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2025年3月18日火曜日

検討空間における斜面貝層の白色貝層の把握

 Understanding the white shell layer of the slope shell layer in the study area


The white shell layer (= shell-dense layer) of the slope shell layer in the study area of ​​the north slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound (the space between cross sections 10 and 11) was understood from on-site photographs. The development of the white shell layer can be divided into three stages in both cross sections 10 and 11.


有吉北貝塚北斜面貝層の検討空間(10断面と11断面に挟まれた空間)における斜面貝層の白色貝層(=貝殻密集層)を現場写真から把握しました。白色貝層の発達は10断面と11断面でともに3段階に区分できます。

1 10断面と11断面の写真


10断面写真 発掘調査報告書から引用、Photoshopでカラー化


11断面写真 発掘調査報告書から引用、Photoshopでカラー化


断面位置図

2 白色貝層の区分と対応


10断面11断面斜面貝層における主な白色貝層(土含有が低い貝層)の略対応

写真で白色部分は土の含有が低く、貝殻主体の貝層であると考えられます。そこで白色を指標にして貝層発達とその両断面における対応を検討し、図示しました。

貝層は下から(古いものから)崩落層斜面の上部から途中まで発達している貝層、崩落層斜面の上部から最下部まで発達している貝層、崩落斜面の途中から二次堆積層を覆いつくす貝層の3段階に区分できます。

その3段階区分は10断面、11断面で共通し、それぞれの貝層対応を確認できます。

白色貝層(=貝殻が密集しているところ)を観察することによって、検討空間における斜面貝層発達の大局観を得ることができました。

3 白色貝層(写真)と貝層断面図分層との対応


10断面(左右反転)主な白色貝層(土含有が低い貝層)


11断面主な白色貝層(土含有が低い貝層)

写真における白色貝層を貝層断面図の分層にプロットしました。

4 貝層断面図に関する問題点と対応

3の作業から、次の問題点を意識し、その対応をメモしました。

4-1 貝層断面図に関する問題点

4-1-1 貝層断面図の分層区分だけから主な白色貝層を認識することが困難

貝層断面図(セクション図の集成)の分層区分には、詳細すぎることと、細長い形状で変化の激しいの分層の定義(混土率、貝種、破砕率、色などの特性)が1点の観察であるという特徴があります。そのため、貝層断面図の分層区分だけから白色貝層の認識(=貝殻密集域の把握≒斜面貝層大局観の獲得)をすることが意外にも困難です。

4-1-2 貝層断面図表現が丸まっている

貝層断面図表現(分層線の作図表現)が丸まっていて(貝層が蛇行する部分が直線的に表現されているなど詳細な分布が表現されていない)、正確性に欠ける部分が見受けられます。

4-2 対応

検討空間の貝層断面図を活用する場面では、写真があればそれを前面に出して利用することにします。写真の方が現場の様子を直観的に把握でき、分析における間違いや勘違いを防ぐことができます。


2025年3月5日水曜日

斜面貝層における土器分布作業仮説

 Working hypothesis for pottery distribution in the sloping shell layer


In relation to a comment by Tatsuo Sekine on Facebook, I have illustrated a working hypothesis for the interpretation of the appearance of pottery being concentrated in the lower part of the sloping shell layer and less pottery in the upper part.


Facebook関根達夫さんのコメントに関連して、斜面貝層下部で土器が密集し、上部で土器が少なくなっている様相解釈の作業仮説を図解しました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層の斜面貝層における土器分布作業仮説


有吉北貝塚北斜面貝層の斜面貝層における土器分布作業仮説

斜面貝層のAで土器出土が少なく、Bで土器が密集出土しています。土器は分層貝層形成に伴い投棄されたのですから、1単位の分層貝層が形成される度に、その下部で土器が沢山投棄され、(あるいは上部で投棄された土器が下部に移動してしまい)、結果として分層貝層の下部に土器が密集したと考えます。

斜面上部と下部の利用方法が異なるようだとの情報が集まっていますので、斜面上部で投棄された土器の多くが斜面下部に移動(流動)したという捉え方は自分の中で縮小しています。最初から、斜面下部が土器の主な投棄場所であったと推測します。貝刃も土器と同様にB(斜面下部)から出土しますから、土器-貝刃-調理道具という繋がりが斜面下部に紐づいているのかもしれません。

