2014年3月7日金曜日

「絵はがき-写真に残された明治~大正~昭和-」 紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 25

2014.03.06記事「習志野市史研究3(ドイツ捕虜収容所特集) 紹介」のコメントで、海老川乱歩さんから習志野市の地元関係者がつくった開拓史の本と写真集を紹介していただきました。

それに関連して、それより古い時代の風景が判る本として、船橋市郷土資料館が作成した戦前期絵はがきをまとめた図書がありますので、紹介します。

「絵はがき-写真に残された明治~大正~昭和-」の諸元、内容、主要目次
【諸元】
書名:絵はがき-写真に残された明治~大正~昭和-
編集・発行:船橋市郷土資料館
発行日:平成17323
体裁:B5判、111

【内容】
船橋市郷土資料館が所蔵する絵はがきの中から147枚を選んで作成した原寸図録であり、地域研究に利用することを目的として企画・編集された図書です。巻末に各絵はがきの解説が付いています。

【主要目次】
●絵はがき
船橋市…………21
習志野近傍…………3
習志野原 施設…………22
習志野原 演習…………7
騎兵連隊…………4
鉄道連隊…………32
習志野市…………7
市川市…………2
総武鉄道…………7
千葉市…………4
成田市…………10
銚子市…………10
市原市…………5
天津小湊町…………5
鋸南町…………2
館山市…………6
●絵はがき解説

「絵はがき-写真に残された明治~大正~昭和-

ページの例

ページの例

巻末の絵はがき解説が詳しいのが特徴です。
解説から茫漠とした習志野原絵はがきの場所が判るものがあります。
私にはとても参考になりました。


2014年3月6日木曜日

習志野市史研究3(ドイツ捕虜収容所特集) 紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 24

2014.03.05記事「「陸軍習志野学校」紹介」に海老川乱歩さんからコメントをいただき、「ドイツ兵の見たニッポン 習志野俘虜収容所1915-1920」(丸善ブックス)という本もあると教えていただきました。

海老川乱歩さんはその書籍の出版記念展示会も見たそうです。

「ドイツ兵の見たニッポン」は所持していないのですが、捕虜収容所は花見川流域にありますから、以前から興味はありました。

関連する図書がなにかあるかもしれないと、探したところ、習志野市史研究3(ドイツ捕虜収容所特集)を書棚に見つけました。

2人のドイツ人捕虜の日記と回想録をメインとした図書です。

パラパラ読みだすと、面白くて引き込まれてしまい、また気軽に読め短いので、何とその場で全部読んでしまいました。

捕虜収容所の4年間の生活、捕虜同士の触れ合いや葛藤、捕虜と日本兵の関係、捕虜からみた日本など興味が尽きない話題ばかりです。

捕虜収容所の建物・敷地や周辺地域の様子も記述されています。

この習志野市史研究3(ドイツ捕虜収容所特集)は、「ドイツ兵の見たニッポン 習志野俘虜収容所1915-1920」(習志野市教育委員会編、丸善ブックス)の出版により、新たに国際的な交流が生れ、その成果として得られた情報(ドイツ人の日記と回想録)を公開した図書です。

いわば後日談をまとめた図書です。

日記と回想録双方に解題がありますので、興味が深まります。

新たな興味を深めるきっかけをつくっていただいた海老川乱歩さんのコメントに感謝します。

習志野市史研究3(ドイツ捕虜収容所特集)と新版習志野-その昔と今

「新版習志野-その昔と今」(習志野市教育委員会)の表紙にはドイツ人捕虜が収容所を見学した小学生にプレゼントしたボトルシップの写真が掲載されています。

習志野市史研究3(ドイツ捕虜収容所特集)はいつか習志野市役所を訪れた際に、教育委員会を訪問して市史と一緒に購入したことを思い出しました。

習志野市史研究3(ドイツ捕虜収容所特集)の諸元、内容、目次は次の通りです。
【諸元】
書名:習志野市史研究3
編集・発行:習志野市教育委員会
発行日:平成1531
体裁:A5判、125

