宇那谷3谷津の縦断形を強引な思考実験を伴い検討しました。
1 宇那谷3谷津の谷筋確認
次の図は旧版1万分の1地形図の谷筋線図で宇那谷3谷津を示しています。
宇那谷3谷津と思考実験ルートの位置(旧版1万分の1地形図谷筋線図)
旧版1万分の1地形図は大正6年測量
宇那谷1谷津、宇那谷2谷津と同じように宇那谷3谷津も小崖1で截頭されていますが、谷底の縦断形からは小崖1の段差は明瞭ではありません。
小崖1南の26.25m等高線凹地までは宇那谷3谷津として認識できます。
それより南は、強引に思考実験をすることにし、思考実験ルートとして、宇那谷3谷津はA地点まで上流にさかのぼることができる谷津と仮定し、断面を作成してみました。
A地点まで谷津が連続していると考え、思考実験ルートを設定した理由はA地点北に南北性の細長い25m等高線凹地が存在しているからです。
2 宇那谷3谷津谷筋の現代地図投影
次の図は現代地図(DMデータ)に上記谷筋線と思考実験ルートを投影したものです。
宇那谷2谷津と思考実験ルートの位置(DMデータ)
DMデータは千葉市・四街道市提供
この図から、宇那谷3谷津と思考実験ルートの位置は、上流は千葉県スポーツセンター付近から国道16号に平行して走り東関東自動車道を横断し、千葉特別支援学校付近で宇那谷2谷津に合流する筋にあることがわかります。
3 宇那谷3谷津筋の3D表現
次の図は宇那谷3谷津筋と思考実験ルートを0.5m間隔標高区分図に投影し3D表現したものです。
宇那谷3谷津筋と思考実験ルートの3D表現
地図太郎PLUS+カシミール3D+5mメッシュ
この3D表現図からは、思考実験ルートが谷津として必ずしも合理的に認識できるとは限らないことがわかります。
最終的にこのルートの谷津があったかどうかの結論は別にして、現在のところ、少し強引すぎる谷津の仮想です。
しかし、旧版地形図におけるA地点北の南北性の細長い25m等高線凹地が、現在も谷津地形として残存していることが確認でき、それがどの谷津に連続しているかが検討課題であることがわかっただけでも一つの思考実験成果であると思います。
4 宇那谷3谷津の縦断面図作成
上記3のデータから、谷筋と思考実験ルートの現代地形における縦断面図を作成しました。縦断面図には1で得た旧版1万分の1地形図の等高線交点情報による大正6年地形の縦断線も記入しました。
宇那谷3谷津と思考実験ルートの縦断面図
現代地形はカシミール3D+5mメッシュによる
宇那谷3谷津縦断面図でも、横戸1谷津~横戸6谷津、宇那谷1谷津、宇那谷2谷津と同様の小崖1との関係をみることができますが、あまり明瞭ではありません。
宇那谷3谷津と新たに見つけた小崖・宇那谷川の延伸谷津との関係については、追って検討します。
現在想定していることは、ここで設定した思考実験ルートのような「原初宇那谷3谷津」があり、その後新たに見つけた小崖を伴う地殻変動で東西方向の宇那谷川の延伸谷津ができ、それによって「原初宇那谷3谷津」が分断されたという想定です。
この想定の適否について追って検討します。
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