2 感想

Facebook関根達夫さんのコメントに感謝します。


2025年2月25日火曜日

斜面貝層における土器下方移動方向イメージの間違い訂正

 Correction of an error in the image of the downward movement direction of pottery in a sloping shell layer


The image of the downward movement direction of pottery in a sloping shell layer published in the article on 2025.02.23 was incorrect, so I would like to correct it. It is assumed that pottery dumped in a sloping shell layer moves along the shell layer slope with the shells. A sloping shell layer is a large-scale lamina.


2025.02.23記事で掲載した、斜面貝層における土器の下方移動方向イメージが間違っていましたので、訂正します。斜面貝層に投棄された土器は貝殻とともに分層貝層傾斜に沿って移動すると想定します。分層貝層とは規模の大きなラミナです。

1 間違い


2025.02.23記事に掲載した間違い図

2025.02.23記事「テストグリッドの土器3D分布モデル作成 その3斜面貝層」に、地形に沿って土器が移動しているイメージ図を掲載しましたが、これは間違い(勘違い)でした。土器は分層貝層傾斜に沿って移動すると考えます。斜面上部で投棄された貝殻が下方移動して分級して、下方ほど純貝層に近くなるのと同じ営力で、土器も貝殻と一緒に分層貝層傾斜に沿って下方移動して、下方ほど密度が高くなると想定します。

2 貝層傾斜に沿って土器が移動するイメージ


11断面対応貝層出土土器の分布と想定移動方向

土器は貝殻とともに分層貝層傾斜に沿って下方に移動すると想定します。斜面貝層全体の傾斜(地形の傾斜)と分層貝層の傾斜は異なります。分層貝層は規模の大きなラミナの一種であると考えることができます。


剥ぎ取り断面の土器分布と土器の想定移動方向

11断面と12断面の中間の断面

千葉県立中央博物館展示

剥ぎ取り断面は保存された「現場露頭」といえる貴重な資料です。剥ぎ取り断面観察では、混土率の低い分層貝層に土器が分布し、分層貝層に沿って下方移動して、下方ほど土器密度が高い様子を想定できます。



2025年2月23日日曜日

テストグリッドの土器3D分布モデル作成 その3斜面貝層

 Creation of a 3D distribution model of pottery in a test grid, Part 3: Sloping shell layer


A 3D distribution model of pottery and earthenware related to the 331 grid slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound north slope shell layer was created.

The pottery excavations are concentrated exactly halfway down the slope shell layer. A major feature is that the boundary line intersects with the shell layer division line. Why this is the case is an important issue to consider.


有吉北貝塚北斜面貝層の331グリッドの斜面貝層に関わる土器・土製品の3D分布モデルを作成しました。

斜面貝層のちょうど半分下に土器出土が密集しています。そして、その境界線が貝層区分線と交差していることが大きな特徴となています。なぜそうなのか重要な検討課題となります。

1 有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの斜面貝層における土器3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層331グリッドの斜面貝層における土器3D分布モデル

斜面貝層から出土した土器・土製品を赤CUBE(5cm×5cm×5cm)で表示

グリッド枠は2m×2m×6m


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 観察


観察メモ画像

貝層断面図(XZ象限)に土器をオルソ投影した画像をみると次の4つの分布特性に気が付きます。

1 斜面貝層のほぼ上半分と下半分で土器密度が全く異なり、下半分で土器が密集して出土しています。

2 土器密集域を分ける境界線(図では点線)と貝層区分線(貝層分層線)が交差していて、平行になっていません。

3 土器の密集性に着目すると明らかにクラスタリングできる分布をしています。土器はお互いに等間隔で配置分布しているのではなく、クラスター(凝集)になって分布しています。図では投影していますから、立体空間における実際のクラスターと異なりますが、3D空間で見ると土器分布はクラスターとして分布していることを確認できます。

4 土器クラスターの見かけの分布は斜面方向に連なって分布しているように見えます。

3 メモ

土器密集域を分ける境界線(図では点線)と貝層区分線(貝層分層線)が交差している事実は貝層と土器との関係について、自分が気が付いていない重要な事柄を物語っていると直観しますので、今後検討を深めます。

