2011年8月12日金曜日

縄文丸木舟と大賀ハス10

浪花川流域紀行12 縄文丸木舟と大賀ハス10

            大賀ハス(平成23年7月4日千葉公園)

            大賀ハス(平成23年7月4日千葉公園)

            大賀ハス(平成23年7月4日千葉公園)

5 大賀ハスの発見
5-1 大賀ハスに関する主な経緯
 千葉市立郷土博物館編集発行の冊子「大賀ハス」(昭和63年3月)に大賀ハスに関する経緯や取組が詳しく書かれています。丸木舟発掘と大賀ハス取り組みが親和的関係にあることが理解できます。この冊子から私が理解した内容をメモしました。

ア 大賀博士と古代ハス
・大賀博士は昭和7年に千葉県滑川で出土した須恵器(1200年前)に入っていたハスの実を発芽実験し、発芽に成功させた。古ハスはまもなく枯死した。
・検見川出土丸木舟とともにハスの果托が出土したという記事を見た大賀博士は関係者に協力を求め古ハスの実の発掘が実現することになった。

イ 大賀ハス実発掘
・昭和26年3月3日に発掘調査が開始された。場所は丸木舟発掘場所であった。
・表土、草炭層、青泥層と掘り進んだ。湧き水に作業が難渋し、3月7日に丸木舟発掘層位に到達する予定が27日になり、30日の夕方「発掘に携わった人夫、生徒や関係者達が、一切の手がつくされて、これ以上はもう不可能であるといいだした午後5時10分頃、花園中生徒、西野真理子さんがふるっていた青泥底層の土の中から一粒のハスの実が発見された。
・4月6日にさらに二粒の実がふるい出された。

ウ 古ハス実の発芽成長
・古ハスの発芽実験は、昭和26年5月6日に府中市の大賀博士宅で行われ、9日に発芽した。3粒のうち1粒は発芽後まもなく枯死し、2粒が生育した。
・1つの実生苗が千葉県農業試験場で生育され、別の場所に移され、昭和27年7月に開花した。

エ 天然記念物指定
・検見川出土の古ハスの実から成立した「検見川の大賀蓮」は、昭和29年に千葉県天然記念物に指定され、この時から「大賀ハス」と呼ばれるようになった。

オ 分根
・大賀ハスは国内各地に分根されるとともに、世界各国にも分根され友好の使者となっている。

【参考】大賀ハスに関するWEBページ
はなちゃんの大賀ハス何でも情報館in千葉公園このページには大賀ハスの開花情報をはじめ各種情報のほか「大賀ハス」(千葉市立郷土博物館発行)も閲覧できるようになっています。また、分根の条件等も掲載されています。

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