2017年7月4日火曜日

大膳野南貝塚 後期土坑の平面型

後期集落土坑の平面形状について学習します。
縄文時代の土坑平面形状が持つ意味について予備知識がゼロであるので、データをいろいろといじくってみて、何か有用な情報が得られるかどうか試行錯誤してみます。

1 土坑平面型の分類
発掘調査報告書における土坑平面形状記述が18に及び、必ずしも厳密な定義に基づいていないと考えられますので、次に示す4つの型に分類しました。

大膳野南貝塚 後期集落 土坑平面型分類

円形型、楕円形型、方形型、その他の4つに平面型を分類し、この分類がどのような意味を持つものであるか、検討していくことにします。

4つの平面型の数は次のようになります。

大膳野南貝塚 後期集落 土坑平面型

円形型163(61.7%)、楕円型73(27.7%)、方形型16(6.1%)、その他12(4.5%)となります。

2 土坑平面型の分布
土坑平面型の分布をそれぞれ示すと次のようになります。

大膳野南貝塚 後期集落 土坑平面型 円形型

大膳野南貝塚 後期集落 土坑平面型 楕円形型

大膳野南貝塚 後期集落 土坑平面型 方形型

大膳野南貝塚 後期集落 土坑平面型 その他

調査域北端部に円形型が出現しないという特徴はありますが、それ以外に4つの型が分布域を別にするという大局的状況は見られないようです。

円形型と楕円形型の分布状況が似ているように観察できます。この二つの型の間には関連があることが推察できます。

方形型とその他はそれぞれ数が少ないのですが、その分布が似ているように観察できます。
二つの型を一緒の分布図にすると、直ぐ近くに存在するものもかなりあります。
方形型とその他はオーソドックスな円形型・楕円形型と明らかに形状が異なるので、それに与えられている意味には特別なものがあるに違いないと推察します。

円形型と楕円形型は貝層分布域と重なるものがありますが、方形型とその他は貝層と重なるものがほとんどありません。
これが何を意味するのか、気にしておきます。

つづく



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