2026年1月31日土曜日

技術メモ GigaMesh Software FrameworkにおけるNon-Photorealistic Renderingの表現工夫

 Technical Note: Techniques for Using Non-Photorealistic Rendering in the GigaMesh Software Framework


When creating 3D models of Jomon pottery, I usually use the GigaMesh Software Framework to flatten the image so that the patterns can be observed at a glance. When using non-photorealistic rendering for these flattened images, I found that adding coloring made them more visible.


縄文土器3Dモデルを作成する時は、ほとんどの場合GigaMesh Software Frameworkで平面展開して、文様を一覧的に観察できるようにしています。この展開画像としてNon-Photorealistic Renderingを使う場合、彩色することでより見やすくできることがわかりました。

この記事は2026.01.30記事「浅鉢(成田市大原野貝塚)観察記録3Dモデル」の続きです。

1 GigaMesh Software FrameworkによるNon-Photorealistic Rendering表現


GigaMesh Software Frameworkへの土器3Dモデルのインポート


GigaMesh Software Frameworkでの展開(Solid)


GigaMesh Software Frameworkでの展開(Non-Photorealistic Rendering)

線分成分だけを彩色(ここでは赤色)し、他の成分は除去しました。

2 表現工夫


Solid画像


Non-Photorealistic Rendering画像


Solid画像とNon-Photorealistic Rendering画像の乗算ミックス画像

Solid画像とNon-Photorealistic Rendering画像の乗算ミックス画像を作成すると、文様の様子が一段と強調され、判りやすくなります。

3 メモ

Non-Photorealistic Rendering画像は世間一般では漫画に使ったり、キャラクター表現に使ったりなど、正確性・写実性から退化させるための用途で使われています。しかし、GigaMesh Software Frameworkでは正反対に、粘土板の象形文字とか土器の文様分析など表面の細かいディテールを可視化する手法として用いられています。今後縄文土器文様や縄文施文のディテール分析に有効なツールとして使っていくことにします。


人面付土器(我孫子市下ヶ戸貝塚)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of Pottery with a Human Face (Sageto Shell Mound, Abiko City)


I created a 3D model of the observation record of the pottery with a human face, which is currently on display at the Chiba City Archaeological Research Center's special exhibition, "The Mysterious Late Jomon Period." By tweaking the 3D model image, I was able to reveal details of the human face that were unclear at the exhibition.


千葉市埋蔵文化財調査センター開催中の特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている人面付土器の観察記録3Dモデルを作成しました。3Dモデル画像を工夫することにより、会場では判然としなかった人面の子細が判るようになりました。

1 人面付土器(我孫子市下ヶ戸貝塚)観察記録3Dモデル

人面付土器(我孫子市下ヶ戸貝塚)観察記録3Dモデル

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.01.24


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 83 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 パンフレット説明

「人面付土器は土器の器体に人面が表現された土器を指します。縄文時代中期以降の東日本にみられ、注口土器などの特殊な形態の土器に付加されることが多くみられます。」

3 メモ

展示会場では遺物が小さいこともあり、人面の様子をつぶさに観察することが苦痛でした。(ただし、これは高齢の自分だけの肉体的特性で、一般観覧者はつぶさに観察できているのかもしれません。)

そこで、上記3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)をつくると、遺物の観察が詳しくできました。

さらに参考として、3Dモデルを高さによって色グラデーションを塗ってみました。同じように3Dモデルの姿をよく観察することができます。


高さによる色グラデーション塗色(viridis)


高さによる色グラデーション塗色(cubehelix)



2026年1月30日金曜日

浅鉢(成田市大原野貝塚)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of a Shallow Bowl (Oharano Shell Mound, Narita City)


I created a 3D model of the observation records of a shallow bowl with a raised line and reticulated pattern from the final stage of the Late Jomon period, which is on display at the Chiba City Archaeological Research Center's special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period." It wasn't until I created the 3D model that I realized the lip area is a regular dodecagon and has circular perforations.


