2011年11月13日日曜日

古柏井川の地形

花見川河川争奪を知る40 花見川河川争奪の成因検討3 クーラーの説15

これまでの記事ではモデル断面を例に古柏井川の横断形について復元検討をしてきました。 この考えを平面形に敷衍して、古柏井川の地形復元図(想定)を作成しました。
古柏井川地形復元図(想定)
基図は旧版1万分の1地形図使用

復元想定した要素は、谷壁斜面上端線と谷底・平坦面です。

次の図は沖積面(河川争奪後に古柏井川の谷底・平坦面を刻んだV字谷の沖積面)も加え、古柏井川の地形復元を模式的に示しました。
古柏井川地形復元模式図(想定)
基図は旧版1万分の1地形図使用

*    *    *

横断的検討、平面的検討により、古柏井川の古地理・古地形の復元をしてみましたが、わかった主要事項を次に整理しました。

ア 谷壁斜面上端線の確認
現在の地形に惑わされることなく、古柏井川の谷壁斜面上端線の復元を行うことができました。

イ 谷底・平坦面(段丘)の分布把握
柏井付近と下横戸付近の現在の河岸段丘の存在・形状から外挿的に発想し、また古文書(断面図、透視絵図)による情報を拠りどころにして、谷底・平坦面の分布を復元しました。

ウ 谷底高度の把握
古文書(断面図、天保期堀割普請後の資料)、古地図、印旛沼開発工事資料等から人工改変以前の古柏井川谷底高度を復元把握しました。

エ 古柏井川を刻む沖積地形の把握
古文書から柏井付近と下横戸付近で古柏井川の谷底を刻む沖積地形の存在を把握しました。(柏井付近…水田利用、下横戸付近…溜池利用)

なお、古柏井川の谷底と平坦面(段丘)が柏井付近・下横戸付近の河岸段丘とどのように対比されるのか、仮想案はつくりましたが、実証できていません。

(oryzasan氏コメント2011.11.8に対する感想を次記事以降で述べたいと思います。)

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