3D空間のなかで土器破片がクラスターで分布していることが、土器投棄の実際の様子と対応している可能性があるので、その点も検討を深めます。土器破片を投棄するとき、手で持てる程度の量(破片数でいえば数十?)を一度に投棄し、その土器が貝層と一緒に下方流動して、その一度の投棄量に関連する土器クラスターが生まれるという仮説です。

投影断面におけるクラスターではなく、3D空間における立体的土器クラスターを抽出表現する方法を開発しなければなりません。

4 参考


遺物台帳データベースの情報


貝層大区分

2023年8月27日日曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式新段階土器との関係3Dモデル

 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloping shell layer and the Kasori EII new stage pottery


The Kasori EII type new stage is the final stage of pottery dumping in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. It also reduces the number of discards.


有吉北貝塚北斜面貝層における土器投棄の終期が加曽利EⅡ式新段階期となります。投棄数も減少します。

1 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式新段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式新段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中~新段階土器:赤CUBE(52)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式新段階土器との関係3Dモデル画像


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式新段階土器との関係3Dモデル動画

2 観察


観察結果

土器破片はガリー谷頭急斜面とガリー運搬堆積層にのみ分布します。斜面貝層からの出土はありません。土器はガリー谷頭から投棄され、その破片が下流のガリー流路まで運搬され堆積したものと考えます。


2023年8月19日土曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル

 A 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloping shell layer and Kasori EII medium-to-new stage pottery


From the mid-stage of Kasori EII type, the situation of rapid increase in pottery dumping will continue. As in the middle stage of the Kasori EII type, the pottery was dumped on the steep slope of the gully valley at this stage, and most of it was deposited in the gully transport sediment layer.


加曽利EⅡ式中段階から引き続き、土器投棄急増の状況が継続します。加曽利EⅡ式中段階と同様に中~新段階でも土器はガリー谷頭急斜面で投棄され、ガリー運搬堆積層に堆積するものがほとんです。

1 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中~新段階土器:赤CUBE(216)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル画像1


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル画像2


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中~新段階土器との関係3Dモデル動画

2 観察


観察結果1


観察結果2

加曽利EⅡ式中段階から引き続き、土器投棄急増の状況が継続します。加曽利EⅡ式中段階と同様に中~新段階でも土器はガリー谷頭急斜面で投棄され、ガリー運搬堆積層に堆積するものがほとんです。

土器はガリー谷頭から投棄され、ガリー谷頭急斜面に「引っかかって」堆積するものもあれば、その直下のガリー流路に堆積するものもあれば、さらに下流に運搬されたものもあるように観察できます。



2023年8月15日火曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル

 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloping shell layer and the Kasori EII middle stage pottery


In the Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer, the amount of pottery discarded increases sharply in the middle stage of the Kasori EII type. Most of them are distributed continuously from the gully valley steep slope to the gully transport sedimentary layer. The distribution principle of the shell layer and the pottery is different.


有吉北貝塚北斜面貝層では加曽利EⅡ式中段階になると土器投棄が一挙に急増します。ほとんどがガリー谷頭急斜面からガリー運搬堆積層に連続して分布します。貝層と土器の分布原理が異なります。

1 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中段階土器:赤CUBE(243)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル画像1


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル画像2


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル動画

2 観察


観察結果1


観察結果2

加曽利EⅡ式中段階になると土器投棄が一挙に急増します。ほとんどがガリー谷頭急斜面からガリー運搬堆積層に連続して分布します。EⅡ式古段階までのようにガリー谷頭急斜面とガリー運搬堆積層の分布を区分することはできません。この分布様子は、縄文人が土器をガリー谷頭から谷底に向かって投棄し、土器破片がガリー水流(年に数回発生を想定)で下流に運搬された様子が表現されていると想定できます。