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中の特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている縄文時代晩期末葉の浮線網状文が施されている浅鉢の観察記録3Dモデルを作成しました。3Dモデルを作ってはじめて、口唇部が正12角形であり、円の穿孔存在に気が付きました。

1 浅鉢(成田市大原野貝塚)観察記録3Dモデル

浅鉢(成田市大原野貝塚)観察記録3Dモデル

縄文時代晩期末葉

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.01.24


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 181 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開(Textured)


GigaMesh Software Frameworkによる展開(Solid)


GigaMesh Software Frameworkによる展開(Non-Photorealistic Rendering)

3 メモ

3-1 口唇部が正12角形

土器を上から観察すると、口唇部が正12角形となっています。12の角には装飾としての溝が掘られています。


展示物の上から画像

3-2 円の穿孔

土器の内外面を貫通する穿孔があります。穿孔にはどのような意義があるのでしょうか?


穿孔の様子(赤彩も確認できる)

3-3 浮線網状文と赤彩

縄文時代晩期末葉に特徴的な浮線網状文が施されていて、東北地方の影響を大きく受けた土器で、彫刻的な手法で網目のような複雑な文様となっています。(展示説明による)

浮線網状文に狭い鋭角部に残存する赤彩を確認できます。


2026年1月29日木曜日

14断面、15断面、31断面の土層分層の対比作業

 Comparison of soil strata at cross sections 14, 15, and 31


I attempted to compare the soil strata outside the shell layer distribution area of ​​the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound with the shell layer distribution area using a stage (order) index.


有吉北貝塚北斜面貝層の貝層分布域外の土層分布域について、ステージ(順番)という指標で貝層分布域と連続する分層対比を試行しました。

1 14断面、15断面、31断面の土層分層の区分方法

北斜面貝層の貝層区分は11断面を標識断面として、11断面の貝層区分を周囲の断面に投影して対比作業をおこなっています。しかし、13断面~15断面、31断面については貝層分布範囲外で土層のみ分布していて、貝層区分をそのまま投影・対比することができません。

幸い、貝層分布12断面と土層分布13断面は地山地形が似ていることから、構造的(分層発達的)に対応させることができ、その対応関係をステージ1~5としてまとめました。

2026.01.25記事「12断面貝層分層と13断面土層分層の対比作業

このステージ区分を使うことによって、12断面(貝層分布)-13断面(土層分布、構造は12断面と類似)-14断面(土層分布)-15断面(土層分布)-31断面(土層分布)の分層を大まかに対比させることにします。

2 ステージによる対比結果

2-1 12断面貝層区分


12断面貝層区分

2-2 12断面ステージ区分


12断面ステージ区分

2-3 13断面ステージ区分


13断面ステージ区分

2-4 14断面ステージ区分


14断面ステージ区分

2-5 15断面ステージ区分


15断面ステージ区分

ステージ3に区分された分層の下部にはステージ2が含まれている可能性があると考えますが、決め手となる情報がありません。

2-6 31断面ステージ区分


31断面ステージ区分

ステージ3に区分された分層の下部にはステージ2が含まれている可能性があると考えますが、決め手となる情報がありません。


断面配置図

3 メモ

ステージの対応は横断図と縦断図の合わせで2つの横断図の対比作業を行いました。具体的には次の作業図を作成しました。

13断面(横断図)-20断面(縦断図)-14断面(横断図)

14断面(横断図)-20断面(縦断図)-15断面(横断図)

15断面(横断図)-20断面(縦断図)-31断面(横断図)

13断面-14断面-15断面-31断面のステージ区分対比結果は、一つの基準で対比作業のはじめての成果を作った点にあると考えます。情報をざっくり把握できたことに意義があると考えます。


香炉形人面付土器(香取市良文貝塚)観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Model of Incense Burner-Shaped Pottery with a Human Face (Yoshibumi Shell Mound, Katori City)


I created a 3D model of the observation record of the incense burner-shaped pottery with a human face (Yoshibumi Shell Mound, Katori City), which is on display at the Chiba City Archaeological Research Center's special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period." This was my first time seeing the actual item, and I was thrilled to be able to observe it up close.


