2013年3月16日土曜日

花見川流域地誌素材集に関する感想


ほころび始めた桜(20130316撮影)

花見川流域地誌素材集を一通り完成させてみて、次のような感想を持ちました。
 
●多岐多量な情報が既に生産されている
ブログ「花見川流域を歩く」の記事は花見川流域を散歩して地物を受身的に観察し、その時感じたり思考した結果を書いています。地誌を作成することを意識して目次に合わせて調査し、書いたものではありません。
しかし、記事を並べてみると、私がイメージする地誌目次のかなりの部分に記事を配置できます。カバー率が思った以上に高いです。
もちろん、ブログ記事は断片的情報であり、地誌目次のあるべき情報内容そのものではありません。しかし、これだけ多量の情報が既に生産されていることを確認すると、後の作業は大変楽に感じます。

●オリジナル情報、発見情報が多い
ブログ「花見川流域を歩く」の記事は殆どすべて現場で気がついたことの記事ですから全部オリジナル情報であるといってもいいと思います。そして発見・新知見や仮説提案といったおもしろい、世の中で役立つ情報も思いのほか沢山あります。
例えば、次のような情報(発見、新知見、仮説)です。
・花見川河川争奪現象
・花見川地峡の存在、社会への影響
・断層地形(小崖)の存在と谷津発達
・断層地形と長沼池の成因、古長沼の存在
・花見川谷津に深く侵入した縄文海進
・縄文語起源のハナミガワ
・子和清水の語源
・双子塚古墳と地形との関係、祭祀イメージ、本拠地
・測量杭として利用された双子塚古墳
・印旛沼堀割普請土木遺構の現在の姿
・印旛沼堀割普請前の自然地形(谷津地形)の復元
・横戸弁天の勧請理由
・竹林の起原
・下志津特殊演習場の発見
・花見川河川敷トーチカの発見
・花見川付近で観察できる生き物
・花見川流域の魅力的風景 など
これらの情報をわかりやすく説明するだけでも地誌作成の意義があると感じます。

●目次項目の概要を説明する情報がない
例えば目次項目として「花見川の自然環境」を取り上げれば、花見川や流域の自然環境をわかりやすく説明した概要の情報が必要です。しかし、現在はありません。現在あるのは自分が観察した情報だけです。今後行政の情報を活用するなどして、花見川や流域の自然環境をわかりやすくかつ簡潔に記述し、地誌のベース情報とする必要があります。
このことは「花見川の自然環境」だけでなく、全ての目次項目に当てはまります。

●花見川流域のあるべき姿をイメージできるような情報が不十分
花見川流域のあるべき姿をイメージできるような情報が不十分です。この地誌で紹介する地物の情報とあるべき地域づくりの姿の間を埋めるような資料を今後つくりたいと思います。(例 自然環境の事実情報だけでなく、自然環境の大切さを評価した情報をつくるなど)

●その他
・第2章下総台地の地形発達史では、当初は稚拙な分析ツールしか用いることが出来ませんでしたが、現在では精度の高いツール・地理情報を使えるようになったので、分析を再度行います。
・第4章小金牧と六方野の情報量が少ないので、今後充実させます。
・河川水質の情報が欠落しているので、今後加えます。
・神社仏閣や民俗行事の情報がほとんどないので今後加えます。
 
次の記事で、素材集作成方法のメモを掲載します。


つづく

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