2023年8月19日土曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3D分布モデル

 Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer

Kasori EII Middle Stage No. 201 Pottery Fragment 3D Distribution Model


I created a 3D model of the Kasori EII middle stage No. 201 pottery fragment from the Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer. This pottery was dumped from two places: the gully valley head and another slope. I imagine that this is a special case where the same pottery was used in two pottery throwing rituals.


有吉北貝塚北斜面貝層の加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3Dモデルを作成しました。この土器はガリー谷頭とそれとは別斜面の2ヶ所から投棄されています。同一土器が2回の土器投棄祭祀で使われた特例と想像します。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3D分布モデル

有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3D分布モデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中段階201番土器:赤CUBE(5)


加曽利EⅡ式中段階201番土器(発掘調査報告書から引用)

曽利式系の模様となっています。


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3D分布モデル画像


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式中段階201番土器の破片3D分布モデル動画

2 観察


観察結果

この土器はガリー谷頭とガリー左岸斜面の2つの場所から投棄されている特例とも言える土器です。

前期土器のうち3点は南斜面貝層と北斜面貝層の2つの貝層から出土して接合されているものがありますから、201番土器はその前期土器と共通した性格を帯びていると想定します。

想像の域を出ませんが、201番土器は異なる2回の土器投棄祭祀で使われたのだと考えます。通常は廃用土器による土器投棄祭祀はガリー谷頭から1回のみ行われるところ、201番土器だけ、通常土器投棄祭祀のほか、別趣旨の祭祀も場所を変えて行われたと空想しておきます。土器模様が曽利式系であることと何か関係するのでしょうか?今後の検討を楽しみたいと思います。


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