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2026年4月19日日曜日

資料 第20断面における密集土器分布(予備解釈の裏付け資料)

 Document: Distribution of Densely Concentrated Pottery in Section 20 (Supporting Document for Preliminary Interpretation)


I previously made notes on the "Preliminary Interpretation Regarding the Distribution of Shell Layers and Densely Concentrated Pottery as Seen in Sections 4-6" of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. As supporting documentation, I have created a map showing the distribution of densely concentrated pottery in Section 20. The densely concentrated pottery is distributed in two layers, upper and lower, which I believe corresponds to two events (two occurrences of high-concentration flows).


有吉北貝塚北斜面貝層の「第4~6断面でみた貝層と密集土器分布に関する予備解釈」をメモしましたが、その裏付け資料として、第20断面における密集土器分布図を作成しました。密集土器が上下2層に分布していて、2つの事象(2回の高濃度流発生)に対応すると考えます。

この記事は2026.04.18記事「第4~6断面で見た貝層と密集土器分布に関する予備解釈」の続きです。

1 第20断面と土器分布図の対応関係及び密集土器分布


第20断面と土器分布図の対応関係及び密集土器分布

第20断面図はセクション図貼り合わせ図です。

土器分布図は土器集中区間における土器分布図です。発掘調査報告書掲載図です。

密集土器分布(赤丸)は隣の土器までの距離が10㎝以内にある土器を密集土器と定義し、その密集土器の当該断面前後10㎝以内スリットにあるものの分布です。

2 第20断面から10㎝以内の密集土器の分布


第20断面から10㎝以内の密集土器の分布

密集土器分布を近傍のものでくくってみると、1~6の塊として把握することができます。

このうち1~5は予備解釈の第2波貝殻泥流に起因する土器破片に、6は予備解釈の第1波貝殻泥流に起因する土器破片として捉えることができます。

なお、1~5の分布に対応した貝層分層分布をみると、貝層分層がそこで生起しているように記載されているところがあります。この対応関係から、1~5の事象生起は完全に同一ではなく1→2→3→4→5の順番に連続的に、しかしある程度の時間差をもって生じたと考えることもできます。

つまり、1~5は貝層全体の発達の中では同一と捉えても、ミクロな視点で考えれば、細別して捉えることもできると考えます。

3 第20断面スリット(前後10㎝スリット)の密集土器分布図の作成方法メモ

・北斜面貝層の全土器分布csvファイル→密集土器抽出Pythonスクリプト→北斜面貝層の密集土器分布csvファイル

・北斜面貝層の密集土器分布csvファイル→第20断面前後10㎝スリットから密集土器を抽出するPythonスクリプト→第20断面前後10㎝スリットの密集土器分布csvファイル

・第20断面前後10㎝スリットの密集土器分布csvファイル→座標のあるcsvをBlenderにプロットするPythonスクリプト→Blenderに第20断面前後10㎝スリットの密集土器プロット(点群としてプロット)

・Blenderで、第20断面スリット密集土器点群をgeometry nodesで赤球表示

・Blenderで、第20断面位置調整(前後10㎝オブジェクト(赤球)を全部投影するための位置変更)

・Blenderで、第20断面に赤球投影表示→画像取得


Blender画面(第20断面(本来の位置から20㎝移動している)と密集土器(幅20㎝スリット内の赤球))


2026年4月17日金曜日

資料 発掘状況写真と密集土器分布図との関係(第20断面)

 Document: Relationship between excavation photographs and dense pottery distribution map (Section 20)


In Section 20, the correspondence between pottery fragments in the excavation photographs and those in the dense pottery distribution map was determined. This document provides an important clue for understanding the relationship between dense pottery distribution and shell layers in detail within a 3D space.


