2024年7月27日土曜日

土錘破損率の分布

 Distribution of soil weight breakage rates


I visualized the breakage rates by grid using the soil weight list of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound published in the excavation report. This revealed a significant difference in the spatial distribution of breakage rates. The breakage rate was high in the upstream area near the head of the gully, and low downstream. The soil weight breakage rate data may be an indicator of the strength of the water flow force.


発掘調査報告書に掲載されている有吉北貝塚北斜面貝層の土錘リストを使って、グリッド別土錘破損率を可視化しました。これにより空間における土錘破損率分布の顕著な差異がみつかりました。ガリー谷頭に近い上流部で破損率が高く、下流で低くなります。土錘破損率データが加曽利EⅡ式期水流営力強さの指標になるかもしれません。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別土錘破損率

有吉北貝塚北斜面貝層 グリッド別土錘破損率

土錘が10以上出土したグリッドのみ表示

棒の長さは土錘出土数を示す(10~48)

データ出典:発掘調査報告書

赤:破損率>52%

黄:52%≧破損率≧32%

青:32%>破損率

(破損率とは完形土錘(残存率80%以上)のうち、破損が認められる土錘の割合。破損率平均値は42%。)

3DF Zephyr v7.531でアップロード


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

2 メモ

北斜面貝層上流部(ガリー谷頭部)で破損率が高く、下流部で破損率が低い傾向が見られます。

直観的には、上流部では侵食作用が強いため水流運搬中の破損が多くなり、下流部では水流の影響が弱いため破損が少なくなると捉えることができます。別の情報とも重ねてこのような捉え方でよいか十分に確かめる必要があります。もしこの考えの的確性が高まれば、逆に土錘破損率の大小を侵食営力の強さの指標とすることができます。

この1枚の土錘破損率分布図だけからの特定的判断はできませんが、土錘破損率の空間分布に顕著な相違がみつかりましたので、今後の検討が楽しみです。


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