2019年12月15日日曜日

縄文土器大観にみる藤内式深鉢形土器(伊那市金鋳場遺跡)

縄文土器学習 284

藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)のストーリー性を直観させる模様に特段の興味を持ち、その興味を深めています。
2019.12.12記事「藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡) 観察記録3Dモデル
この土器の模様は「縦位区画文」(パネル文)と呼ばれるもので、懸垂隆帯で器面を縦割りし、その間を矩形や菱形のパネル文で埋め尽くすものです。

藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)の模様パターン

懸垂隆帯で区画される4つの面は対向する面の模様がそれぞれ類似していて、かつわずかに異なります。その様子に重大な意味が隠されているようなパターンであると直感しました。このような模様パターンの土器としてどのような事例があるのか、縄文土器大観(小林達雄編集 小学館)で調べてみました。
調べだすと、なんとこの土器そのものが掲載されていることを「発見」しました。

縄文土器大観掲載の藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)写真
縄文土器大観から引用

縄文土器大観掲載の藤内式深鉢形土器(伊那市西箕輪 金鋳場遺跡)写真 一部拡大
縄文土器大観から引用

3Dモデルから模様がよくわかるように調整した自分の写真よりはるかに鮮明で正確な写真であり驚きました。写真専門家が特別の撮影装置で撮影したものですから、当然といえば当然です。

縄文土器大観は入手以来「つんどく」状態でしたが、この数日ほとんど一日中ページをめくっています。
縄文土器大観による土器模様観察が大変わかりやすく、感動しています。

さらに縄文土器大観を調べると、模様の類似性をいろいろな視点から考えると、対応する土器が多数見つかりました。
パネル文土器で4つの区画があり、対向する区画が類似していてかつ微妙に異なるものがいくつかあります。
今後さらに詳しく検討して、別の情報(天文との関係!?!?…富士見町史上巻)ともからめて、考察を楽しみながら記事を書くことにします。

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生まれて初めて「ヤフオク」なるものに手を染めて、縄文土器大観全4巻を格安で入手しました。

「ヤフオク」で入手した縄文土器大観全4巻
同商品が3回ほど出品され、1回目は様子見、2回目は応札しましたがコツを知らないので逃しました。3回目はコツがわかったので「うまくやり」、結果として予算の半額で落札できました。うれしいのですが、消費税までも不要としていただいた出品者個人の方には申し訳ないような気分にもなります。それが「しくみ」のようですからしかたがありません。入手した図書には使用感がありませんでした。夏頃にこの図書を入手したのですが、その頃はwebで古書として調べて全4巻そろいの商品はありませんでした。

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