20断面において、発掘状況写真の土器片と密集土器分布図の土器片の対応関係が判明しました。この資料は3D空間において、密集土器分布と貝層との関係を詳しく知るための重要なてがかりとなります。

1 発掘状況写真

第4断面検討に関連して、第20断面に関係する発掘状況写真の空間位置を検討することにしました。


発掘状況写真1


発掘状況写真2

2 発掘状況写真と密集土器分布図との関係


発掘状況写真と密集土器分布図との関係

写真に写る個々の土器片と密集土器分布図の個々の土器片が対応したことに驚きました。この資料によりより一層詳しい分析が可能となります。

3 第20断面と写真との関係


第20断面


参考 第4断面

発掘状況写真2は第20断面の現場写真そのものであると言えます。


2025年2月26日水曜日

資料 遺物台帳の「出土貝層」と貝層断面図「分層貝層」との関係

Material: Relationship between the "excavated shell layer" in the artifact ledger and the "separate shell layer" in the cross-section of the shell layer


The relationship between the "excavated shell layer" in the artifact ledger and the "separate shell layer" in the cross-section of the shell layer for the pottery in the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound was clarified using a test grid. It was understood that the "separate shell layer" in each cross-section is independent and cannot be joined.


有吉北貝塚北斜面貝層の土器について、遺物台帳に記載されている「出土貝層」と貝層断面図の「分層貝層」との関係をテストグリッドで明らかにしました。断面毎の「分層貝層」は独立していて、接合できないことを理解しました。

1 遺物台帳の「出土貝層」と貝層断面図「分層貝層」との関係


遺物台帳の「出土貝層」と貝層断面図「分層貝層」との関係

テストグリッド(331グリッド)の遺物(土器・土製品)について、遺物台帳の「出土貝層」と貝層断面図「分層貝層」との関係を明らかにしました。

遺物台帳データの「出土貝層」記述は10断面分層体系に対応するものと11断面分層体系に対応するものに二分されます。

その二分されたデータは空間的にほぼ棲み分けし、10断面分層体系に対応するデータは10断面に近い空間に、11断面分層体系に対応するデータは11断面に近い空間に分布します。

また、10断面と11断面の分層体系は全く異なり、接合性や整合性はありません。

2 貝層断面図の分層貝層分布と対応土器の空間的分布との関係


10断面対応対応貝層出土土器の分布

10断面の分層貝層分布と対応土器を断面図にオルソ投影した空間的分布の関係をみると、その関連がよくありません。B-1層とC-2層では土器の分布が広がっていて、単一の分層貝層から出土した様子を汲み取ることができません。I層出土土器は断面図I層の場所から離れた場所に分布します。


11断面対応対応貝層出土土器の分布(と想定移動方向)

11断面における関係は10断面と異なり、土器分布と分層貝層分布がほぼ対応しています。

3 メモ その1

1と2の結果から、発掘作業は断面図に近い場所毎に独立した単位作業として行われ、そこで使われる分層体系は独立していることがわかりました。

それぞれの単位作業では、分層貝層を忠実に反映したデータを作成する場合もあれば、データを一括して特定の分層貝層に当てはめてしまう場合があることもわかりました。データを一括して特定の分層貝層にあてはめてしまうという簡易的な処理は、遺物台帳記載の仕方を見ると感じることができます。

そもそも、「分層された貝層」そのものが全て、縦断的・横断的に混土率・破砕率・貝種・層の色が漸移的に変化します。ある断面で「分層された貝層」を別の断面に接合しようとする行為自体が原理的にできないことであると考えます。

10断面の分層貝層と11断面の分層貝層を対比・接合させることはできないと考えます。

また、遺物台帳の「出土貝層」記述は正確な場合もあれば、信頼できない場合もあるということが資料を扱う上での感想になります。

4 メモ その2

発掘資料における(必要以上に詳細な)分層を離れて、例えば貝層断面写真から新たに自分で全体を鳥瞰すれば、別次元の貝層対比・対応・空間的連続性を見つけられる可能性は否定できません。斜面貝層に視点を物理的に近づけしすぎると、見えるものも見えなくなる可能性があります。