【内容】
「ドイツ兵の見たニッポン」(習志野市教育委員会編、丸善ブックス)発刊後に新たに入手したドイツ兵捕虜の日記と回想録2編の掲載。

【主要目次】
読者の皆様へ(カール・ハム)
ハイリヒ・ハムの日記から
解題
読者の皆様へ(ユルゲン・クリューガー)
カール・クリューガーの回想録から
解題
訳者紹介・図版出典
編集後記

早速、「ドイツ兵の見たニッポン」の入手手配をしました。

捕虜収容所という1つの引出(テーマ)を自分のバーチャル書庫に新たにつくっていこうと思います。


2014年3月5日水曜日

「陸軍習志野学校」 紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 23

花見川流域にはかつて近衛師団管轄演習場として下志津演習場と習志野演習場の2箇所の陸軍演習場がありました。それぞれの演習場には特殊演習場(毒ガス演習場)がありました。

陸軍演習場および特殊演習場の存在を地域のマイナス材料と捉え、話題として忌避することも一つの地域理解のあり方です。

しかし、このブログでは隠されてきた事実を知ることは地域理解の基礎であると考えます。

特殊演習場を含め、2つの陸軍演習場が存在したという事実を地域のマイナス材料として捉えるのではなく、一つの歴史遺産として捉えるべきだと考えます。

こうした考えから、特殊演習場で行われていた活動を知るうえで参考となる図書として「陸軍習志野学校」を紹介します。

1 「陸軍習志野学校」の諸元、内容、目次
【諸元】
書名:陸軍習志野学校
編輯兼発行者:陸軍習志野学校史編纂委員会会長衣笠駿雄
発行所:陸軍習志野学校史編纂委員会
発行日:昭和62116
体裁:A4判、581

【内容】
化学戦関係の要員養成を行う陸軍習志野学校の学校史。

【主要目次】
1編 旧陸軍における化学戦研究の胎動(大正4年~昭和8年)
2編 陸軍習志野学校のあゆみ(昭和8年~同20年)
3編 習志野等の想い出と変遷
4編 化学兵器及び化学戦の現況と将来
附録 追撃隊略記

「陸軍習志野学校」
この図書は古書店より入手しました。

2 この図書の特徴
陸軍習志野学校は「瓦斯防護に関する教育、調査研究を行ふ所とす。学生は各兵科(憲兵隊を除く)将校を以て之に充つ。なお幹部候補生の教育を行ふ。」(昭和18年版陸海軍軍事年鑑、財団法人軍人会館図書部編)とされており、旧軍の化学戦研究教育の中枢機関でした。

この学校史から、花見川流域にあった2つの特殊演習場(習志野特殊演習場、下志津特殊演習場)の様子と、そこで行われていた活動(訓練)の様子を詳しく知ることが出来ます。

研究者がまとめた図書ではなく、実際に教育した人あるいは訓練を受けた人が執筆したものですから活動と現場の仔細な様子を窺い知ることができます。

このブログの右欄にある「このブログを検索」で、陸軍習志野学校をキーワードとして検索していただくと、過去の関係記事が表示されます。


2014年3月4日火曜日

髙木宏之著「写真に見る鉄道連隊」 紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 22

花見川にはかつて鉄道連隊の軌道鉄橋が2箇所ありました。いずれも架橋訓練の場となっていました。この図書はその様子を写真で詳しく紹介しています。

1 「写真に見る鉄道連隊」の諸元、内容、目次
【諸元】
書名:写真に見る鉄道連隊
著者:髙木宏之
発行所:光人社
発行日:2011121
体裁:A5判、247

【内容】
著者のコレクションを中心に、約320点の絵葉書・古写真により、日本陸軍近衛師団鉄道連隊の歴史と活動の1端をまとめたもの。(あとがきによる)

【主要目次】
1章 内地における訓練
 鉄道連隊(千葉・津田沼)
 鉄道第一連隊(千葉)
 鉄道第二連隊(津田沼)
2章 日露戦争
3章 シベリヤ出兵
4章 満州事変
5章 支那事変

「写真に見る鉄道連隊」
この図書は海老川乱歩さんより寄贈していただきました。改めて感謝申し上げます。

2 この図書の特徴
花見川の二か所(横戸台付近と現在の花見川大橋[犢橋町]付近)で行われていた鉄道連隊の架橋演習の様子の写真が多数掲載されていて、鉄道連隊の訓練の様子及び過去の花見川の様子がとてもよくわかります。

