Note: Shells and pottery fragments excavated from the lowest layer of the collapsed layer
Shells and pottery fragments were excavated from the lowest layer of the earliest collapsed layer of the gully erosion topography that contains the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. It was found that shell and pottery fragment dumping activities were already taking place at the time when the gully erosion phenomenon first occurred.
有吉北貝塚北斜面貝層が収まるガリー侵食地形の最初期崩落層の最下部層から、貝殻・土器片出土を確認しました。ガリー侵食現象が発生した最初時期に、既に貝殻・土器片投棄活動が行われていたことが判明しました。
1 第11断面の崩落層最下部X層から貝殻・土器片出土の確認
1-1 第11断面の322グリッド付近崩落層最下部の様子
第11断面の322グリッド付近崩落層最下部の様子 セクション図は千葉県教育委員会所蔵
X層は「最下層 細砂の地山遷移層 若干の貝あり」と記述されています。周辺の層区分は崩落層の特徴を示し、いずれも貝殻を含むことが記述されています。
(グリッド番号は発掘調査報告書ではⅢ-22ですが、このブログでは322で表記します。)
参考 発掘調査報告書資料
第11断面 発掘調査報告書から引用
第11断面の位置と322グリッドの位置
1-2 遺物台帳322グリッドの標高順検索
遺物台帳322グリッドの標高順検索画面(pgAdmin4画面(データベースpostgreSQL画面))
322グリッドの最低標高から2番目の出土遺物(遺物コード322855)は土器片でX層から出土していることが確認できます。
参考 遺物台帳画面での確認
遺物台帳撮影画面(書画カメラ撮影) 遺物台帳は千葉県教育委員会所蔵
322グリッド遺物台帳で標高記載のある遺物の最後が土器片(遺物番号855)で、X層出土であることが確認できます。
1-3 崩落層最下部X層から貝殻・土器片出土の確認
1-1と1-2の結果から、崩落層最下部X層から貝殻・土器片が出土したことを確認しました。X層のみならず多くの崩落層から貝殻と土器片が出土しています。
2 崩落層最下部X層から貝殻・土器片出土を確認した意義
有吉北貝塚北斜面貝層が収まるガリー侵食地形の最初期崩落層の最下部X層から、貝殻・土器片出土を確認したことは、ガリー侵食現象が発生した当初時期に、既に貝殻・土器片投棄活動が行われていたことを確認したことになります。ガリー侵食が激しく発生して標高22.7m付近に谷底があり、谷壁最上部(台地面端)が28.3mにある深さ5.6mのガリー侵食谷(溝のようなミニ谷地形)が存在していたとき、その上部で縄文人が貝殻や土器片を投棄していたことが判明しました。あるいは貝殻や土器片を投棄した斜面にガリー侵食が発生したことが判明したことになります。
もし遺物コード322855の土器片が現存していて、その土器片から土器型式を読み取ることができればガリー侵食発生時期を特定できる可能性があります。
この付近から中峠式土器の出土が多く、また早期土器出土もあるので、ガリー侵食が発生した時期は中峠式土器の時期かそれ以前であると考えられます。
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