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2025年4月7日月曜日

斜面貝層細区分と骨・歯3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

 Slope shell layer division and bone/tooth 3D distribution model (density color expression version)


I observed and analyzed the state of the slope shell layer subdivision and bone/tooth distribution (density color expression version) in the study space (3D space) of the north slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound. The bone/tooth dense area is distributed on the middle slope of the white shell layer, and is clearly different from the pottery dense area distribution.


有吉北貝塚北斜面貝層の検討空間(3D空間)における斜面貝層細区分と骨・歯分布(密集度色表現バージョン)の様子を観察分析しました。骨・歯の密集域は白色貝層の斜面中腹に分布し、土器密集域分布と明らかに異なります。

1 斜面貝層細区分と骨・歯3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

斜面貝層細区分と骨・歯3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

場所:有吉北貝塚北斜面貝層検討空間(10断面と11断面に挟まれた空間)

貝層大区分境界及び斜面貝層細区分境界:青平面メッシュ

骨・歯:CUBE(5㎝×5㎝×5㎝)

骨・歯密集度:

赤 当該骨・歯から20㎝範囲内空間に10個以上の骨・歯が出土しているもの

ピンク 当該骨・歯から20㎝範囲内空間に6~9個の骨・歯が出土しているもの

薄ピンク 当該骨・歯から20㎝範囲内空間に3~5個の骨・歯が出土しているもの

白 当該骨・歯から20㎝範囲内空間に0~2個の骨・歯が出土しているもの

10断面(手前)と11断面(奥)の間隔は2m


参考 斜面貝層細区分

3DF Zephyr v8.003でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 観察・検討


斜面貝層細区分別骨・歯件数

骨・歯の出土件数は全ての白色貝層が褐色貝層を上回ります。


骨・歯3D分布

骨・歯の3D 分布をみると、密集域が白色貝層でいずれも貝層形成時の斜面中腹の場所に該当します。密集域分布が土器と明らかに異なります。骨・歯は獣肉を食べた残滓が残されたものと捉え、斜面の中腹で野外飲食により投棄された跡であると想定します。


骨・歯3D分布 上からオルソ投影

骨・歯3D 分布モデルを上からオルソ投影すると、斜面中腹部の11 断面側に骨・歯密集域の空白部を観察できます。

2025年4月6日日曜日

斜面貝層細区分と土器3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

 Slope shell layer subdivision and pottery 3D distribution model (density color version)


I observed and analyzed the slope shell layer subdivision and pottery distribution (density color version) in the study space (3D space) of the north slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound using a 3D model. The pottery concentration area is concentrated near the lower tip of the white shell layer. I inferred that the pottery was dumped in that location (near the water's edge at the time).


有吉北貝塚北斜面貝層の検討空間(3D空間)における斜面貝層細区分と土器分布(密集度色表現バージョン)の様子を3Dモデルで観察分析しました。土器密集域は白色貝層の下方先端付近に集中しています。その場所(当時の水辺付近)を選んで土器が投棄されたと推察しました。

1 斜面貝層と土器3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

斜面貝層と土器3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

場所:有吉北貝塚北斜面貝層検討空間(10断面と11断面に挟まれた空間)

貝層大区分境界及び斜面貝層細区分境界:青平面メッシュ

土器:CUBE(5㎝×5㎝×5㎝)

土器密集度:

赤 当該土器片から20㎝範囲内空間に3個以上の土器片が出土しているもの

ピンク 当該土器片から20㎝範囲内空間に2個以上の土器片が出土しているもの

薄ピンク 当該土器片から20㎝範囲内空間に1個以上の土器片が出土しているもの

白 当該土器片から20㎝範囲内空間に土器片出土がないもの

10断面(手前)と11断面(奥)の間隔は2m


参考 斜面貝層細区分

3DF Zephyr v8.003でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 観察・検討


斜面貝層細区分別土器・土製品件数

斜面貝層細区分別土器・土製品件数をみると、同じ白色貝層でもS2層の土器・土製品件数がS1層、S3層より多く、S2層の時期の土器更新が激しかったことを物語っています。S2層の時期はS1層、S3層の時期より貝消費・貝食品生産経済が活性化していたと考えます。この考えは、S2層で骨・歯件数(=獣肉消費量)が一番多いことや骨角歯牙製品件数(=社会の豊かさ指標)が一番多いことと整合的です。


土器3D分布


S2層先端付近の土器

土器の3D分布をみると、密集域が白色貝層の下方先端あるいは先端付近に存在するという際立った特徴が観察できます。その様子は千葉県立中央博物館展示剥ぎ取り断面のS1層下方先端、S2層下方先端で実物観察できます。

土器密集域が白色貝層下方先端付近に形成されている様子は土器投棄原理を考える上でとても示唆的であると考えます。白色貝層の下方先端付近はその形成当時はいずれも水辺的環境であったと考えられます。従って、縄文人が水辺での土器投棄を好んでいた可能性が3Dモデル観察から浮かび上がります。


貝殻遺物の挙動想定

なお斜面貝層では、土器や貝殻は投棄された当初踏圧などの影響で下方に移動していると考えられます。しかし、その移動量は不明です。本ブログでは遺物3D分布の諸状況から、平均的下方移動量はさほど大きなものではないとイメージし、分析では考慮していません。



2025年3月15日土曜日

検討空間における骨3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

 3D bone distribution model in the study space (density color expression version)


I created a 3D bone distribution model in the study space set for the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, and further created a density color expression version. By expressing bone density by color, the bone distribution structure in 3D space could be visualized.