この図書の写真を著者の許可を得て20135月にブログ記事で紹介しました。

ブログ記事(8編)は次のサイトで再掲しています。


2014年3月3日月曜日

「目で見る習志野・八千代の100年」 紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 21

1 「目で見る習志野・八千代の100年」の諸元、内容、目次
【諸元】
書名:目で見る習志野・八千代の100
監修:滝口昭二
発行所:郷土出版社
発行日:20081222
体裁:B4判、146

【内容】
目で見る千葉県の100年シリーズの1つとして発行された写真史料集

【主要目次】
●明治・大正時代
1 軍都津田沼の出発
2 産業の発達と人々の暮らし
●昭和戦前
1 昭和の始まり
2 戦前の教育
3 戦争への道と戦時下の暮らし
・習志野軍隊生活寸景
●昭和戦後
1 敗戦からの復興
・思い出の谷津遊園
2 民主教育の始まり
・習志野市とともに歩む私立習志野高等学校
3 変貌する景観
・習志野俘虜収容所とオーケストラ
4 高度経済成長、そして新しい時代へ
・八千代工業団地と八千代台駅

「目で見る習志野・八千代の100年」と「目で見る千葉市の100年」
「目で見る千葉市の100年」も「目で見る習志野・八千代の100年」と同じシリーズで出版されています。
両書とも編集趣旨は同じですが「目で見る習志野・八千代の100年」の方により多くの花見川流域に関する写真が掲載されています。
「目で見る千葉市の100年」は特段の紹介を省略します。

2 この図書の特徴
明治以降の地域に関する写真を地元で集めて編集した写真史料集です。

過去の花見川流域の姿を知ろうとする時、当時の写真があれば文字とは違い具体的なイメージを持つことができます。そういう意味でこの図書は一つの有力な参考資料となります。

このブログでは次の記事でこの図書から写真を引用させてもらいました。


2014年3月2日日曜日

鏑木行廣著「天保改革と印旛沼普請」 紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 20

花見川地峡を舞台に実施された国家的規模の土木プロジェクトはこれまで3回あります。

最初の国家的規模の土木プロジェクトは律令国家により実施された、柏井(杵隈[かしわい]=水駅)と高津(高津土塁=軍事港湾)を結ぶ直線道路建設です。
律令国家は花見川と平戸川(後の新川)・印旛沼を結ぶ東海道水運支路を開設するために、陸路部分に直線道路を建設しました。

この土木プロジェクトは本ブログで調べ、仮説として提起しているだけで、本ブログを除き世の中に情報は全く存在しません。

2回目の国家的規模の土木プロジェクトは江戸幕府が実施した天保期印旛沼堀割普請です。この天保期印旛沼堀割普請に関連する図書は次例のように既に紹介してあります。

しかしこれらの図書は専門家向けであり敷居の高い図書です。ところが、印旛沼堀割普請に詳しい歴史専門家が一般向けに書いた判りやすい絶好の参考図書がありますので、紹介します。
鏑木行廣著「天保改革と印旛沼普請」です。

ちなみに、花見川地峡における3回目の国家的規模の土木プロジェクトは戦後の印旛沼開発です。このプロジェクトに関連する図書は既に紹介しています。
2014.02.21記事「印旛沼開発工事誌 紹介

1 鏑木行廣著「天保改革と印旛沼普請」の諸元、内容、目次
【諸元】
書名:天保改革と印旛沼普請、同成社江戸時代史叢書12
著者:鏑木行廣
発行所:同成社
発行日:20011130
体裁:19 × 13.4 × 2.2 cm238

【内容】
本書のはじめにで著者は本書のねらいを次のように説明しています。
「延べ100万人前後の人夫と莫大な費用を費やしたお手伝い普請は、水野の失脚によってわずか三か月で幕を閉じてしまったが、そこにはいろいろな思いが複雑に交錯した人間模様を感じ取ることができる。
普請所に出張した庄内藩の家臣竹内八郎右衛門(鶴岡市郷土資料館蔵)、江戸南町奉行所の同心加藤太左衛門(船橋市西図書館蔵)、庄内藩の大庄屋久松宗作(久松俊一家蔵)などが書き残した日記・記録類には、幕府への不満、家臣や人夫の死、もめごと、天候、食事など興味深い内容が数多くつづられている。
本書は、日記形式で一日一日を追いながら、それぞれに置かれた立場で堀割普請にかかわった人々の心情を浮かび上がらせることをねらいとしている。読者の方々には、この天保の印旛沼堀割普請について、こういうこともあったのかと記憶のすみにとどめていただけたら幸いである。」

