2024年8月29日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 シカ顎骨分布

 Distribution of deer jawbones in the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound


A distribution map of deer jawbones excavated from the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound has been created. Compared to wild boar jawbones, the number of deer jawbones excavated is extremely small. Most are excavated near the head of the gully. The reason for the small number of deer jawbones is that meat is brought in but jawbones are not.


有吉北貝塚北斜面貝層から出土したシカ顎骨の分布図を作成しました。イノシシ顎骨と比べてシカ顎骨出土は極少数になっています。ガリー谷頭付近に出土が多くなっています。シカ顎骨出土が少ない理由は、肉は搬入されるけれども顎骨は搬入されないからのようです。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 シカ顎骨分布

有吉北貝塚北斜面貝層 シカ顎骨分布

データ出典:発掘調査報告書

3DF Zephyr v7.531でアップロード


3Dモデルの画像

2 シカ顎骨分布とイノシシ顎骨分布


シカ顎骨分布とイノシシ顎骨分布

シカとイノシシの顎骨は儀礼的に利用された可能性があるので注目していますが、シカ顎骨は極少数(5件)にとどまります。

3 シカ骨数とイノシシ骨数


北斜面貝層出土シカ骨数とイノシシ骨数(発掘調査報告書から作成)

シカの数量を1としたときのイノシシの数量をもとめると、同定資料数は3.1、顎骨資料数は19.8となり、食べられていたシカ肉の量とくらべて、顎骨の量は極少数になっています。この理由はイノシシは有吉北貝塚集落で自前で狩猟していたけれども、シカは群れをつくり広域移動する動物であるため広域集落共同で狩猟し、遠い現場で解体され、頭部等を除いた食肉部分だけ集落に搬入されたからだと考えられています。(西野雅人著「千葉県内の発掘成果からみた縄文時代のシカ資源利用」2023、日本鹿研究第14号など)


シカ骨 発掘調査報告書から引用


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