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催されている特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている香炉形人面付土器(香取市良文貝塚)の観察記録3Dモデルを作成しました。現物を観覧するのははじめてで、間近に観察できて感動しました。

1 香炉形人面付土器(香取市良文貝塚)観察記録3Dモデル

香炉形人面付土器(香取市良文貝塚)観察記録3Dモデル

縄文時代後期

千葉県指定文化財

良文貝塚史蹟保存会所蔵

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.01.24


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 207 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 展示説明

「1929年の調査で出土。全国的に見てもほぼ類例のない資料。一部欠損しているが、顔面だけでなく耳たぶも写実的に表現されている。」

3 メモ

写真では見たことがある土器ですが、現物を観覧して感動しました。耳の後ろにヘッドホンのよう見える溝に香草などの揮発性物質を入れ、土器内部に火持ちのよい炭のような燃焼物を入れ、生じる香りと成分から鎮静・高揚・幻覚・覚醒を堪能したのでしょうか。描かれた顔は女神の顔であると想像します。


2026年1月28日水曜日

人面付土版3点 観察記録3Dモデル

 3D Observation Record Models of Three Clay Slabs with Human Faces


The Chiba City Archaeological Research Center is currently hosting a special exhibition titled "The Mysterious Late Jomon Period." I created 3D observation record models of three clay slabs with human faces, one of the main exhibits. The accompanying commentary on the slabs' significance adds to their intrigue.


千葉市埋蔵文化財調査センターで令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」が開催されています。そのメイン展示物の一つである人面付土版3点の観察記録3Dモデルを作成しました。土版意義にも通じる解説があり、興味が深まります。

1 人面付土版3点 観察記録3Dモデル

人面付土版3点 観察記録3Dモデル

正面左:人体付土版(四街道市八木原貝塚)、縄文時代晩期

解説「内野第1遺跡の土版と同様で、ほぼ完全な形で残っている貴重な例。上部には顔の表現が施され、やや険しい顔をしているように見える。中央~下部は女性の象徴が表現されているが、剥がれていたり、すり減ったりしている。土版がどう扱われたか考える上で重要な資料。」

正面中央:人面付土版(千葉市内野第一遺跡)、縄文時代晩期

解説「千葉市花見川区宇那谷町に位置する内野第1遺跡から出土した人面付土版。破損した状態で見つかることが多い土版の中にあって、この資料はほぼ完全な形で出土した全国的にも稀有な事例。顔の表現は「クレヨンしんちゃん」にもよく似ている。」

正面右:人面付土版(犢橋貝塚)、縄文時代晩期

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.01.24


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 183 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 配布パンフレットの土版説明


配布パンフレットの土版説明

「土偶よりやや遅れて縄文時代晩期以降に関東地方を中心に分布する祭祀具です。基本的に顔以外が省略された土偶の一種と考えられ、顔を表現する板状の土製品という点で西日本の分銅形土偶と共通し、関連があった可能性があります。」

3 感想

展示された四街道市八木原貝塚出土人体付土版に女性の象徴(乳房、陰部)が表現されていることから、解説説明から受ける情報(土版と土偶の本質は同じ)をよく納得できました。

土偶(人形)は持ち運びする上で不便ですが、土版(人形を描いたタブレット)は持ち運びが容易です。土版は「持ち運び容易性」という点で、土偶では実現できない機能を実現していたのかもしれません。(例 願いが実現するまで、日常的に身に着ける祈願符として利用する。)


2026年1月27日火曜日

技術メモ Blenderに配置した平面画像の視認性向上

 Technical Note: Improving the Visibility of Planar Images Placed in Blender


I investigated ways to improve the visibility of planar images placed in the Blender 3D viewport and found that color inversion made them easier to see. I decided to display planar images for analysis and consideration in Blender using color inversion.