斜面貝層分布が4点、崩落層分布が3点あります。崩落層分布は崩落層の最上部ですから、資料精度を考えると斜面貝層出土と考えてもよいかもしれません。

右岸土層分布が5点あります。

異常データが1点あります。手元データでは確認出来ませんが、恐らく発掘調査報告書グラフ作成ミスだと考えます。

土器破片数は、ガリー谷頭急斜面~ガリー運搬堆積層分布が230点、それ以外の斜面貝層等分布が13点あり、その比は約18:1になり、ガリー谷頭急斜面~ガリー運搬堆積層分布が圧倒します。つまり、土器はほとんどがガリー谷頭から投棄されたということになります。一方貝殻投棄は斜面に投棄され、斜面貝層として面的に堆積していますから、貝殻投棄と土器投棄が全く別の原理で実施されたことが判ります。この原理の違いは北斜面貝層の構造を解く上で重要なポイントになるに違いありません。

さらに、他の遺物の分布原理がどのようなものであるのか、気になります。


2023年8月13日日曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式古段階土器との関係3Dモデル

 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloping shell layer and the Kasori EII type old stage pottery


Kasori EII style old-stage pottery has been unearthed little since EI. The same pottery fragments were unearthed from the steep valley slope and the downstream sedimentary layer 28m away.


加曽利EⅡ式古段階土器はEⅠから引き続いて出土は少ないです。同一土器破片が谷頭急斜面と28m離れた下流堆積層から出土しています。

1 参考 加曽利EⅡ式土器の区分と3D座標データ数


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式土器の区分と3D座標データ数

加曽利EⅡ式土器の分類は発掘調査報告書によるものではなく、千葉市埋蔵文化財調査センター所長西野雅人様提供資料によるものです。

加曽利EⅡ式中段階土器と中~新段階土器が多量に集中投棄されているのが特徴です。この記事では古段階を扱いますが、古段階の土器投棄は加曽利EⅠ式と同じように低調です。

2 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式古段階土器との関係3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式古段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式古段階土器:赤CUBE(19)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式古段階土器との関係3Dモデル画像


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式古段階土器との関係3Dモデル動画

3 観察


観察結果

崩落層からの出土はありません。加曽利EⅡ式古段階頃までには崩落層はすべて斜面貝層に覆われ、投棄土器が崩落層に紛れ込むような環境は既に存在しなかったと推定します。

ガリー谷頭急斜面から3点、斜面貝層から3点、ガリー運搬堆積層から13点の土器が出土します。

4 加曽利EⅡ式古段階187番土器の分布


加曽利EⅡ式古段階187番土器

発掘調査報告書から引用


加曽利EⅡ式古段階187番土器の分布

加曽利EⅡ式古段階187番土器の破片2点はガリー谷頭急斜面とかなり離れたガリー運搬堆積層から出土しています。2点の直線距離は28.6m、比高は6.8mとなります。187番土器は台地平坦面近くからガリ谷頭急斜面に向かって投げ込まれ、その破片の1つが急斜面に引っかかって残り、破片の1つは年に数回発生するガリー水流の繰り返しで下流に運ばれ、出土地点で堆積したと考えられます。


2023年8月10日木曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル

 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloped shell layer and the Nakabyo pottery


Compared to the pottery of the early period and the Atamadai type, the Nakabyo type pottery is characterized by the fact that some of it was unearthed from the collapsed layer. Combined with those excavated from the slope shell layer, it accounts for 36% of the total. The Nakabyo type pottery seems to be the key in considering the relationship between the collapsed layer and the sloped shell layer.


前期土器や阿玉台式土器と比べると中峠式土器は崩落層出土のものがあるのが特徴となっています。斜面貝層出土のものと合わせると全体の36%にもなります。崩落層と斜面貝層の関係を考える上で中峠式土器がキーとなりそうです。

1 崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層
崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

中峠式土器:赤CUBE(69)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル画像1


崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル画像2


崩落層と斜面貝層の推定境界面と中峠式土器との関係3Dモデル動画

2 観察


観察結果1


観察結果2


有吉北貝塚北斜面貝層 中峠式土器の区分別出土数

・崩落層から出土する土器が7点、斜面貝層から出土する土器が18点あり、合計25点に及びます。斜面に中峠式土器が投棄された様子を知る手がかりとなる情報がふくまれているようです。