【主要目次】
はじめに
序章 過去二度の印旛沼堀割普請と天保の計画
1章 六月・お手伝い大名と幕府役人の任命
2章 七月・普請の準備と鍬入れ
3章 八月・町奉行鳥居の検分と膨らむ普請費用
4章 九月・普請の縮小と人夫の死
5章 閏九月・老中水野の罷免とお手伝い普請の終わり
終章 堀割普請一件のその後
参考文献
あとがき

鏑木行廣著「天保改革と印旛沼普請」

2 この図書の特徴
2-1 普請の時間経過を詳しく知ることができる
膨大な日記類を綿密に検討したうえで、時間を追って普請の経過の様子を詳しく記述していますので、普請の実像を知る上でとても参考になります。
著者が古文書を解読し、それを平易な現代文にして紹介していただいたということだと思います。

2-2 全て史料に裏打ちされた普請人間模様の記述が興味深い
全て史料に裏打ちされた情報に基づき、普請における人夫の生活や過酷な労働、発生する事件、食事や天候など一般専門書では得られない情報が書いてあります。本書により私は、普請に対する興味がいっそう増しました。

2-3 登場する地名を現在全て追うことができる
本書では各藩の持ち場や元小屋の場所、見回りのコースなどの地名が記述されていて、地理的な情報が省略されることがありません。
従って、本書記述内容が地理的に理解できるので、普請にたいする興味が深まります。
なお、花見川地峡付近は大規模に地形を改変した宅地開発が少ないので、本書記載の地名がほぼ完全に現在地と対比できるという条件があります。

(本書には地図が掲載されていないので、グーグルマップ等を利用しながら本書を読むことをお勧めします。)

2014年3月1日土曜日

中村太一著「日本古代国家と計画道路」 紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 19

この本における古代国家計画道路の検討結果を読んで、私は、花見川地峡の古代国家計画道路の存在仮説に対する確信を深めましたので、紹介します。

1 中村太一著「日本古代国家と計画道路」の諸元、内容、目次
【諸元】
書名:日本古代国家と計画道路
著者:中村太一
発行所:吉川弘文館
発行日:平成8年(1996年)711
体裁:A5判、269

【内容】
本書は、日本古代国家の計画道路が実用以上の道路であったという側面を明確に認識しつつ、その建設から律令国家の変質以降10世紀頃には駅制共々崩壊していくまでの過程を検討しています。

【主要目次】
序論 古代計画道路研究の課題
1章 日本古代計画道路の特質
2章 日本古代計画道路の形成要因
3章 計画道路体系の展開過程
4章 律令国家の領域編成と計画道路
5章 国府立地の交通条件
6章 大和国における計画道路体系の形成過程
7章 東国駅路網の変遷過程
8章 「出雲風土記」の空間認識と道路
9章 山陽道美作支路の復原
10章 備前国における古代山陽道駅路の再検討
付論 水上交通利用の構造と地域的特質

中村太一著「日本古代国家と計画道路」と同「日本の古代道路を探す」(平凡社新書)
「日本の古代道路を探す」(平凡社新書)は学術専門図書である「日本古代国家と計画道路」のエッセンスと古代道路の探し方(調査手法)を一般向けに紹介した図書です。

2 この図書の特徴
この図書では、花見川筋とか花見川地峡が特段に着目されていることはありません。

しかし、「第7章 東国駅路網の変遷過程」における検討内容(具体的には道路体系の変遷図)に刺激されて、私は、花見川地峡に古代東海道水運支路が通り、柏井(杵隈)と高津土塁の間に直線道路が通っていたという仮説を構築することができました。

2013.07.05記事「東海道「浮島」駅と花島観音の関係」等参照

詳しくはサイト「花見川地峡の自然史と交通の記憶」参照

このように、花見川筋(花見川地峡)の歴史を考える際に特別重要な示唆を得ることができた図書として本書を紹介しました。