2024年8月21日水曜日

明治年間出土武人埴輪と昭和年間出土武人埴輪の比較対照

 Comparison of warrior haniwa excavated in the Meiji period and those excavated in the Showa period


I compared the photos of the warrior haniwa excavated from the Ningyozuka Tomb in Oyumino, Chiba City, excavated in the Meiji period with 3D models of the excavated items in the Showa period. I visually confirmed that the shapes are identical.


千葉市おゆみ野に存在した人形塚古墳から出土した武人埴輪について、明治年間出土物写真と昭和年間出土物3Dモデルを比較対照してみました。形状が瓜二つであることを目視確認しました。

1 人形塚古墳から明治年間に出土した武人埴輪

千葉市おゆみ野にかつて存在した人形塚古墳は明治年間に人形埴輪(男子腰部以下)が出土したため付けられた名前です。明治年間出土人形埴輪(男子腰部以下)は大正8年刊行「日本埴輪図集 上」に写真が掲載されています。現物は行方不明になっているようです。

国立国会図書館デジタルコレクションで検索したところ、「日本埴輪図集 上」は全頁画像でデジタル化され公開されていますので、画像を入手できました。


「日本埴輪図集 上」の「第53図 男子腰部以下 下総国千葉郡椎名村大字椎名崎」が掲載されているページ(右2葉)


「日本埴輪図集 上」の「第53図 男子腰部以下 下総国千葉郡椎名村大字椎名崎」拡大図


「日本埴輪図集 上」表紙

2 昭和年間に出土した武人埴輪

人形塚古墳は昭和61年から63年にかけて椎名崎古墳群B西側支群1号墳(人形塚古墳)として発掘され、発掘調査報告書が刊行されています。人形埴輪をはじめとする形象埴輪のほかに、150個体以上の円筒埴輪が出土しています。人物埴輪は少なくとも30体以上あったと推定されています。(発掘調査報告書(平成18年3月)による)

出土した武人埴輪を含む形象埴輪が、千葉市埋蔵文化財調査センターで開催された「千葉市出土考古資料優品展」(2022年3月)で展示されましたので、その際展示物前周回撮影により3Dモデルを作成しました。

形象埴輪5体(千葉市人形塚古墳) 観察記録3Dモデル

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター「千葉市出土考古資料優品展」

撮影月日:2022.03.07


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 329 images


Sketchfab画面

3 明治年間出土物写真と昭和年間出土物3Dモデルの比較対照


千葉市おゆみ野人形塚古墳出土 武人埴輪の各部対照

千葉市おゆみ野人形塚古墳から出土した武人埴輪(髭の武人埴輪)について、明治年間出土物写真と昭和年間出土物3Dモデルを比較対照すると、形状は瓜二つであることを目視確認できました。

天鳥船信仰に基づき、人形塚古墳には被葬者を守る髭の武人埴輪が、本来は多数配置されていたようです。


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