原始・古代関係図書を読む 3
印旛の原始・古代-旧石器時代編-(財団法人印旛郡市文化財センター、平成16年)には印旛郡内旧石器時代遺跡リストが掲載され、別添として分布図が付いています。
まことに貴重な情報です。
この情報を、現在行っている遺跡密度図(ヒートマップ)検討の検証に使ってみました。
1 旧石器時代遺跡数
印旛の原始・古代-旧石器時代編-の遺跡リストとふさの国ナビゲーションの遺跡リストを比較してみました。
旧石器時代遺跡数の比較
ふさの国ナビゲーションの遺跡数より印旛の原始・古代の遺跡数の方が約33%増えています。
日々行われる遺跡調査結果の集約集計が県レベルでは難渋しているようです。
2 擬似分布図と真性分布図によるヒートマップ
附録印旛郡内旧石器時代遺跡分布図は私に言わせると真性遺跡分布図です。私がこのブログで作成したプロット図はアドレスマッチングによるもので、擬似遺跡分布図です。
真性図と擬似図が揃いましたので、それらによるヒートマップ(密度図)がどの程度違ってくるのか、検証してみました。
次の図は印旛郡内旧石器時代遺跡分布図の一部をスキャンしてGISに貼り付けた物です。
印旛郡内旧石器時代遺跡分布図スキャン図
GISのこの画面上で遺跡をプロットし、そのデータからヒートマップを作成たものが次の図です。プロットした遺跡数は170件です。またヒートマップ作成の際の半径パラメータはこれまでと同じ5000mです。
印旛郡内旧石器時代遺跡分布図の一部から作成したヒートマップ
次の図はふさの国ナビゲーションからダウンロードしたcsvファイルをアドレスマッチングによりプロット図を作成し、それによるヒートマップ図です。
ふさの国ナビゲーションデータから作成した擬似プロット図によるヒートマップ
二つのヒートマップを比較すると、分布大勢はあまり変わっていないという印象を受けます。
ふさの国ナビゲーションより印旛郡内旧石器時代遺跡分布図のほうが位置が正確で、かつデータが3割ほど増えているのですが、分布イメージがこの程度の違いであるということはかなり貴重な情報だと思います。
つまり、ふさの国ナビゲーションから得た情報によるヒートマップは使用価値があるということを示しているのだと思います。
集約集計から漏れている遺跡調査結果を追加し、なおかつその正確な位置情報を作成してヒートマップをつくる必要があるのですが、それが出来るまでの間は、擬似プロット図から作成したヒートマップでもとりあえずの代用品としての価値は十分にあるという感覚を持ちました。
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