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2026年10月25日日曜日

剥取断面における二枚貝殻偏位角の分布

 Distribution of Bivalve Shell Orientation Angles in a Cross-Sectional Profile


A comprehensive survey of bivalve shells was conducted on a cross-sectional profile of the shell midden located on the northern slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden, and a map of their orientation angles was created. When the orientation angles are categorized into three color-coded ranges, it becomes evident that shells whose orientation aligns with the slope angle—as would be expected during downslope movement—frequently alternate with shells that do not show such alignment. This pattern is highly likely to have been formed as the bivalve shells moved down the slope.


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面において二枚貝殻悉皆調査を行い、偏位角分布図を作成しました。偏位角を3段階に区分色分けして全体の分布を見ると、貝殻移動時の斜面角度に適従した偏位角の二枚貝殻と適従していない二枚貝殻が交互に分布するところが多く、これは二枚貝殻が斜面移動した際にできたパターンである可能性が高いです。

1 偏位角の区分

偏位角 0°~80°  緑 645個

偏位角 80°~120  赤 1185個

偏位角 120°~180° 青 660個

・偏位角は垂直線上から時計回りに計測(垂直に立った貝殻は0°(180°)、水平の貝殻は90°)

・偏位角 80°~120  赤 1185個は斜面角度120°に適従して堆積した二枚貝殻と仮定した。

2 有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面(部分)における二枚貝殻偏位角分布


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面(部分)における二枚貝殻偏位角分布

四角枠(下部はない)の左右幅は4m、上下幅(下部は画面下部)は1.55mです。

3 偏位角 80°~120  赤 1185個の分布


偏位角 80°~120  赤 1185個の分布

4 偏位角 0°~80°  緑 645個の分布


偏位角 0°~80°  緑 645個の分布

5 偏位角 120°~180° 青 660個の分布


偏位角 120°~180° 青 660個の分布

6 検討

6-1 分布検討

偏位角を3段階に区分色分けして全体の分布を見ると、貝殻移動時の斜面角度に適従した偏位角の二枚貝殻と適従していない二枚貝殻が交互に分布するところが多く、これは二枚貝殻が斜面移動した際にできたパターンである可能性が高いです。

分層毎に3区分分布パターンが少しずつ異なります。向かって左(古)から右(新)に向かってパターンが漸移して変化しているようにも見えます。

6-2 分析技術検討

偏位角3区分(赤、青、緑)の分布パターンをQGISのヒートマップ(カーネル密度推定)演算により分析する技術的試みをこれまでしてきましたが、期待したような結果は得られませんでした。ヒートマップ特性(分布を平滑化することによる単純化)が今回事象に向いていないような感想もうまれています。本当にそうであるか、もう少し検討を深めることにします。



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【グッド&ニュー】(ブログ活動や生活・散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)

ファブリック分析作業を10日間以上さぼって、昨日からスタートしたが、作業の詳細を思い出すのに半日かかった。時間ロスがもったいない。しかし、作業を離れたことで、新鮮な視点から新たな発想も生まれた。QGISヒートマップ演算技術を獲得できたことは素晴らしいが、今回はあまり役立たないかもしれない。別の場面で大いに活用できそうだ。フィールド計算機、ラスター計算機のアレルギーが無くなったことも今後の別場面で役立ちそうだ。


2026年10月4日日曜日

作業日誌 二枚貝殻偏位角3区分と分層別貝殻移動タイプ

 Work Log: Classification of Bivalve Shell Deviation Angles into Three Categories and Shell Movement Types by Stratum


I am proceeding with this work based on the hypothesis that examining the distribution of bivalve shell deviation angles—categorized into three groups—might reveal underlying structures or patterns. I have decided to limit the scope of the analysis to the area where the bivalve shells moved across the slope.