The donut-shaped dense area in the middle of the slope is distinctive.


有吉北貝塚北斜面貝層で設定した検討空間における骨3D分布モデルを作成し、さらにその密集度色表現バージョンを作成しました。骨密集度を色表現すると、3次元空間における骨分布構造が可視化できました。

斜面中腹のドーナツ状密集域が特徴的です。

1 検討空間における骨3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

検討空間における骨3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

検討空間:有吉北貝塚北斜面貝層の10断面と11断面に挟まれた幅2m×高さ8m×長さ14mの空間

出土骨:検討空間から2833骨が出土し、そのうちXYZ座標を取得できた2622骨の3D分布を図化

遺物をCUBE(5㎝×5㎝×5㎝)で表示

骨密集度:

赤 当該骨から20㎝範囲内空間に10個以上の骨が出土しているもの

ピンク 当該骨から20㎝範囲内空間に6~9個の骨が出土しているもの

薄ピンク 当該骨から20㎝範囲内空間に3~5個の骨が出土しているもの

白 当該骨から20㎝範囲内空間に0~2個の骨が出土しているもの

11断面を表示(描画されているグリッドは1m×1m)

3DF Zephyr v8.002でアップロード


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 密集度の区分

当該骨から20㎝範囲内空間(当該骨を中心とする半径20㎝球体範囲内)に存在する他の骨の数の分布を次のグラフのように区分して、色を貼り付けました。


骨の20㎝範囲内に出土する他の骨の数

3 観察メモ

Blender3D空間の中で、全体を動かしながら観察すると、斜面貝層の中腹に特段の密集度大(赤CUBE)の集中域があり、それが何かドーナツ状に見えます。この形状にはこれまでの他の遺物の分布観察から、思い当たる事柄(イノシシ、骨製装飾品、石鏃)があるので、今後詳しく観察します。

骨と土器片について11断面にオルソ投影した画像を並べてみると、骨と土器片のそれぞれの密集域が「棲み分けている」ような関係にあるように見えます。時期と環境(斜面の中腹か、下部か)を「棲み分けている」ように見えます。詳しく検討する価値のある事象です。


骨と土器片

4 参考 検討空間における骨3D分布モデル

検討空間における骨3D分布モデル

検討空間:有吉北貝塚北斜面貝層の10断面と11断面に挟まれた幅2m×高さ8m×長さ14mの空間

出土骨:検討空間から2833骨が出土し、そのうちXYZ座標を取得できた2622骨の3D分布を図化

遺物を赤色CUBE(5㎝×5㎝×5㎝)で表示

11断面を表示(描画されているグリッドは1m×1m)

3DF Zephyr v8.002でアップロード


3Dモデルの画像

2025年3月12日水曜日

検討空間における土器片3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

 3D pottery fragment distribution model in the study space (density color expression version)


I created a density color expression version of the 3D pottery fragment distribution model in the study space set in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound. It is a pseudo heat map expression in 3D space. I was able to visualize the 3D distribution structure of the pottery fragments.


有吉北貝塚北斜面貝層で設定した検討空間における土器片3D分布モデルの密集度色表現バージョンを作成しました。3次元空間における疑似的ヒートマップ表現です。土器片3D分布構造を可視化できました。

1 検討空間における土器片3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

検討空間における土器片3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

検討空間:有吉北貝塚北斜面貝層の10断面と11断面に挟まれた幅2m×高さ8m×長さ14mの空間

出土土器片:検討空間から1015土器片が出土し、そのうちXYZ座標を取得できた803土器片の3D分布を図化

遺物をCUBE(5㎝×5㎝×5㎝)で表示

土器片密集度:

赤 当該土器片から20㎝範囲内空間に3個以上の土器片が出土しているもの

ピンク 当該土器片から20㎝範囲内空間に2個以上の土器片が出土しているもの

薄ピンク 当該土器片から20㎝範囲内空間に1個以上の土器片が出土しているもの

白 当該土器片から20㎝範囲内空間に土器片出土がないもの

11断面を表示(描画されているグリッドは1m×1m)

3DF Zephyr v8.002でアップロード


検討空間における土器片3D分布モデル(密集度色表現バージョン)の動画


検討空間における土器片3D分布モデル(密集度色表現バージョン)

2 メモ

当該土器片から20㎝範囲内空間(当該土器片を中心とする半径20㎝球体範囲内)に存在する他の土器片の数の分布は次の通りです。


土器片の20㎝範囲内に出土する他の土器片の数

赤(当該土器片から20㎝範囲内空間に3個以上の土器片が出土しているもの)を細分して密集度の高い場所をさらに浮き彫りにしたいところですが、色数が増えると逆に全体の様子を把握しづらくなるので、妥協的に赤としてまとめました。

密集度色表現バージョンは、3次元空間における疑似的ヒートマップ表現です。土器片3D分布構造を可視化できました。

土器片密集度の高い空間(赤やピンク)がゾーンとして分布している場所は、そのゾーンがある時期に集中的に土器が投棄された場所(あるいは土器が結果として集まった場所)を表現していると考えることができます。今後、検討を深めますが、斜面貝層では、全体の様子から、土器片のほとんどが長距離を移動することは考えづらいので、土器が密集する場所は、その場所かその近くの場所で土器が実際に集中的に投棄されたことを指標していると考えます。

赤やピンクが塊状に分布する場所は、1回か小数回の土器投棄がその付近であったことを指標していると考えます。