Blender3Dビューポートに配置した平面画像の視認性向上について検討し、カラー反転により見やすくなることに気が付きました。分析検討素材としての平面画像は、Blenderでカラー反転表示することにします。

1 Blender3Dビューポートに配置した平面画像の視認性向上策検討

1-1 Blender3Dビューポートに配置した平面画像(有吉北貝塚セクション図)

40年前に作成された有吉北貝塚セクション図は方眼紙に鉛筆書きした資料ですが、著しく劣化が進んでいました。スキャナーで得た画像を活用できる状態にするためにPhotoshopで調整して、解読できる状態にまで持ち込みました。その結果本来水色の方眼が黄色くなり、通常資料と比べ視認性が劣っています。

この平面画像をBlender3Dビューポートに配置して観察するととても見ずらい資料となっています。


平面画像を配置したBlender画面1


平面画像を配置したBlender画面2

1-2 平面画像の視認性向上策

Blender3Dビューポートに配置された平面画像の視認性向上策として次のマテリアルノードでの試みをしてみました。

いずれもシェーダーエディターで「Image Texture」ノードと「Principled BSDF」ノードの間に別のノードを挿入する試みです。

【画像を濃くする】

・「RGBカーブ」ノード挿入(カーブをS字にする)

・「HSV(色相/彩度/明度)ノード挿入(明度、彩度の調整)

・「輝度-コントラスト」ノード挿入(輝度、コントラストの調整)

【画像カラーを反転させる】

・「カラー反転」ノード挿入

このうち、「カラー反転」ノード挿入が視認性向上策として最も効果的であることに気が付きました。


平面画像を配置したBlender画面1(画像はカラー反転)


平面画像を配置したBlender画面2(画像はカラー反転)

Blenderに置ける分析作業では必要に応じて平面画像をカラー反転表紙することにします。

2 Blender3Dビューポートに配置された「a–c–b 連続断面を1枚の横長画像にする方法」開発(非採用)


Blender3Dビューポートに配置されたa/c/b断面

a:13断面(横断面)

b:20断面(縦断面)

c:14断面(横断面)

a/c/b断面で囲まれる空間の内部に視点を移動して、その視点から見ることができる「a–c–b 連続断面を1枚の横長画像にする方法」の開発に取組みました。

具体的には空間内部にオルソ投影カメラを設置して3枚の写真を撮影してつなげる方法です。作業のなかで次の点で手間が必要であり、現状の方法(原図をPhotoshopで切り抜き、Illustratorで貼り付け)と比べてメリットがないので、非採用としました。失敗したということです。

1 カメラ撮影画像(レンダリング画像)が暗く、調整に手間取ります。。この記事のBlender画像はすべてスクリーンショット画像です。光源を配置しても、レンダリングするとスクリーンショット画像より暗くなります。

2 カメラの調整作業が必要であり、さらに撮影画像の貼り付け操作が必要で、かかる手間が現状方法とくらべ効率化が図れません。

ただ、上図のような「a/c/b断面で囲まれる空間」のわかるスクリーンショット画像を作成すると、現状作業をする際に、どの部分を切り抜いたら良いかを確認する参考資料となることに気が付きました。これは検討副産物として採用します。

3 貝層断面原図(集成セクション図)の視認性向上策としてのカラー反転図活用(非採用)


貝層断面原図(集成セクション図)


貝層断面原図(集成セクション図)(カラー反転図)

Blender操作ではなく、Illustratorを使う一般作業でも、貝層断面原図(集成セクション図)は視認性が良くありません。そこで視認性向上策案としてのカラー反転図を作成してその有効性を検討しました。

分層線などの視認性はよくなりますが、それ以外が黒くなり、文字をはじめとする書き込みがしにくく、全体としてみずらい図面になることがわかりました。従って、一般図におけるカラー反転図利用は非採用としました。

2026年1月26日月曜日

特別展「謎多き縄文晩期」観覧

 Visiting the Special Exhibition "The Mysterious Late Jomon Period"


I visited the special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period," which opened at the Chiba City Archaeological Research Center.

The exhibits, including clay figurines, clay tablets, and stone staves from the Late Jomon period, explained their prosperity and disappearance in a way that strongly questioned the theory that the Late Jomon period was a period of decline due to a cooling climate. This was a very stimulating special exhibition.


