2021年6月15日火曜日

土偶観察記録3Dモデル 20選

 縄文土器学習 615

2019年から現在までに作成した約50の縄文土偶観察記録3Dモデルのうちから、自分が特段に興味を持つ土偶20を選んで並べてみました。並べて観察することにより、自分の思考刺激材料になり、自分専用学習教材になります。

1土偶観察記録3Dモデル 20選

土偶観察記録3Dモデル 20選

2019年夏~2021年春までに作成した土偶観察記録3Dモデル約50の中から、考古興味を刺激する20モデルを我流選定したもの

縄文のビーナス、仮面の女神を除いて全て千葉県内遺跡出土物

順番は時間順を表現していない

縮尺は不動(小さいものは大きく拡大表示している)

個別土偶はすべてより精細なモデルをSketchfab「arakiminoru」に掲載

個別土偶3Dモデルは3DF Zephyr で生成、Blenderで全体編集、3DF Zephyr v6.001でSketchfabアップロード

画面内移動はアノテーション利用(番号、K(進む)、J(後退))あるいはShiftキー+右クリックで移動(Shiftキーを先に押す)


3DF Zephyr Lite画面


3Dモデル動画

2 リスト

●縄文早期の土偶

01

縄文早期前葉土偶(八千代市上谷遺跡)2点 観察記録3Dモデル  

撮影場所:八千代市立郷土博物館2021年度企画展「印旛沼南西岸の縄文文化~やちよの縄文~」  

撮影月日:2021.05.13  

ガラスショーケース越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.019 processing 39 images  

02

縄文早期撚糸文土器と共伴出土したバイオリン型土偶  

船橋市小室上台遺跡  

船橋市飛ノ台史跡公園博物館展示  

2019.04.21撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.353 processing 6 images  

03

縄文早期土偶(袖ヶ浦市打越岱遺跡) 観察記録3Dモデル  

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」   

撮影月日:2020.11.13   

ガラス面越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.009 processing 43 images  

04

縄文早期前半の土偶(千葉市中鹿子第2遺跡) 観察記録3Dモデル  

花輪台式期  

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター   

撮影月日:2020.08.04   

ガラス面越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.002 processing 75 images  

●縄文中期の土偶

05

縄文中期前半土偶(国宝縄文のビーナス)(茅野市棚畑遺跡) 観察記録3Dモデル  

撮影場所:茅野市尖石縄文考古館  

撮影月日:2019.09.13  

4面ガラス張りショーケース越しに撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 59 images(Masquerade機能利用)  

06

土偶(国宝仮面の女神)(茅野市中ッ原遺跡) 観察記録3Dモデル 

撮影場所:茅野市尖石縄文考古館 

撮影月日:2019.09.13 

4面ガラス張りショーケース越しに撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成  v4.530 processing 82 images(Masquerade機能利用)

07

縄文中期土偶(柏市小山台遺跡) 観察記録3Dモデル  

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」   

撮影月日:2020.11.13   

ガラス面越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.009 processing 47 images  

08

中空土偶[河童形土偶](東金市鉢ヶ谷遺跡) 観察記録3Dモデル  

縄文中期五領ヶ台式期、土坑出土遺物  

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」  

撮影月日:2020.10.27  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.009 processing 70 images  

09

加曽利EⅠ式土偶(鎌ヶ谷市大堀込遺跡) 観察記録3Dモデル  

長さ:4.8㎝  

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」  

撮影月日:2020.11.27  

ガラス面越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.014 processing 53 images  

●縄文後期の土偶

10

土偶(高島多米治旧蔵)(銚子市余山貝塚出土) 観察記録3Dモデル  

縄文後期、ミミズク土偶、重要文化財、全身赤彩、公益財団法辰馬考古資料館蔵  

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」   

撮影月日:2020.10.27   

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.009 processing 59 images  

11

安行系ミミズク土偶 下ヶ戸貝塚 観察記録3Dモデル  

撮影場所:我孫子市教育委員会1階ロビー  

撮影月日:2019.08.20  

ガラスショーケース越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.506 processing 30 images

12

縄文後期初頭?円錐形土偶(千葉市加曽利貝塚) 観察記録3Dモデル  

加曽利貝塚北貝塚1-1区Dトレンチ出土  

撮影場所:加曽利貝塚博物館  

撮影月日:2020.06.17  

ガラス面越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 38 images  

13

山形土偶(千葉市加曽利貝塚) 観察記録3Dモデル  

縄文後期加曽利B3式、千葉市加曽利貝塚南貝塚(Ⅴトレンチ)  

撮影場所:加曽利貝塚博物館 常設展示  

撮影月日:2020.07.14   

ガラス面越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v.5.001 processing 39 images

14

全面赤彩された山形土偶頭部(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル  

加曽利B式、最大高7.2㎝、最大幅9.4㎝、最大厚4.2㎝  

千葉市埋蔵文化財調査センター所蔵  

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター  

撮影月日:2020.08.21  

ガラス面越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.003 processing 50 images  

15

縄文後期土偶(有髭土偶)(銚子市余山貝塚) 観察記録3Dモデル  

吉野長太郎旧蔵、東京国立博物館蔵  

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」   

撮影月日:2020.12.03   

ガラス面越し撮影   

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.014 processing 61 images  

16

中空土偶(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル  

縄文後期~晩期  

千葉県教育委員会所蔵  

撮影場所:加曽利貝塚博物館 ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編  

撮影月日:2020.07.14  

ガラス面越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.001 processing 48 images  

17

中空土偶(君津市三直貝塚)2 観察記録3Dモデル   

縄文後期~晩期   

千葉県教育委員会所蔵   

撮影場所:加曽利貝塚博物館 ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編   

撮影月日:2020.07.21  

ガラス面越し撮影   

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.001 processing 39 images  

●縄文晩期の土偶

18

縄文晩期土偶(酒々井町墨古沢遺跡) 観察記録3Dモデル  

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」  

撮影月日:2020.12.09  

ガラス面越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.014 processing 77 images  

19

縄文晩期土偶(鎌ヶ谷市中沢貝塚) 観察記録3Dモデル  

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」   

撮影月日:2020.11.13   

ガラス面越し撮影   

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.014 processing 63 images  

20

縄文晩期安行3a式 ミミズク土偶(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル  

最大高11.4㎝、最大幅10.7㎝、最大厚3.1㎝  

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター  

撮影月日:2020.08.20  

ガラス面越し撮影  

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.003 processing 50 images  

3 感想

・縄文前期の土偶をこれまで観察していないことに気が付きました。何か意味のある現象で、単なる偶然ではないような気がします。

・早期土偶、中期土偶、後晩期土偶が全く異なる利用のされ方であったと想像します。

・早期土偶は顔がなく、体部それも乳房に造形の意味が集中します。母乳が出なければ赤ん坊が餓死するだけですから、母乳が豊かにでる体を願うための道具であったと思います。

・中期土偶は関東貝塚集落ではほとんど出土しません。その意味を知ることが縄文学習の重要テーマとなります。千葉で出土する中期土偶は遠隔地からの影響を受けてのことのようです。5番土偶(長野県茅野市棚畑遺跡)と8番土偶(千葉県東金市鉢ヶ谷遺跡)は型式面で同じ系統にあるといえます。

・後晩期土偶は利用の最後に破壊してばら撒くことが特徴のようです。「生贄」代替物として土偶が使われたと空想しています。アイヌイオマンテのヒグマの役割を土偶(地母神)が果たしていたと空想します。


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