土器集中域のうち点状分布などで直線状になっているものがあります。
そのうち代表的なものAとBについて、その意味を考察してみました。
直線状配置A
直線状配置B
周辺の地形の中で考えると、A・Bともに戸神川(谷津)の上流方向を向いた方向であることが判りました。
戸神川上流方向を見た時の視線方向の違い
直線状配置Aの位置は谷津の中に入り込んでいて、周囲の谷地形の方向に視線誘導されいる上流方向です。
一方、直線状配置Bの位置はまだ谷津の中に入り込んでいない入口であり、周囲の谷地形の方向に左右されないで、純粋に谷の最遠方を見た方向です。
Google Earth で立体的に確認すると次のようになります。
戸神川上流方向を見た時の視線方向 直線状配置A
戸神川上流方向を見た時の視線方向 直線状配置B
土器送りの際に、その送り空間の空間設計をするために戸神川上流方向を使ったのだと思います。
直線状配置A、Bはともに現場で上流方向を指したもので、方位としての北を指したものではありません。
しかし、戸神川の上流方向が北方向であることと、北方向からこのミナトに翡翠(想定)や黒曜石がもたらされることなどから、上流方向を指したことと方位としての北方向とは通底しているものかもしれません。
縄文人の北信仰(北極星信仰)などと、土器送り場で上流方向を見つめる姿は通底していると想像します。
なお、直線状配置A、Bは土器集中域の配置ですが、その当時は地面に土器が置いてあるだけでなく、おそらくイナウのような立体的な依り代(祭壇)様のものが列状に存在していたに違いないと空想します。
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