1 体験の記
2021年7月10日(土)に令和3年イボキサゴ採取会(7月)が開催され、参加させていただきました。前日までの小雨模様の天気から晴れとなり、風や波もなく、絶好の干潟活動日和となりました。
10:20に東京湾アクアライン近く見立漁港に集合。千葉市埋蔵文化財調査センター所長西野雅人先生からイボキサゴについて短い説明があり、早速地元金田漁協さんの協力により船で干潟先端に移動しました。
船で移動している様子
GPSログ(Google earth pro 斜め表示)
干潟ではザルで砂をすくうと面白いようにイボキサゴがとれます。
ザルで砂をすくう
砂を洗い出して残ったイボキサゴ
場所によってイボキサゴの粗密はあるようですが、自分の感覚ではマグカップ1杯の砂の中にイボキサゴ20~30匹はいるようですから、べらぼーの密集状況です。
漁協の方からイボキサゴ用に改良したジョレンによる採取のデモンストレーションがありました。(ただし、あくまで見学者向けのデモンストレーションでありイボキサゴは漁業対象にはなっていません。)
改良ジョレンによるイボキサゴ採取
沢山とれたイボキサゴ
イボキサゴ採取会の様子
イボキサゴ採取会の様子
イボキサゴ採取会の様子
自分は1時間ほどのイボキサゴ観察・採取をして船で再び見立漁港にもどりました。
貴重な体験機会を与えていただき、西野雅人先生に感謝します。
2 感想
イボキサゴはあまりに小さく、実を取り出す苦労が多く、それに比して食して得られる満足感が少ないという関係から、貝塚から大量出土することが長らくナゾでした。しかし西野雅人先生を先頭にして千葉県貝塚研究者により「旨味」成分抽出がメインの目的で採取されたことがわかってきました。もちろん実も全部食べたに違いありませんが、それよりも、固い植物を鍋料理で旨くたべるための「旨味」「ダシ」として使われたということです。
昨今、日本和食文化が世界文化遺産として注目され、観光など日本経済においてもその役割が増大しています。その日本和食文化の真髄である「旨味」のルーツの一つが縄文中期にまで遡って特定されたという意義は大きなものがあります。イボキサゴを単に考古研究という視点からだけみるのではなく、和食文化の究極のルーツとしてみることの重要性を感じました。
イボキサゴ関連商品をつくり縄文研究成果普及とセットで千葉県特産品として世に出してほしいという感想が生まれました。
3 参考
GPSログ(Google earth pro斜め表示)
GPSログ(標準地図)
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