A buried valley cutting the valley topography of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound
A buried valley has been discovered cutting the valley topography filled with shell layers on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound, so it is worth paying attention to. It may be an erosional topography that is the product of the so-called "Yayoi small regression."
有吉北貝塚北斜面貝層が充填されている谷地形を切る埋没谷が検出されているので、注目しておきます。いわゆる「弥生の小海退」の産物の侵食地形かもしれません。
1 有吉北貝塚北斜面貝層が充填されている谷地形を切る埋没谷の検出
発掘調査報告書掲載図面における埋没谷の記号
発掘原票(地山平面図3150、部分、千葉県教育委員会所蔵)における埋没谷の記述
2 埋没谷の位置
埋没谷の位置
北斜面貝層の谷地形が流れ込む谷津に、この埋没谷も流れ込んでいるとても小さな谷津です。
3 埋没谷の性格
北斜面貝層が充填される谷地形は加曽利EⅡ式期には完全に侵食地形としてのアクティブ性を喪失していていたと考えられます。縄文中期以降現在までの期間で、侵食地形が発達する時期としていわゆる「弥生の小海退」をあげることができます。現状で特段の根拠はありませんが、北斜面貝層の谷地形を切る埋没谷の性格を「弥生の小海退」に起因する侵食地形と仮説しておきます。
以前西根遺跡(印西市)の学習をした時に、「弥生の小海退」により流路の深さが特段に深くなったと考えられる事例を扱いました。
2017.09.04記事「西根遺跡 古墳時代のみ戸神川に可動堰が作られた理由」
時代別戸神川流路の深さ
4 埋没谷が北斜面貝層の谷地形を切る事象をキッカケにして北斜面貝層について考える
4-1 谷を埋めつくすという特別な活動が浮彫になる
埋没谷が北斜面貝層の谷地形を切って発達していることから、北斜面貝層の谷地形は地域の侵食営力が活性化した時期(例えば「弥生の小海退」期)に完全に侵食地形としての意義を失っていたことを確認できます。谷地形としての意義を少しでも保持していたならば、地域の侵食営力が活性化すれば、北斜面貝層が新たに侵食され、谷地形が復活すると考えられます。
北斜面貝層が充填される谷地形は加曽利EⅡ式期に完全に埋まり、地形としての意義を失いました。
一つの谷地形を完全に貝殻投棄で埋めつくし、侵食地形としての意義を完全に終焉させるという活動は特別の意義がある活動であると考えることができます。
4-2 谷を埋めつくした時期と集落終焉の時期が重なる
谷を埋めつくした時期と集落終焉の時期が重なります。その2つの事象は単なる偶然か、それとも関連しているのか、興味が深まります。
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