2023年8月15日火曜日

崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル

 3D model of the relationship between the estimated interface between the collapsed layer and the sloping shell layer and the Kasori EII middle stage pottery


In the Ariyoshi Kita Shell Mound North Slope Shell Layer, the amount of pottery discarded increases sharply in the middle stage of the Kasori EII type. Most of them are distributed continuously from the gully valley steep slope to the gully transport sedimentary layer. The distribution principle of the shell layer and the pottery is different.


有吉北貝塚北斜面貝層では加曽利EⅡ式中段階になると土器投棄が一挙に急増します。ほとんどがガリー谷頭急斜面からガリー運搬堆積層に連続して分布します。貝層と土器の分布原理が異なります。

1 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル

崩落層と斜面貝層の推定境界面:カラーグラデーション等高縞模様表現

貝層断面図:4番断面、7番断面、11番断面

加曽利EⅡ式中段階土器:赤CUBE(243)


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル画像1


崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル画像2


有吉北貝塚北斜面貝層 崩落層と斜面貝層の推定境界面と加曽利EⅡ式中段階土器との関係3Dモデル動画

2 観察


観察結果1


観察結果2

加曽利EⅡ式中段階になると土器投棄が一挙に急増します。ほとんどがガリー谷頭急斜面からガリー運搬堆積層に連続して分布します。EⅡ式古段階までのようにガリー谷頭急斜面とガリー運搬堆積層の分布を区分することはできません。この分布様子は、縄文人が土器をガリー谷頭から谷底に向かって投棄し、土器破片がガリー水流(年に数回発生を想定)で下流に運搬された様子が表現されていると想定できます。

斜面貝層分布が4点、崩落層分布が3点あります。崩落層分布は崩落層の最上部ですから、資料精度を考えると斜面貝層出土と考えてもよいかもしれません。

右岸土層分布が5点あります。

異常データが1点あります。手元データでは確認出来ませんが、恐らく発掘調査報告書グラフ作成ミスだと考えます。

土器破片数は、ガリー谷頭急斜面~ガリー運搬堆積層分布が230点、それ以外の斜面貝層等分布が13点あり、その比は約18:1になり、ガリー谷頭急斜面~ガリー運搬堆積層分布が圧倒します。つまり、土器はほとんどがガリー谷頭から投棄されたということになります。一方貝殻投棄は斜面に投棄され、斜面貝層として面的に堆積していますから、貝殻投棄と土器投棄が全く別の原理で実施されたことが判ります。この原理の違いは北斜面貝層の構造を解く上で重要なポイントになるに違いありません。

さらに、他の遺物の分布原理がどのようなものであるのか、気になります。


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