2011年2月26日土曜日

花見川中流紀行 11カワセミの生息に不可欠な素掘堀割

カワセミ観察場所と素掘堀割部分

カワセミが採餌していた高津川(コンクリート3面張)

カワセミが採餌していた長作川(柵渠)

 上図は、散歩でカワセミを観察した場所をプロットしたものです。花見川中流がその分布の下限になります。
 写真をみていただいてわかるように、こんな場所でカワセミが採餌しているとは驚きです。こんな河川・水路に小魚や水生小動物がいて、カワセミが採餌していることはあまり知られていないと思います。
 カワセミは花見川上流の素掘堀割を拠点にして(営巣場所にして)、流入河川・水路にも出かけて食事をしています。高津川、勝田川、横戸川、犢橋川、長作川などで、柵渠の中をたくみに飛翔している姿を何べんも観察しました。

 花見川の堀割(弁天橋付近から花島橋付近まで)は天保の素掘普請の姿がほぼそのまま残っていて、その後の大きな改変やコンクリート構造物がありません。珍しい河川形状になっています。文化的・景観的・歴史的な価値も生まれてきています。カワセミ分布から推し量られるように自然的な価値も大きなものがあります。私は、この素掘堀割としての花見川の価値を流域に居住する住民や行政がもっと知り、地域づくりにもっと活用すべきだと思っています。
 将来治水や利水・空間利用上の要請で、堀割部改変の必要が生じた場合は、素掘河川としての価値をどのように後世に伝えてゆくか、十分な吟味が必要だと思われます。

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