2014年9月14日日曜日

印旛の原始・古代-旧石器時代編- を読む

原始・古代関係図書を読む 1

都合によりしばらくシリーズ記事を中断します。その間、最近読んだ(参考にした)原始・古代関係図書の感想等を記事にします。

1 印旛の原始・古代-旧石器時代編-の紹介
【諸元】
書名:印旛の原始・古代-旧石器時代編-
編集・発行:財団法人印旛郡市文化財センター
発行日:平成16年3月31日
体裁:A4判、121頁
附録:印旛郡内旧石器時代遺跡分布図

【内容】
財団法人印旛郡市文化財センター設立20周年を節目に、これまでに印旛郡内で蓄積された埋蔵文化財調査・研究の成果を広く一般の方々に還元することを目的とし、各時代別6冊の計画で普及図書を刊行する。旧石器時代編はその第1分冊。最新研究成果を一般の方に理解できるように写真や図面を多く用いるとともに、専門家向けの研究資料としての性格も有する構成とする。(「ごあいさつ」による)

【主要目次】
Ⅰ 幕開け
Ⅱ 環境
Ⅲ 石器
Ⅳ 足跡
Ⅴ 印旛沼周辺地域における石器群の変遷
Ⅵ 資料集
別添付図 印旛郡内旧石器時代遺跡分布図

印旛の原始・古代-旧石器時代編-

付図 印旛郡内旧石器時代遺跡分布図

2 感想
昨年夏に印旛郡市文化財センターを訪問して展示物を見学した時に「印旛の原始・古代」の旧石器時代編と縄文時代編を無償で入手することができました。
「これがプロの仕事だ!」という印象を受ける充実した内容でデザインや多色刷も素晴らしい図書です。入手できたことを感謝します。

Ⅰ幕開けでは、1人類の誕生と旧石器時代、2日本における旧石器時代-すべては岩宿から-、3下総台地における旧石器時代の発見が細目次となっています。初心者には大変よい勉強になります。
Ⅱ環境では、1地誌(地史の間違いか)-下総台地の形成-、2火山灰とローム層、3動物相、4植物相、5下総台地の古環境と風景、6下総台地のおける旧石器時代の遺跡の立地が細目次になっています。旧石器時代の環境が整理されていてとてもよい勉強になります。
旧石器時代の遺跡は樹枝状の発達した谷津にともなう「張り出し地形」に分布していることが説明されています。
Ⅲ石器では、1石器の作り方、2石器の種類と使用法、3石器の再生、4石材が細目次となっています。私にとって、初めて接する領域なので、新鮮な興味を感じます。
特に石器の種類と使用法はイラストでとてもわかりやすくなっています。また、関東地方における石材原産地と移動ルートの図を見て、興味がつきません。
Ⅳ足跡では、1旧石器時代の調査、2旧石器時代の生活形態、3旧石器時代の生業が細目次になっています。ここでは石器と発掘の関係が述べれています。私にとって環状ブロック群の説明は有益でした。

Ⅴ印旛沼周辺地域における石器群の変遷では旧石器時代を11期に区分してその石器の変遷について石器スケッチを多用しながら説明しています。
出土層位、石器種類、作成技法、石材種類の違いが指標のようです。
11期別に石器スケッチと上記指標による文章記述があります。この章は専門家向けのようです。
私は記述内容を理解するまでに至りませんでした。(その詳細性に集中して興味を持続させるまでの気力がありませんでした。)
この章の最終ページに折込で総括としての旧石器変遷図が掲載されていて壮観です。

Ⅵ資料集では43遺跡について概要、文化層記述、スケッチ掲載により記述されています。
今後、必要に応じて参考として利用するつもりです。とても有用な資料だと思います。

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