察メモ

Blender3D空間の中で、全体を動かしながら観察すると、斜面貝層の中腹に特段の密集度大(赤CUBE)の集中域があり、それが何かドーナツ状に見えます。この形状にはこれまでの他の遺物の分布観察から、思い当たる事柄(イノシシ、骨製装飾品、石鏃)があるので、今後詳しく観察します。

骨と土器片について11断面にオルソ投影した画像を並べてみると、骨と土器片のそれぞれの密集域が「棲み分けている」ような関係にあるように見えます。時期と環境(斜面の中腹か、下部か)を「棲み分けている」ように見えます。詳しく検討する価値のある事象です。


骨と土器片

4 参考 検討空間における骨3D分布モデル

検討空間における骨3D分布モデル

検討空間:有吉北貝塚北斜面貝層の10断面と11断面に挟まれた幅2m×高さ8m×長さ14mの空間

出土骨:検討空間から2833骨が出土し、そのうちXYZ座標を取得できた2622骨の3D分布を図化

遺物を赤色CUBE(5㎝×5㎝×5㎝)で表示

11断面を表示(描画されているグリッドは1m×1m)

3DF Zephyr v8.002でアップロード


3Dモデルの画像

2025年3月12日水曜日

検討空間における土器片3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

 3D pottery fragment distribution model in the study space (density color expression version)


I created a density color expression version of the 3D pottery fragment distribution model in the study space set in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound. It is a pseudo heat map expression in 3D space. I was able to visualize the 3D distribution structure of the pottery fragments.


有吉北貝塚北斜面貝層で設定した検討空間における土器片3D分布モデルの密集度色表現バージョンを作成しました。3次元空間における疑似的ヒートマップ表現です。土器片3D分布構造を可視化できました。

1 検討空間における土器片3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

検討空間における土器片3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

検討空間:有吉北貝塚北斜面貝層の10断面と11断面に挟まれた幅2m×高さ8m×長さ14mの空間

出土土器片:検討空間から1015土器片が出土し、そのうちXYZ座標を取得できた803土器片の3D分布を図化

遺物をCUBE(5㎝×5㎝×5㎝)で表示

土器片密集度:

赤 当該土器片から20㎝範囲内空間に3個以上の土器片が出土しているもの

ピンク 当該土器片から20㎝範囲内空間に2個以上の土器片が出土しているもの

薄ピンク 当該土器片から20㎝範囲内空間に1個以上の土器片が出土しているもの

白 当該土器片から20㎝範囲内空間に土器片出土がないもの

11断面を表示(描画されているグリッドは1m×1m)

3DF Zephyr v8.002でアップロード


検討空間における土器片3D分布モデル(密集度色表現バージョン)の動画


検討空間における土器片3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

2 メモ

当該土器片から20㎝範囲内空間(当該土器片を中心とする半径20㎝球体範囲内)に存在する他の土器片の数の分布は次の通りです。


土器片の20㎝範囲内に出土する他の土器片の数

赤(当該土器片から20㎝範囲内空間に3個以上の土器片が出土しているもの)を細分して密集度の高い場所をさらに浮き彫りにしたいところですが、色数が増えると逆に全体の様子を把握しづらくなるので、妥協的に赤としてまとめました。

密集度色表現バージョンは、3次元空間における疑似的ヒートマップ表現です。土器片3D分布構造を可視化できました。

土器片密集度の高い空間(赤やピンク)がゾーンとして分布している場所は、そのゾーンがある時期に集中的に土器が投棄された場所(あるいは土器が結果として集まった場所)を表現していると考えることができます。今後、検討を深めますが、斜面貝層では、全体の様子から、土器片のほとんどが長距離を移動することは考えづらいので、土器が密集する場所は、その場所かその近くの場所で土器が実際に集中的に投棄されたことを指標していると考えます。

赤やピンクが塊状に分布する場所は、1回か小数回の土器投棄がその付近であったことを指標していると考えます。

検討空間における土器片3D分布モデル

 3D distribution model of pottery fragments in the study space


A 3D distribution model of pottery fragments was created in the study space (2m wide x 8m high x 14m long) set in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. The pottery fragments are not distributed evenly throughout the shell layer, but are distributed unevenly according to the characteristics of the dumping.


有吉北貝塚北斜面貝層で設定した検討空間(幅2m×高さ8m×長さ14m)における土器片3D分布モデルを作成しました。土器片は貝層に満遍なく分布するのではなく、投棄の特性に従って偏在的に分布しています。

1 検討空間における土器片3D分布モデル

検討空間における土器片3D分布モデル

検討空間:有吉北貝塚北斜面貝層の10断面と11断面に挟まれた幅2m×高さ8m×長さ14mの空間

出土土器片:検討空間から1015土器片が出土し、そのうちXYZ座標を取得できた803土器片の3D分布を図化

遺物を赤色CUBE(5㎝×5㎝×5㎝)で表示

11断面を表示(描画されているグリッドは1m×1m)

3DF Zephyr v8.002でアップロード


検討空間における土器片3D分布モデルの動画


検討空間における土器片3D分布モデルの画像

2 感想

土器片だけでなく、全ての遺物種の3D分布モデル作成の準備が整いました。遺物種毎に3D分布特性が異なり、それは主として投棄の仕方に起因すると推定しています。その様子を知ることがこの学習の一つの目的になります。

単純な3D分布モデルでは3D分布特性を把握しづらいので、平面分布におけるヒートマップ(粗密の可視化)のような工夫を3Dモデルに対して行う予定です。