2011年11月20日日曜日

地理的位置仮説

花見川河川争奪を知る46 花見川河川争奪の成因検討3 クーラーの説21
成因仮説4

いよいよ真打登場です。 11月16日に思い浮かんだ、まだ孵化直後のアイディアですが、自分としてはクリーンヒットになりそうだと予感しています。(単なる外野フライに終わったらごめんなさいです。)
最初に原理的説明をします。次いで、室内の手作業を順次しながら思考を重ね、説明的記事を書き、その後野外調査をどうするか考えるつもりです。

*     *     *

花見川河川争奪成因
地理的位置仮説の原理的説明

前提
千葉第Ⅱ段丘(立川面)が谷底であった、V字谷が形成されていた時代、そのV字谷の河川縦断における発達は、下流から上流に向かって下方侵食(下刻)が波及していたと考えます。
その時代(立川面が形成された最終氷期)に、二つの河川があり、その流量(流域面積)や縦断勾配等が同じで下流で合流している場合、谷形状は次のようにモデル的にとらえることができると考えます。
谷形状分布モデル

印旛沼水系の谷形状分布モデル
このような考えを印旛沼水系に単純に適用して谷の形状が次のように分布する思考のためのモデルを作りました。
印旛沼水系の谷形状分布モデル

古柏井川ア地点と高津川イ地点、勝田川ウ地点の谷形状が下流のある地点(例高津川と勝田川合流点)から同じ距離aにあり、そのため最終氷期の侵食基準面低下の影響を同等に受け、谷形状が同じであると考えるモデルです。
また、ア、イ、ウ地点よりエ、オ地点の方が上流域に位置しますから、エ、オ地点はそれだけ谷形状が未発達になります。

このモデルはあまりにも現実の諸条件を抽象しすぎていますから、できるだけ現実の状況を説明できるように精緻化する必要があることは言うまでもありません。
しかし、原理を説明するためのモデルとして、地形分布を最単純化しました。

河川争奪の原理
この時代には東京湾側水系の方が印旛沼水系より侵食基準面に近いため、東京湾側水系の方がより下刻作用が盛んだった思います。
その下刻作用の前線が北上する様子をモデル図に書き込みました。
谷形状分布モデルと東京湾側水系下刻作用前線

この時、古柏井川のア地点と高津川エ地点、勝田川オ地点は東京湾側水系下刻作用前線の影響をある時点で一斉に受けます。
その時の南北方向の縦断面図を描くと次のようになります。
ア地点付近縦断面図
エ、オ地点付近縦断面図

東京湾側水系の盛んな下刻作用に対して、ア地点とエ、オ地点で生起する事象は次のように分かれます。
東京湾側水系の下刻作用で生起するア地点付近の事象
河川争奪発生

東京湾側水系の下刻作用で生起するにエ、オ地点付近の事象
河川争奪未発生

古柏井川ア地点では河川争奪が生じますが、高津川エ地点、勝田川オ地点では河川争奪は生じません。

以上の説明が、古柏井川が花見川によって河川争奪された原理です。
同時に古柏井川以外で規模の大きな河川争奪が発生しない原理でもあります。

なお、小さな河川争奪及び予兆現象は東隣地域(勝田川流域)に数か所以上あります。

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