二枚貝殻偏位角を3区分してその分布を検討することにより、構造とかパターンとかがみつかるかもしれないと考え、作業を進めています。検討範囲を二枚貝殻が斜面を移動した領域に限定することにしました。

1 二枚貝殻偏位角3区分と分層


二枚貝殻偏位角3区分と分層

分層は発掘調査成果(セクション図)から引用したものです。

2 分層別貝殻移動タイプ


分層別貝殻移動タイプ

2026年9月16日水曜日 貝層移動タイプ別偏位角分布

3 二枚貝殻偏位角3区分と分層別貝殻移動タイプ


二枚貝殻偏位角3区分と分層別貝殻移動タイプ

4 二枚貝殻偏位角3区分による分布分析対象


二枚貝殻偏位角3区分による分布分析対象

二枚貝殻偏位角3区分の分析対象を斜面移動タイプの領域に限定して行うこととします。

対象の二枚貝殻数は次の通りです。

総数 2490 100%

緑(0°~90°) 937 37.63%

赤(90°~110°) 343 25.94%

青(110°~180°) 907 36.43%

5 メモ

二枚貝殻偏位角3区分と分層図をみると、図化された最小単位分層毎に貝殻が移動堆積したことが考えられます。従って構造とかパターンとかを見つけるならば、最小単位分層毎に分析する必要があることは自明です。しかし、その詳細分析に入る前に、まず斜面移動タイプ領域全体を対象に分析し、全体の概要を把握することにします。



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【グッド&ニュー】(ブログ活動や生活・散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)

老婦人が小さい犬の散歩をしていて、猫が数匹たむろしている場所を通ると、猫のうち同じ1匹が老婦人と犬の散歩に一緒について散歩する同じ光景を何度も見て面白い。猫に吠える犬がほとんどいないし、猫も犬を無視している場合が多い。


2026年10月3日土曜日

二枚貝殻偏位角の3区分と分布分析項目

 Three Categories of Bivalve Shell Deviation Angles and Distribution Analysis Parameters


Bivalve shell deviation angles frequently fall within the 90°–110° range; this is presumed to be the result of the shells being constrained by a slope angle of 120° during gravity-driven movement. When the deviation angles are categorized into three groups—0°–90°, 90°–110°, and 110°–180°—and cross-sectional distribution maps are created and examined, distinct structures and patterns become apparent. Consequently, a distribution analysis based on four parameters was conducted using these three categorized distribution maps.


二枚貝殻偏位角は90°~110°のものが多く、これは二枚貝殻が重力性移動する中で斜面角度120°に制約された結果であると想定しています。二枚貝殻偏位角を0°~90°、90°~110°、110°~180°に3区分して、その断面分布図を作成観察すると、構造やパターンがあるような印象を強くうけます。そこで、この3区分分布図を素に4項目の分布分析を行うことにしました。

1 二枚貝殻偏位角の3区分


二枚貝殻偏位角の10°区分別ヒストグラム

二枚貝殻偏位角の10°区分別ヒストグラムを見ると90°~100°、100°~-110°のものが多くなっています。これは投棄された二枚貝殻が120°の斜面を移動するという制約の中で生じた現象であると考えます。

二枚貝殻偏位角が貝層断面でどのような分布をするか検討するために、二枚貝殻偏位角を次のように3区分して、その分布を検討し、何か構造やパターンを見つけられるか検討することにします。


二枚貝殻偏位角の3区分

0°~90°→緑

90°~110°→赤

110°~180°→青

2 二枚貝殻偏位角3区分の断面分布


二枚貝殻偏位角3区分の断面分布

この分布図を見ると、赤点、青点、緑点がランダムに分布するのではなく、それぞれが凝集する部分があったり、3色の配置にパターンがあるような感じも受けます。

上から投棄された二枚貝殻が他の小巻貝や土器片などと一緒に重力性の移動を繰り返し、おそらく大きさによる分級現象を経て、最終的に堆積したと考えるので、その結果に何らかの規則性やパターンがあっても不思議ではありません。この分布図に意味があることは確実です。


二枚貝殻偏位角3区分の断面分布(背景は移動タイプ)

背景の赤色は二枚貝殻が斜面を重力移動した領域です。この領域を今後の分布分析の対象とします。別の背景色は流水営力、崩落営力が関わる領域ですので、行ったん分析対象から外します。

3 分布分析項目

偏位角3区分分布図を素に次の項目について分布分析して、分布構造やパターンに関する有用情報を汲み出すことにします。なお、この項目はChatGPT支援により設定したものです。

1) 赤・青・緑の局所構成比マップ作成

赤・青・緑の「点密度」ではなく「全二枚貝殻に占める割合」を見る。

2) 「色が場所と関係しているか」のランダム化検定

位置は固定したまま赤・青・緑の色だけをランダムに9999回入れ替えて、帰無仮説「殻がこの場所に存在すること自体には空間構造がある。しかし偏位角カテゴリーは場所とは無関係である」を検証する。実データがランダム色付けの99%あるいは95%範囲から外れるかを見る。

