2022年1月13日木曜日

干渉色変換フィルターの適用と効果

 Application and effect of interference color conversion filter


I applied the "interference color conversion filter" created and published by Mr. Koji Yamada to various photographs and enjoyed what the result would be.

This filter is of great value in terms of practical terrain and general photographic art. It can also be used for texture images of terrain 3D models.


Facebookやまだこーじさん作成公開干渉色変換フィルターをいろいろな写真に適用して、どのような結果になるのか楽しんでみました。

1 干渉色変換フィルターの原理

干渉色変換フィルターは画像をいったんモノクロ画像に変換し、その濃淡を干渉色セットに対応させます。その原理は次の例で直観的に判ります。


やまだこーじ氏作成公開干渉色変換フィルターの原理

漆黒に近いところは白から茶色に、純白に近いところはモスグリーンに設定され、その間に紺、緑、ピンクなどの色が虹色的にグラデーションで3段階にわたって変化します。この干渉色セットの作成がやまだこーじさんの特許的ノウハウになるのだと思います。

2 地形DEMデータ(標高データ GeoTIFF画像)への適用

GeoTIFF画像ではモノクロの濃淡が標高を表現しますから、干渉色変換フィルターを適用することにより、干渉色標高図を作成することができます。このフィルターの実用面最大価値は干渉色標高図作成にあると考えられます。


干渉色標高図の例(リシャット構造 モーリタニア)

3Dモデル(リシャット構造 モーリタニア)

同時にやまだこーじさんが地図アート研究所を主宰しているように、干渉色変換フィルターは各種地図アート創作の重要なツールになります。楽しい様々な干渉色標高図が作れます。


オーストラリアWolfe Creek Craterの写真-写真と干渉色のオーバーレイ-干渉色標高図


参考 Wolfe Creek CraterのGoogle earth pro画像

3 ヒートマップデータ(密度データ GeoTIFF画像)への適用

ヒートマップデータも密度をモノクロ濃淡で表現していますから、標高データと同じようにこのフィルターを適用すればその表現訴求力が高まります。1の原理図はヒートマップの事例です。

ヒートマップは地形よりもまるまった形状になりますから、地形とは違った印象の造形になります。予期しないアートが出来るかもしれません。

4 考古遺物写真への適用

考古遺物写真へこのフィルターを適用してみました。


イモガイ製腰飾


マダカアワビ貝刃


縄文早期土偶(照明不足環境で撮影した画像)

考古遺物から新たな情報を引き出すことを指向する観察に立つと、干渉色変換フィルターの適用は残念ながらあまり効果は無いようです。

アート的立場では全く違った評価になります。干渉色画像を考古関連展示とか記事で「息抜き」とか「アクセント」として背景画像に使うと楽しい雰囲気を醸すことができるかもしれません。

5 戦前モノクロ写真への適用

戦前モノクロ写真(軍事関連写真)へPhotoshopニューラルフィルター機能(カラー化)と干渉色変換フィルターを適用して比較してみました。


鉄道連隊の花見川架橋工事演習(現在の横戸台)


特別騎兵演習(昭和10年)(大久保付近の鉄道連隊演習線路か)

(余談:この写真の騎兵の一人が自分の父である可能性がゼロではない写真です。)

残念ながら干渉色変換フィルターの実用面効果はあまり生まれません。Photoshopニューラル機能(カラー化)はソフトサイドの学習が進んでいて、期待以上のカラー再現効果を生んでいます。

6 終戦直後米軍空中写真への適用

終戦直後に米軍が撮影した空中写真にPhotoshopニューラルフィルター機能(カラー化)と干渉色変換フィルターを適用してみました。


鉄道連隊花見川架橋付近(横戸台)


鉄道連隊花見川架橋付近(現花見川大橋)

干渉色変換フィルターにより、まるでマルチスペクトル画像のような画像が生まれます。モノクロ濃淡を忠実に反映して干渉色セットを適用しています。水田など湿気のある土地や樹木影は黒く、それが青で表現されていて土地条件を表現しているようにも見えます。今後、この画像に実用的価値があるかどうか検討することにします。

アート的には地理や地図などの展示・記事などで背景画(壁紙)として使うにはうってつけです。

Photoshopニューラルフィルター機能(カラー化)はスナップ写真のようにはいかないで、あまり意味のあるカラー化になっていません。

7 感想

干渉色変換フィルターによる処理で新たに意味のある情報を得たいという視点から見ると、このフィルター適用はモノクロ濃淡に意義が存在する標高データと密度データに効果的であることが判りました。

アート面からみると干渉色変換フィルターはとても価値の大きなツールであることが判りました。

やまだこーじさん提供「干渉色変換フィルター」の意義は大きなものがあります。


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