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2020年2月2日日曜日

藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)の展開写真

縄文土器学習 334

2019.12.12記事「藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡) 観察記録3Dモデル」で伊那市創造館で観察した藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)の3Dモデルを掲載しました。

藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡) 観察記録3Dモデル

同時に興味深い土器4区画文様を詳しく観察するために4枚の写真を並べてみました。

土器文様を詳しく観察するための4枚の写真
しかし、4枚の写真を並べるだけでは物足りなさが深まりました。

その後縄文土器大観にこの土器の展開写真を発見し、すばらしいと思いました。
2019.12.15記事「縄文土器大観にみる藤内式深鉢形土器(伊那市金鋳場遺跡)」

縄文土器大観の藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)写真 一部拡大
縄文土器大観から引用
このような展開写真を3Dモデルから自ら作成できれば学習になんと役立つだろうとかなわぬ願いとおもいつつ考えていました。
ところが2か月もたたないうち、その展開図が即座にできるようになったのですからラッキーです。
2020.01.30記事「GigaMeshによる縄文土器展開写真の効率的作成」

早速この土器の展開図を作成して、予備的な検討をしてみました。

3Dモデルから作成した藤内式深鉢形土器(伊那市金鋳場遺跡)展開写真

展開写真による検討
口縁部区画A~DはAとB、CとDが楕円環をまたいでそれぞれ区画隆線がつながっています。A・BとC・Dは対向していてつながっていません。
AとBは文様イメージが大きく違います。またCとDも文様イメージが大きく異なります。
しかしAとCは何かイメージに共通性があります。BとDには共通性がありません。
胴部は4つの区画の外側区画線が土器下部でつながっています。
aとc、bとdの文様が似ていて、aとbが対、cとdが対になっていてその対が対向しています。
このような対応関係からA-a、B-b、C-c、D-dがそれぞれ対応していて、A-a→B-b→C-c→D-dあるいはC-c→D-d→A-a→B-bのように(あるいは逆方向で)土器を回りながら文様が少しずつ変化して元に戻るような仕組みになっている考えられます。
無意味に模様を配列したとはとても思えません。
4場面の変化に合わせて物語や神話が語られたり、四季の変化が表現されたり、思考・感情プロセスの変化が表象されたりしていたものと想像します。

この1つの土器の模様を眺めているだけでは結論はでませんが、類似土器の展開写真を多数そろえて観察し、出土状況とか共伴遺物とか遺構・遺跡環境とかの諸条件との対応を分析すればなにかヒントが生まれるに違いないと思います。

2019年12月15日日曜日

縄文土器大観にみる藤内式深鉢形土器(伊那市金鋳場遺跡)

縄文土器学習 284

藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)のストーリー性を直観させる模様に特段の興味を持ち、その興味を深めています。
2019.12.12記事「藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡) 観察記録3Dモデル」
この土器の模様は「縦位区画文」(パネル文)と呼ばれるもので、懸垂隆帯で器面を縦割りし、その間を矩形や菱形のパネル文で埋め尽くすものです。

藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)の模様パターン

懸垂隆帯で区画される4つの面は対向する面の模様がそれぞれ類似していて、かつわずかに異なります。その様子に重大な意味が隠されているようなパターンであると直感しました。このような模様パターンの土器としてどのような事例があるのか、縄文土器大観(小林達雄編集 小学館)で調べてみました。
調べだすと、なんとこの土器そのものが掲載されていることを「発見」しました。

縄文土器大観掲載の藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)写真
縄文土器大観から引用

縄文土器大観掲載の藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)写真 一部拡大
縄文土器大観から引用

3Dモデルから模様がよくわかるように調整した自分の写真よりはるかに鮮明で正確な写真であり驚きました。写真専門家が特別の撮影装置で撮影したものですから、当然といえば当然です。

縄文土器大観は入手以来「つんどく」状態でしたが、この数日ほとんど一日中ページをめくっています。
縄文土器大観による土器模様観察が大変わかりやすく、感動しています。

さらに縄文土器大観を調べると、模様の類似性をいろいろな視点から考えると、対応する土器が多数見つかりました。
パネル文土器で4つの区画があり、対向する区画が類似していてかつ微妙に異なるものがいくつかあります。
今後さらに詳しく検討して、別の情報(天文との関係!?!?…富士見町史上巻)ともからめて、考察を楽しみながら記事を書くことにします。

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生まれて初めて「ヤフオク」なるものに手を染めて、縄文土器大観全4巻を格安で入手しました。

「ヤフオク」で入手した縄文土器大観全4巻
同商品が3回ほど出品され、1回目は様子見、2回目は応札しましたがコツを知らないので逃しました。3回目はコツがわかったので「うまくやり」、結果として予算の半額で落札できました。うれしいのですが、消費税までも不要としていただいた出品者個人の方には申し訳ないような気分にもなります。それが「しくみ」のようですからしかたがありません。入手した図書には使用感がありませんでした。夏頃にこの図書を入手したのですが、その頃はwebで古書として調べて全4巻そろいの商品はありませんでした。

2019年12月12日木曜日

藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文土器学習 283
伊那市創造館に展示されている藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。
自分は千葉では見たことがない形状と神話や物語を想像させる模様に強く興味を惹かれます。

藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡) 観察記録3Dモデル
撮影場所:伊那市創造館
撮影月日:2019.09.12
4面ガラス張りショーケース越しに撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 60 images(Masquerade機能利用)

撮影写真の1例

感想
口縁の波状を利用して土器表面が4つに区画され、さらに口縁部と胴部に区画されます。4つの区画の模様は別のテーマとなっています。4つの区画ごとに口縁部と胴部の模様は同じテーマであるように感じられます。また口縁部と胴部は4つの区画ともに上下あるいは左右に2分される対称性が認められます。さらに細かく観察するとより一層細かく分割することができます。つまりこの土器の模様は4つの区画…16の小区分…より多数の細区分から成り立っています。神話や物語の4場面(起承転結)を緻密に表現しているように感じられます。
土器模様の観察をしやすくするためにPhotoshopを使って模様を浮き出してみました。

3Dモデルの通常画像
撮影生写真と3Dモデル画像では模様を詳しく観察できません。

模様観察のための参考画像 1
ハイパスフィルターとリニアライトによるオーバーレイ
この参考画像を拡大すると模様がよくわかります。

模様観察のための参考画像 2
トーンカーブ補正、ハイパスフィルターとリニアライトによるオーバーレイ
参考画像1を明るくしたものです。

模様観察のための参考画像 3
トーンカーブ補正、ハイパスフィルターとリニアライト・色相によるオーバーレイ