・中峠式67番土器は2つの破片が崩落層から、2つの破片が斜面貝層から、1つの破片がガリー運搬堆積層から出土しています。同一土器破片が時期の異なる貝層に分布しているこの貴重な情報の分析を別記事で行います。


中峠式67番土器分布と境界面(崩落層と斜面貝層の境界面)との関係(オルソ投影画像)

・ガリー谷頭斜面に13点が、ガリー運搬堆積層に31点が分布します。

・中峠式66番土器の分布から、カリー運搬堆積層が情報が希薄な下流まで連続していると確認できます。


中峠式66番土器の分布


2023年8月7日月曜日

崩落層・斜面貝層・ガリー運搬堆積層と阿玉台式土器との関係

 Relation between Collapsed Layer, Slope Shell Layer, Gully Transported Sedimentary Layer and Atamadai-type Pottery


Most of the Atamadai-type pottery was excavated from the gully valley top and the gully transport sedimentary layer, but some were also excavated from the slope shell layer. One item was excavated from the bottom of the sedimentary layer, and I hypothesized that it was discarded during the Atamadai period.


阿玉台式土器はガリー谷頭部とガリー運搬堆積層から出土したものが多いですが、斜面貝層から出土したものもあります。堆積層最下部から出土したものもあり、阿玉台式期に投棄されたものと作業仮説しました。

1 崩落層と斜面貝層の推定境界面と阿玉台式土器との関係3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層
崩落層と斜面貝層の推定境界面と阿玉台式土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

阿玉台式土器:赤CUBE(11)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と阿玉台式土器との関係3Dモデル画像


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と阿玉台式土器との関係3Dモデル動画

2 観察


観察結果

・阿玉台式土器11点のうち5点はガリー谷頭急斜面から、4点はガリー運搬堆積層から出土しています。阿玉台式土器の多くがガリー谷頭からガリー谷底に向かって投棄され、それが重力と年数回発生するガリー流路によって下流に運搬された様子を推察できます。

・ガリー運搬堆積層から出土した阿玉台式土器1点は基底部から出土しています。同じ場所から出土する加曽利EⅡ式土器と比べて明確に下層に位置する場所からの出土です。これから、阿玉台式土器の投棄が加曽利EⅡ式期より以前の時期に行われたことが推察できます。阿玉台式土器の投棄は阿玉台式期に行われたと作業仮説的に推察して、今後の作業をすすめ、検証して行くことにします。

・阿玉台式土器2点が斜面貝層から出土しています。阿玉台式土器はガリー谷頭部だけでなく、斜面にも投棄されたことが判明します。

・阿玉台式土器の3D分布特性は前期土器3D分布特性に似ているように感じます。

・発掘調査報告書から得られる阿玉台式3D座標は11点ですが、発掘調査原票を使えば、全部で56点の阿玉台式土器3D座標を得られる可能性があります。


2023年8月5日土曜日

崩落層・斜面貝層・ガリー運搬堆積層と早期土器・前期土器との関係

 Relationship between collapsed layer, sloped shell layer, gully-transported sedimentary layer and initial pottery and early pottery


I divided the shell layers of the north slope shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound into three layers: the collapsed layer, the slope shell layer, and the gully transport sediment layer, and began to observe the relationship between these layers and the type of pottery. Most of the early pottery was excavated from the gully-transported sedimentary layer. And some are excavated from the bottom of the sedimentary layer. Based on this fact, I hypothesized that early pottery might have been discarded in the early Jomon period.


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層を崩落層、斜面貝層、ガリー運搬堆積層に3区分して、それと土器型式との関係の観察をはじめました。前期土器はほとんどがガリー運搬堆積層から出土していて、堆積層最下部から出土するものもあり、前期に投棄されたのかもしれないと作業仮説しました。

1 崩落層・斜面貝層・ガリー運搬堆積層の区分

北斜面貝層は3番断面~12番断面付近では崩落層・斜面貝層・ガリー運搬堆積層の3層から構成されていると考え、その3層と土器型式との関係を考察することにします。


11番断面を例にした崩落層・斜面貝層・ガリー運搬堆積層の区分

2 崩落層と斜面貝層の推定境界面と早期土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面と早期土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

