シリーズ 花見川地峡の利用・開発史
第1部 縄文弥生時代の交通 その30
アドレスマッチングにより「縄文時代 埋蔵文化財が存在する町丁大字プロット図」(=擬似「縄文時代遺跡分布図」)を作成しましたので、検討します。
1 密度図とプロット図の対照
「市区町村別埋蔵文化財(縄文時代)密度図」と「縄文時代 埋蔵文化財が存在する町丁大字プロット図」(=擬似「縄文時代遺跡分布図」)の対照図を作成しました。
密度図とプロット図の対照図
「縄文時代 埋蔵文化財が存在する町丁大字プロット図」は「ふさの国ナビゲーション」(千葉県教育委員会)からダウンロードした縄文時代遺跡データをアドレスマッチングによりプロットしたもので、遺跡が所在する町丁目、大字の中心部をプロットしたものです。
正確な遺跡プロット図ではありませんが、小縮尺地図で見るならば擬似的に縄文時代遺跡分布図として使えると考えました。
対照図を見ると、プロット図では奥東京湾岸沿い(千葉-流山)にドット密集域が分布していることが判りました。市区町村別密度図では十分に認識できない分布特性です。
密度図では明確に判らないけれど、プロット図でははっきりわかる理由は次のように考えました。
●奥東京湾岸沿いの密度図とプロット図の見かけ上の非対応に絡む要素
ア 密度の分母となる市区町村面積に縄文時代は海であった場所(特に最近の広大な埋め立て地)の面積が含まれている。千葉市から市川市にかけての地域は縄文時代に海であった場所が行政面積のかなりの部分を占めているため、計算上遺跡密度が低くなる。
イ 奥東京湾岸沿いは千葉県で最も都市化が進んでいる地域であり、町丁目が細かく細分されている。そのため同じ遺跡数が分布している他地域と比較するとドット数が沢山になる。
市区町村別密度図で成田市から佐倉市、八千代市、千葉市緑区付近の高密度地域はプロット図でも表現されています。
またその他の地域も密度図とプロット図の対応状況は私の想定範囲内でした。
2 プロット図と地形との対応
プロット図の基図を地形段彩図に差し替えてみました。
地形段彩図を基図としたプロット図
旧石器時代のプロット図と地形との関係と同じように、縄文時代のプロット図と地形との相関は極めて高いように見えます。
同時に旧石器時代のプロット図とは異なり、ドット密集域が各所に見られます。
上図では地図の縮尺が小さく、ドット数が飽和状態でその分布特性が十分に考察できませんので、地図縮尺をもう少し大きくして、次の考察を行います。
1 旧石器時代遺跡と縄文時代遺跡の関係(対応、分布)
2 縄文時代遺跡密集地の把握
3 縄文時代遺跡の密度(遺跡間の距離)
つづく
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