3D model observation of the human face-shaped clay tablet (Uchino Daiichi site, Chiba city)
I created a 3D model of the human face-shaped clay tablet (Uchino Daiichi site, Chiba city), which is exhibited at the Chiba City Folk Museum "Chiba City Excellent Archaeological Material Exhibition". I observed it and made a note of the learning task.
千葉市立郷土博物館「千葉市出土考古資料優品展」で展示されている、人面付土版(千葉市内野第1遺跡)を3Dモデルで観察しました。
1 人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル Human face-shaped clay tablet
人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル Human face-shaped clay tablet縄文時代晩期
右は裏面レプリカ
撮影場所:千葉市立郷土博物館「千葉市出土考古資料優品展」
撮影月日:2021.12.22
展示の様子
ガラスショーケース越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 78 images
Human face-shaped clay tablet (Uchino Daiichi site, Chiba city) Observation record 3D model
Final Jomon period
The right is the back side replica
Location: Chiba City Folk Museum "Chiba City Excellent Archaeological Material Exhibition"
Shooting date: 2021.12.22
Shooting through a glass showcase
Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.010 processing 78 images
3Dモデルの動画
2 メモ
2-1 展示説明
「人面付土版 内野第1遺跡(花見川区宇那谷町) 市指定文化財
縄文時代晩期に特有の遺物で、護符という意見がある。
本資料は土偶と同様に顔面表現がなされ、「クレヨンしんちゃん」に似ているとして話題になった。」
2-2 実測図
実測図
千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用
2-3 問題意識
ア 顔面表現 1
土版の顔面表現は耳飾も付いていて、土偶表現と似ています。同じ顔面様式であるように感じます。
参考 千葉市内野第1遺跡出土 安行式ミミヅク土偶実測図
千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用
土版の頭部が膨らんでいることも、この土版作者が土偶を意識して作成していることを物語っているように受け取ります。
しかし、顔表情という面からみるとこの土版と土偶は大いに異なります。
土偶の顔表情は一般に怪異とか恐怖とか驚異のような異様な雰囲気を感じるものが多く、かつ破壊されて消費されます。しかしこの土版は「クレヨンしんちゃん」に似ているといわれるように「可愛さ」「幼さ」を感じさせます。また破壊されることなく完形で出土しています。
これらの情報から、土版と土偶の顔面様式は同じでも表情と使用方法が異なり、その意義(用途)が違っていたことを納得できます。展示説明にあるように、この土版は護符(お守り)であったのだと思います。土偶は女神を殺害する(土人形を破壊する)という祭祀クライマックスを伴う身近な祭器だったのだと想像します。
イ 顔面表情 2
この土版の顔面表情の「可愛さ」「幼さ」は縄文人作者が意図して表現したものであり、その意図をわれわれ現代人がその通りに感じていると考えます。
認知考古学原理の理解
2021.12.15記事「認知考古学の意義について気が付く cognitive archeology」
ウ 三角形
土版表面と裏面に描かれる縄文施文三角形について、他遺物に類似模様を探して対照し、今後その意義を考察することにします。
エ 入組文
土版裏面上部の入組文は吉祥文であると考えています。
入組文の例 手燭形土器(安行3a式)(佐倉市吉見台遺跡)
2021.12.07記事「手燭形土器(安行3a式)(佐倉市吉見台遺跡)の観察 Candlestick-shaped earthenware 2」
吉祥文である入組文が描かれていることから、この土版は乳児死亡リスクが低減した一定年齢まで子どもが育ったことを祝う祭祀で使われたお守り、育児に関するお守りであったのかもしれません。
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