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2026年4月27日月曜日

技術メモ 貝層剥取断面と二枚貝(ハマグリ)の交線描画原理

 Technical Memo: Principle of Drawing Intersection Lines Between Shell Layer Cross-Sections and Bivalve Shells (Clams)


To measure the inclination between shell layer cross-sections and bivalve shells (clams), it is necessary to draw the intersection lines between the cross-section and the shell. This memo illustrates the principle of this drawing method.


貝層剥取断面と二枚貝(ハマグリ)の傾斜を計測するためには断面と貝殻の交線を描く必要があります。その描画方法の原理を図解でメモしました。

1 検討例


検討例

上凸で傾いたハマグリと下凸で傾いたハマグリの2例について、貝層剥取断面(鉛直平面)とハマグリの交線描画法原理を以下にメモします。

2 上凸で傾いたハマグリの貝殻傾斜線描画原理


上凸で傾いたハマグリ例

貝殻縁に密着する仮想平面をここでは殻縁平面と呼ぶことにします。殻縁平面と鉛直平面の交線が貝殻傾斜線となります。貝殻傾斜線と水平面との成す角度が貝殻傾斜となります。貝殻傾斜線描画後の傾斜角度計測はアプリ(自作Pythonスクリプト)が自動で行います。


実際例

実際の貝殻傾斜線描画は上記原理モデルを念頭に直観的に傾斜線を想定して、その端点2ヶ所をクリックして行います。

なお、傾きの状況が判りずらい場合は3Dモデルを観察して確かめてから描画します。

3 下凸で傾いたハマグリの貝殻傾斜線描画原理


下凸で傾いたハマグリ例


実際例

4 メモ

ここで求める貝殻傾斜はあくまでも剥取断面に対する傾斜であり、地山地形最大傾斜に対応する断面に対する傾斜ではないので、利用上注意が必要です。

また描画原理に基づくとはいえ、実際の作業は直観的な作業になりますから、精度の点では期待度の低いデータとなります。しかし、このようなデータは他にないので、貴重なデータとなります。


2020年11月22日日曜日

貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)と包含土器観察所見資料の3Dモデル作成

 縄文土器学習 500

千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」で展示されている貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)の隣に発掘調査報告書掲載「包含土器観察所見資料」を並べた3Dモデルを学習資料として作成しました。

1 貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)と包含土器観察所見資料 3Dモデル

貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)と包含土器観察所見資料 3Dモデル

●貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)観察記録3Dモデル

縄文中期、北斜面貝層(SS009)、貝層断面B

主にチョウセンハマグリ、ダンベイキサゴ、フジノハナガイから構成される。

膨大な土器(メインは加曽利EⅡ式土器)とともに石器、骨角歯牙貝製品、コハク等出土。

貝層の最大層厚1.92m、傾斜角40度のガリーに堆積。

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」 

撮影月日:2020.11.13 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.009 processing 109 images

●包含土器観察所見資料 3Dモデル

東金市・大網白里市養安寺遺跡発掘調査報告書掲載資料

Blenderにより3Dモデル作成


3Dモデル画面


3Dモデルの動画

2 包含土器観察所見資料


包含土器観察所見資料

東金市・大網白里市養安寺遺跡発掘調査報告書から引用

3 メモ

貝層下層部から中層部、上層部の方向に向かって、包含土器の形式は加曽利EⅠ.EⅠ~EⅡ(■)→加曽利EⅡ(▲)→加曽利EⅡ~EⅢ(●)の順に近い順に出土する資料となっています。


貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)の3Dモデル作成

 縄文土器学習 499

千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」で展示されている貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡)の3Dモデルを作成し、観察しました。

1 貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡) 観察記録3Dモデル

貝層剥取断面(東金市・大網白里市養安寺遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文中期、北斜面貝層(SS009)、貝層断面B

主にチョウセンハマグリ、ダンベイキサゴ、フジノハナガイから構成される。

膨大な土器(メインは加曽利EⅡ式土器)とともに石器、骨角歯牙貝製品、コハク等出土。

貝層の最大層厚1.92m、傾斜角40度のガリーに堆積。

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」 

撮影月日:2020.11.13 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.009 processing 109 images


展示の様子


展示の様子


説明パネル


3Dモデルの動画

2 メモ

ア 谷壁原面の傾斜と平行に貝層が堆積している様子が表面凹凸模様の傾斜からわかります。

イ 貝殻や他の品は斜面上から投棄されたことがわかります。

ウ 剥取面の凹凸は貝殻とそれ以外の堆積物(土)の分量比の違いを表現していて、貝殻が集中的に投棄された時期と土壌が堆積する時期が交互に繰り返していたことなどの集落活動変動を示していると考えられます。

エ 発掘調査報告書に貝層の詳しい記述があり、別記事でさらに検討することにします。

オ 局所的な急傾斜V字谷(ガリー)を埋めるように発達する斜面貝層という事象は、同時期近隣の有吉北貝塚の斜面貝層と事象が似ています。有吉北貝塚斜面貝層の学習では、それが加曽利EⅡ式期頃の人口急増→薪・樹木需要急増→集落付近裸地拡大→ガリー発達→台地集落存立の危機→ガリー発達阻止のための土木的・祭祀的対応としての貝殻・廃用生活品投棄という因果関係を空想しました。このような空想が同じように養安寺遺跡にも当てはまるものかどうか、今後学習を深めることにします。