早期土器:赤CUBE(1)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と早期土器との関係3Dモデル画像

●観察

3D座標が判明した早期土器は1点だけで、ガリー運搬堆積層の上部から出土しています。この1点から貝層発達状況に関する有益情報を汲みだすことは困難です。

ある時期にこの早期土器がガリー侵食谷頭部あるいはガリー流路のどこかに持ち込まれ、何回かのガリー運搬を経て、加曽利EⅡ式期頃に、出土場所にこの早期土器が堆積したものと考えます。

3 崩落層と斜面貝層の推定境界面と前期土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面と早期土器・前期土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

早期土器・前期土器:赤CUBE(18)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と早期土器・前期土器との関係3Dモデル画像1


崩落層と斜面貝層の推定境界面と早期土器・前期土器との関係3Dモデル画像2


崩落層と斜面貝層の推定境界面と早期土器・前期土器との関係3Dモデル動画

●観察


観察結果

・前期土器17点のうち7点はガリー谷頭急斜面から出土、9点はガリー運搬堆積層から出土しています。残り1点は斜面貝層から出土しています。これから、前期土器の多くはガリー谷頭上の台地面から投棄され、年に数回出現するガリー流路の影響の繰り返しにより、徐々に下流に運搬され、堆積したことが推察されます。

・ガリー運搬堆積層出土の前期土器1点はガリー運搬堆積層の基底部から出土していて、同じ場所の多量加曽利EⅡ式土器より明確に下層から出土しています。これから、前期土器の投棄が加曽利EⅡ式期より以前の時期に行われたことが推察できます。前期土器の投棄は前期に行われたと作業仮説的に推察して、今後の作業をすすめ、検証して行くことにします。

・斜面貝層から前期土器1点が出土することから、斜面にも前期に土器が投棄され、その土器は、その後重力や流水の影響で下方に移動し、加曽利EⅡ式頃の貝層に混入したと作業仮説的に推察します。


2023年8月3日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル

 North Slope Shell Layer of Ariyoshi Kita Shell Mound

Estimated interface 3D model of collapsed layer and sloping shell layer


I created a 3D model of the presumed interface between the collapsed layer and the sloped shell layer of the Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer. Looking at the correspondence with the 3D distribution of pottery, there are a few pottery excavated from the collapsed layer, and it seems to be one of the leading materials for examining the formation period of the collapsed layer.


有吉北貝塚北斜面貝層の崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデルを作成しました。土器3D分布との対応をみると、崩落層出土土器も少数ながら存在していて、崩落層形成時期検討の一つの有力材料になりそうです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の境界面推定


崩落層と斜面貝層の境界面推定資料1


崩落層と斜面貝層の境界面推定資料2


崩落層と斜面貝層の境界面推定資料3

11番断面の発掘調査原票(貝層断面図)を閲覧したところ、ある程度の根拠をもって崩落層と斜面貝層の境界面推定を行うことができました。この結果を前後の断面図に次々の連続的に援用してそれぞれの境界面を仮描しました。

発掘調査報告書掲載情報から信頼できる境界面を推定することは出来ないのが現実です。

2 有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面…青面

貝層断面…発掘調査報告書から引用・塗色

土器破片…赤CUBE

土器破片の型式(数)は早期土器(1)、前期土器(17)、阿玉台式(11)、中峠式(69)、加曽利EⅠ式(19)、加曽利EⅡ式(530)


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル画像1


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル画像2


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデル動画

3 メモ

3-1 崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデルの技術的作成方法(概要)

ア Blender3D空間内で10の断面図境界線をべジェ曲線でなぞって作成し、統合し、グリースペンシルに変換。

イ Bsurfaces機能で曲面生成(今回はクロス20、追従3で生成)


Bsurfaces機能適用画面

ウ 曲面オブジェクトにテクスチャ貼り付け、面の三角化、UV展開。

3-2 崩落層と斜面貝層の推定境界面と土器分布との関係

崩落層と斜面貝層の推定境界面3Dモデルと土器3D分布との対応をみると、崩落層出土土器も少数ながら存在していて、崩落層形成時期検討の一つの有力材料になりそうです。次の記事で詳しく検討します。