3) 赤―赤・青―青・緑―緑・赤―青・赤―緑・青―緑の cross-PCF / cross-K分析

どの色同士が何cm程度で凝集・排他的なのかを見る。

4) 120°を基準に座標を回転した方向分析

斜面方向の色構成変化、異方性、色の遷移を調べる。



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【グッド&ニュー】(ブログ活動や生活・散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)

早朝6時前ですが、散歩途中にある横戸弁天に2本のろうそくが灯っていました。小さいろうそくですが本物の火が光る様子はとても印象的でした。横戸弁天でろうそくが灯る光景ははじめてです。ろうそくを灯す特別の風除け箱があることもはじめて意識しました。横戸弁天背後の道沿いにある小さな石地蔵に風除け筒が用意され、その中でもろうそくが2本灯っていました。野外におけるろうそくの火は、人の注意をそれに強く引き付ける力があることに気が付きました。



2026年9月29日火曜日

最近隣距離と偏位角の関係

 Relationship between nearest-neighbor distance and deviation angle


I plotted and examined the relationship between the nearest-neighbor distance and the deviation angle of bivalve shells. I concluded that there is no significant relationship between these two metrics worth noting. This has clarified the interrelationships among the three metrics: deviation angle, nearest-neighbor intersection angle, and nearest-neighbor distance.


二枚貝殻の最近隣距離と偏位角の関係をプロット図を作成して観察しました。この2つの指標には着目に値する顕著な関係がないと判断しました。これで、偏位角、最近隣交差角、最近隣距離の3つの指標の相互関係が明らかになりました。

1 偏位角、最近隣交差角、最近隣距離


偏位角、最近隣交差角、最近隣距離の説明

2 参考 偏位角、最近隣交差角、最近隣距離の統計


偏位角の分布(ヒストグラム)


最近隣交差角ヒストグラム


最近隣距離ヒストグラム

3 最近隣距離と偏位角の対応


最近隣距離と偏位角の対応

最近隣距離の変化に対応して、偏位角の分布変化はほぼ同じです。一方、偏位角の変化に対応して、最近隣距離分布変化はほぼ同じです。このプロット図から、最近隣距離と偏位角の間には着目すべき関係がみつかりません。

4 再掲 最近隣距離と最近隣交差角の対応


二枚貝殻 最近隣距離(nn)と最近隣交差角(ia)の対応

二枚貝殻の最近隣距離(nn)と最近隣交差角(ia)の対応をプロット図でみると、nnが小さくなると、iaは小さいものの割合が増えることが直観できます。


最近隣距離(nn)区分別にみた最近隣交差角(ia)の小さいものの割合

最近隣距離(nn)が小さくなると、比例して最近隣交差角(ia)の小さいものの割合が増加します。さらにより特徴的な事象としてnnが非常に小さい領域ではiaの小さなものの割合が急増することをあげることができます。これは二枚貝殻が近づくに従って2枚の貝殻の偏位角が急速に近づく(平行になる)ことを示してます。このデータは剥取断面現場観察で見られる、二枚貝殻密集部での「束ねられた」ような出土状況と対応しています。

2026年9月26日土曜日 最近隣距離区分別にみた最近隣交差角の様子

5 再掲 偏位角と最近隣交差角の対応


偏位角と最近隣交差角の対応

二枚貝殻の偏位角と最近隣交差角の関係をプロット図を作成して観察すると、偏位角90~110°で最近隣交差角0~10°の範囲にサンプルが最も集中します。つまり、斜面(120°)を二枚貝殻が移動するなかで、偏位角が90~110°のものが増え、同時に二枚貝殻が密集して最近隣交差角0~10°のものも増えると考えます。この顕著な様子は二枚貝殻の移動特性の結果を表現していると考えます。

