2021.07.10イボキサゴ採取会参加を契機として始めた趣味活動イボキサゴ取組の中間とりまとめします。
1 イボキサゴ取組の主な経緯
ア 2021.07.10イボキサゴ採取会参加
イボキサゴ採取会の様子
イボキサゴ採取の様子
この採取会に参加させていただき、房総縄文貝塚のメイン貝種であるイボキサゴに対する興味が急速に深まりました。
イ イボキサゴ3Dモデル作成チャレンジ開始
最初のイボキサゴ3Dモデル
イボキサゴ3Dモデル作成にチャレンジし、なかなか思うようにできないので、逆にチャレンジの気持ちが生まれました。
ウ イボキサゴ破砕実験
イボキサゴ破砕実験
イボキサゴを実際に自分で破砕してみました。知識のない自分にとっては有益な情報を得ることができました。採取したイボキサゴを破砕することは縄文人であろうと通常ではできないレベルの固さであることが判りました。その後、破砕イボキサゴの殻径は採取イボキサゴの6割未満であり、つまり殻の薄い幼貝であるらしいことが判りました(千葉市埋蔵文化財センター所長の西野雅人先生の見立て)。
こんなに固いイボキサゴをどのようにして割ったのだろうという疑問が、割れるような殻の薄いイボキサゴを採取したときには一つ一つ身をとるのではなく、一気につぶして効率的に身を取り出したという思考に変化しました。
エ 西野雅人著イボキサゴ論説「和食のルーツをさぐる」学習
西野雅人著イボキサゴ論説「和食のルーツをさぐる」
和食のルーツをさぐるを読んで、考古学のみならず和食文化におけるイボキサゴの重大な意義を理解し、ますますイボキサゴに対する興味が深まりました。
オ イボキサゴの殻径計測
イボキサゴ殻径の比較
出土破砕貝・出土完形イボキサゴ・現生イボキサゴの殻径を比較すると顕著な差が出現して、色々な思考が生まれました。一つは上で述べた、割れるような殻の薄い小さい幼貝を採取したときは、効率性から破砕して使った。割れないような大きさの成貝は一つ一つ殻から身を取り出した。そして成貝は採取圧で大きさが(現生と比べると)小さかった。
カ イボキサゴ3Dモデル作成技術習得感想メモ
2021.09.19記事「イボキサゴ3Dモデル作成スキルの橋頭保を築く」参照
2 イボキサゴに関連して生まれた学習興味
・イボキサゴ破砕理由の検証
縄文貝塚のイボキサゴ破砕の理由について興味をもちます。破砕できる程度の殻の薄い小さなイボキサゴを採取した時、つまり大きなイボキサゴが生息していない時、労働効率性の観点からイボキサゴを破砕して身を取り出したと考えますが、その見立てについて検証するような学習を進めたいと思います。
・イボキサゴ調理の推測
イボキサゴ破砕とも関連しますが、貝塚のメイン貝種であるイボキサゴがどのように食生活で利用されていたか、西野雅人著イボキサゴ論説「和食のルーツをさぐる」を読んでますます学習を深めたくなりました。
・イボキサゴを詳しく観察するために、3Dモデルにする技術習得に励みました。小さいモノを3Dモデルにするにはそれなりの独自の技術が必要であること、つまりそこには独自の深い技術世界があることを理解しました。小さいモノの3Dモデル化技術の橋頭保を確保することができました。
3 今後の活動
次のステップとして、縄文貝塚から出土したイボキサゴやその破砕物について資料閲覧を行い、分析の真似事や3Dモデル作成を行い、学習問題意識をさらに深めていくことにします。
また、小さいモノの3Dモデル作成スキル向上の取組を継続することにします。
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