2022年1月27日木曜日

アワビ加工品干渉色画像の干渉色変換画像

Interference color conversion image of abalone interference color image


I experimented to keep the basic data on what happens when the shining interference color image of the modified abalone is converted to the interference color. The abalone's green and pink interference colors change in color but remain after conversion. Abalone interference colors have a metaphysical effect.


1 実験

アワビ加工品(千葉市大膳野南貝塚出土、縄文時代後期)の照り輝く干渉色画像を干渉色変換するとどのようになるのか、1回は試してその資料を手元に持っておきたいので、実験してみました。


アワビ加工品 展示写真の干渉色変換画像(位相はいずれも0%)

比較参考のために、干渉色をもたないアリソガイ磨貝観察写真も干渉色変換画像にしてみました。


アリソガイ磨貝観察写真の干渉色変換画像(繰返し回数1回、位相0%)
アリソガイ磨貝は有吉北貝塚出土(縄文中期)、千葉県文化財課森宮分室で閲覧。

干渉色変換は地図アート研究所「干渉色変換ツール」を使いました。

「干渉色変換ツール」を公開されている地図アート研究所やまだこーじさんに感謝します。

2 実験結果メモ

2-1 画像変換に関するメモ

アワビ加工品の微妙な干渉色の輝きは、干渉色変換すると色味は少し違ってきますが、淡い干渉色っぽく表現されているように感じます。個人の好みが入ると思いますが、繰返し回数0.9、1.0、1.1あたりの変換画像が干渉色らしさをより表現しているような感じを受けます。

一方、もともと干渉色のないアリソガイ観察写真は劇的な干渉色変換となります。モノクロ画像が原色干渉色に変わったような感じになります。アート的には激変という意味で、アリソガイの方が面白いのかもしれません。

アワビ加工品で、現実の微妙な干渉色分布変化の様子が、干渉色変換してもその特性がある程度残ることを確認できたことは今回実験の一つの成果です。

2-2 アワビ干渉色の色合い成分とやまだこーじさん発案干渉色セットの対比

アワビ加工品現物を観察すると、その干渉色はグリーンとピンクの2色が交互に分布して照り輝く仕組みになっています。宝飾品として利用される真珠の多くもグリーンとピンクの色合いによる干渉色のものが多いようです。世の中には色々な色合いの干渉色が存在していると考えられますが、人に愛されてきた干渉色の重要なものとしてグリーンとピンク2色セットがあると考えます。

一方、やまだこーじさんが発案された干渉色セットでもグリーンとピンクが重要な場所に配置されています。より訴求力のある干渉色変換を求めるなかで、人々が惹きつけられるグリーンとピンクを基調とした色合いのセットに到達したのではないだろうかと想像します。

「アワビ加工品写真→干渉色変換ツール→干渉色変換画像」というプロセスで生まれた画像について、今直ちにその意義をつまびらかにすることは出来ません。しかし、アワビ現物に干渉色があり、それが縄文人を魅了したという事象があります。一方、今、訴求力を伴う干渉色セットによる写真の干渉色化が私を含め多くの人を魅了しているという事象が存在しています。この2つの「干渉色」に関する事象はどこかでつながっている可能性があります。従って、将来、アワビ加工品写真の干渉色変換画像から、なにか有用な意味とか意義を汲み取ることが出来るようになるかもしれません。今後注意深く検討していくことにします。

2-3 アワビ加工品干渉色のメタフィジカルな効果

アワビ加工品を凹面鏡のように使って太陽光に当て、干渉色で輝く光が産み出す事象を使って呪術が執り行われたかもしれないという「太陽との交信」仮説が現代日本貝塚研究の最先端科学者である西野雅人先生(千葉市埋蔵文化財調査センター所長)によって最近市民に披瀝されました。

2022.01.22記事「千葉市内出土考古資料優品展関連講座「千葉市の名宝(縄文時代)」のzoom聴講」参照

2022.01.26記事「大膳野南貝塚出土アワビ加工品について

アワビ加工品内面が発する干渉色は単に美しいというレベルではなく、縄文人が驚き、感動し、陶酔するようなメタフィジカルな効果をもたらすものです。

鏡は大陸から弥生時代に伝えられたものですから、アワビ加工品はそれとのつながりはありません。しかし、アワビ加工品が古代鏡と類似した呪術具であった可能性があるという仮説から、干渉色の魅力やその意義の大きさについての重要な示唆を受けることができます。

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