2026年9月27日日曜日 偏位角と最近隣交差角の関係

6 まとめ

6-1 3指標の関係

最近隣距離と偏位角のプロット図から、この2つの指標に着目すべき関係が見当たりません。

一方、最近隣距離と最近隣交差角の間には、最近隣距離が短くなると最近隣交差角も小さくなる、つまり2枚の二枚貝殻が近づくと平行に近づくという顕著な関係がみられます。

さらに、偏位角と最近隣交差角の間には、偏位角90~110°で最近隣交差角0~10°の範囲にサンプルが最も集中するという関係が見られます。

6-2 3指標と整合する移動モデル

この3つの情報は次のような二枚貝殻移動モデルを想定すると整合します。

角度角度120°の斜面に土器、二枚貝殻、イボキサゴなどが投棄され、重力性移動を繰り返して斜面を下った。

重力性移動を繰り返す中で移動物には大きさによるソート現象が発生し、斜面下部には二枚貝殻が集まり密集した。重力性移動の際、二枚貝殻はその形状から相互に重なり合うものが増え、隣接貝殻との距離が縮小した。相互に重なった場合、噛みあい離れにくくなるので移動運動が進むに従い重なりあうものが一体となって運動した。

重力性移動では斜面角度120°に制約されて偏位角90~110°の二枚貝殻が増えた。

6-3 考察

斜面を移動する中でソートされて二枚貝殻だけが純貝層のように集まり、その際二枚貝殻の殻位形状から噛み合ってしまうもの(束ねられたようになったもの)も多く、最初から最近隣距離はとても小さくなったと考えます。斜面角度に制約されて偏位角90~110°のものが増えていったと考えますが、偏位角90~110°になったものも、ならなかったものも、既に最近隣距離は十分に短かったと考えます。

7 参考 貝層写真


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面露頭写真(左右反転)


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面3Dモデル



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【グッド&ニュー】(ブログ活動や生活・散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)

今朝家の扉を開けて外の路面を見るとびっしょりでしたが、雨は止んでいましたので散歩にでました。足元は濡れましたが、5kmの散歩は無事終了です。そして、家の前に戻ったその時、雨が振り出しました。とてもラッキーです。しかし、実は昨朝も全く同じ状況で散歩ができ、2日連続のラッキーはめずらしいです。

2026年9月27日日曜日

偏位角と最近隣交差角の関係

 Relationship between the deviation angle and the nearest-neighbor crossing angle


I examined the relationship between the deviation angle and the nearest-neighbor crossing angle of bivalve shells by creating a scatter plot. The samples are most concentrated in the range where the deviation angle is 90–110° and the nearest-neighbor crossing angle is 0–10°. I believe this distinct pattern reflects the movement characteristics of the bivalve shells.


二枚貝殻の偏位角と最近隣交差角の関係をプロット図を作成して観察しました。偏位角90~110°で最近隣交差角0~10°の範囲にサンプルが最も集中します。この顕著な様子は二枚貝殻の移動特性の結果を表現していると考えます。

1 偏位角と最近隣交差角


偏位角と最近隣交差角

2 偏位角の分布


偏位角分布グラフ

偏位角90~110°のものが多く、この偏位角は貝殻が移動した斜面の傾斜(鉛直線から時計回りに計って、およそ120°)に対応していると考えています。

3 偏位角と最近隣交差角の対応


偏位角と最近隣交差角の対応


偏位角と最近隣交差角の対応 ヒートマップ

二枚貝殻の偏位角と最近隣交差角の関係をプロット図を作成して観察すると、偏位角90~110°で最近隣交差角0~10°の範囲にサンプルが最も集中します。つまり、斜面(120°)を二枚貝殻が移動するなかで、偏位角が90~110°のものが増え、同時に二枚貝殻が密集して最近隣交差角0~10°のものも増えると考えます。この顕著な様子は二枚貝殻の移動特性の結果を表現していると考えます。

二枚貝殻堆積の実態が少しずつ明らかになってきました。


2026年9月16日水曜日

貝層移動タイプ別偏位角分布

 Distribution of Deviation Angles by Shell Bed Transport Type


I categorized shell bed transport types into three groups—slope movement, collapse, and water flow—and examined the distribution of bivalve shell deviation angles for each. Distinct characteristics emerged, and the most frequently occurring angles differed among the groups. This revealed a correlation between bivalve shell deviation angles and the transport type.


貝層の移動タイプを斜面、崩落、流水の3つに分け、それぞれ別に二枚貝殻偏位角分布を見てみました。特徴がはっきりと分かれていて、最多出現角度も異なります。二枚貝殻偏位角が移動タイプに相関することが浮かび上がってきました。

1 貝層移動タイプ

セクション図から貝層分層を抽出しました。


剥取断面露頭写真とセクション図


セクション図分層区分

貝層分層毎に、これまでの検討に基づいて、貝層移動タイプを次の3つに分けました。

斜面移動タイプ…斜面を重力性移動して堆積するタイプ

崩落移動タイプ…崩落により移動堆積するタイプ

流水移動タイプ…流水により移動堆積するタイプ


分層別貝殻移動タイプ

この移動タイプ区分を個々の二枚貝殻に当てはめると次のようになります。


貝殻別貝殻移動タイプ

貝殻別貝殻移動タイプからボロノイ多角形を作図すると次のようになります。


ボロノイ多角形別貝殻移動タイプ

2 移動タイプ別二枚貝殻偏位角分布グラフ


斜面移動タイプ 二枚貝殻偏位角分布グラフ


崩落移動タイプ 二枚貝殻偏位角分布グラフ


流水移動タイプ 二枚貝殻偏位角分布グラフ

3 考察

移動タイプにより偏位角分布パターンが明白に異なります。

流水タイプの分布パターンは最多出現偏角の割合が多く、それより離れた角度の貝殻は少なくなっています。これは営力(水流)の特徴を表現していると考えることができます。

斜面タイプの分布パターンは最多出現角度付近とそれから離れた角度のものが広い裾野で分布し、重力性移動などの特徴を表現していると考えます。

崩落タイプの分布パターンはデコボコした滑らかさのない分布であり、崩落現象の特性を表現していると考えます。

最多出現偏位角を見ると、流水タイプで90~100°となり流水の抵抗を受けにくい偏位角が優先しています。斜面タイプでは100~110°となり、斜面角度(およそ120°)に対応した値となっています。崩落タイプでは120~130°となり、剥取断面で実際に観察できる斜面角度に近似しています。

これらの特徴から、二枚貝殻偏位角が移動タイプに相関することが浮かび上がってきたと考えます。


2026年9月6日日曜日

剥取断面における二枚貝殻偏位角の分析 その1

 Analysis of Bivalve Shell Deviation Angles in a Section Profile – Part 1


I have begun analyzing the deviation angles of bivalve shells (the angle at which the plane of the shell margin intersects the cross-section) within a shell-layer section profile from the northern slope of the Ariyoshi-Kita Shell Midden. A graph aggregating the data in 10-degree increments reveals that the 100–110° range is the most frequent, closely approximating the slope angle (angle of the stratigraphic layering) of approximately 120°.


有吉北貝塚北斜面貝層剥取断面の二枚貝殻偏位角(二枚貝殻殻縁平面が断面と交差する角度)の分析に着手しました。10°刻み集計グラフを作ってみると、100~110°が最多となり斜面角度(分層線角度)の約120°に近似します。

1 二枚貝殻偏位角の10°刻み集計グラフ


二枚貝殻偏位角の10°刻み集計グラフ(2026.09.14訂正差し替え)


二枚貝殻偏位角の10°刻み集計グラフ(2026.09.14訂正差し替え)

10°刻み集計グラフを作ってみると、100~110°が最多となり斜面角度(分層線角度)の約120°に近似します

この偏位角集計グラフが剥取断面の二枚貝分布構造の一つの要約資料であると捉えます。斜面角度が変化すれば、このグラフも変化する関係にあると考えます。つまり、斜面移動結果の集約記録の一つがこのグラフであると考えます。

2 二枚貝殻偏位角の観察


二枚貝殻偏位角の分布(10°刻み色別総集)

10°刻み色別分布図を作成して眺めて、問題意識を醸成しました。


二枚貝殻偏位角(90°~120°)とボロノイ多角形との関係


二枚貝殻偏位角(90°~120°)とボロノイ多角形(面積階級区分別色塗り)との関係

出現の多い90°~120についてボロノイ多角形(密集性指標として用いる)との関係について眺めて、問題意識を醸成しました。

3 最初の分析予定項目

ボロノイ多角形面積階級区分(二枚貝殻密集性指標)を見ると、その構造が貝殻移動構造と強く関連していることが推察できます。

そこで、ボロノイ多角形面積階級区分と偏位角階級区分との関係資料を最初につくり、検討することにします。