千葉市埋蔵文化財調査センターで始まった特別展「謎多き縄文晩期」を観覧しました。

縄文晩期の土偶、土版、石棒など展示物について、その盛行と消滅について、「縄文晩期は寒冷化による衰退期」説に強い疑問を投げかける形で説明されています。刺激あふれる特別展です。

1 特別展「謎多き縄文晩期」

令和7年度千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「謎多き縄文晩期」が2026年1月17日から3月8日まで千葉市埋蔵文化財調査センターで開催されています。

2 特別展「謎多き縄文晩期」パンフレット


特別展「謎多き縄文晩期」パンフレット

A4カラー30ページの充実したパンフレットが会場で無償配布されています。

・縄文時代晩期の造形

・謎1 祭祀行為の発達

・謎2 食料生産の変化

・謎3 縄文人はどこへ?

・弥生人に受け継がれたもの

パンフレットには「例言」があり、後日に役立つ展示注記となっています。

3 会場風景


会場風景

会場中央に5つのガラスケースが配置され、土版や香炉形人面付土器などメイン遺物が展示されています。部屋四周のショーウィンドウに多数の遺物が展示されています。

4 展示物観覧


人面付土版3点


香炉形人面付土器


異形土器等


石材

いつもの通り、全体をザッと観覧してから、全展示物をスナップ写真的に撮影しました。この活動の中で、自分が面白いものは何か、見つけます。その後、時間の許す限り、自分が最も面白いものから順に、3Dモデル作成用の周回撮影をおこないました。3Dモデル作成用撮影は次の遺物について行いました。

・イノシシ形土製品等3点

・意図的破壊土器

・香炉形人面付土器

・鹿角製儀仗

・人面付土器

・人面付土器3点

・浅鉢

・土偶等9点

・動物形土製品

5 感想

縄文晩期の土偶、土版、石棒など展示物について、その盛行と消滅について、「縄文晩期は寒冷化による衰退期」説に強い疑問を投げかける形で説明されています。

縄文時代後~晩期の集落分業ネットワーク社会が晩期後葉に途絶える原因は謎として問題提起されています。

とても刺激あふれる特別展です。


2026年1月25日日曜日

12断面貝層分層と13断面土層分層の対比作業

 Comparing shell stratification in Section 12 with soil stratification in Section 13


I compared shell stratification and soil stratification in Section 12, where shell strata are distributed, with Section 13, where shell strata are not distributed, for the shell strata on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. This allows me to compare the shell stratification and soil stratification stages in Section 12 and Section 13.


有吉北貝塚北斜面貝層について、貝層分布域の12断面と貝層が分布しない13断面の貝層分層と土層分層の対比作業を行いました。12断面の貝層発達ステージと13断面の土層発達ステージを対比できます。

1 12断面と13断面の貝層分層・土層分層対比結果


12断面と13断面の貝層分層・土層分層対比結果

17断面では貝層が途切れるので、12断面と13断面の対応関係考察の材料にできません。


12断面-17断面-13断面の位置

2 ステージ設定と12断面・13断面対比


ステージ1

この附近台地がガリー侵食の結果として存在しているG(基底砂層)及び同時異相であるV、D2が12断面と13断面で対応します。12断面Gは貝殻を含みます。


ステージ2

ガリー侵食直後に侵食斜面上部が崩落してH(崩落層)が斜面下部前面に形成され、12断面と13断面で対応します。12断面H(崩落層)は貝殻を含みます。


ステージ3

12断面における貝層であるQ(混貝砂層)、R1(黒褐色混土貝層)、S2(混土貝層)が発達した時期は同時異相としてW、D3が観察される時期です。この時期をステージ3として、13断面で対応する土層を図示しました。


ステージ4

12断面におけるR3(黒褐色混土貝層)が発達した時期は同時異相としてX、D4が観察される時期です。この時期をステージ4として、13断面で対応する土層を図示しました。


ステージ5

12断面におけるS3(混土貝層)が発達した時期は同時異相としてD5が観察される時期であす。この時期をステージ5として、13断面で対応する土層を図示しました。

3 メモ

13断面セクション図原票(201-044)に次の記述があります。

「本セクションは貝層を含まない堆積土層のみである。貝を混在する各層の土質とかわりはなく、各貝層に対応する土層は、単に貝を混在させないだけで、実際は同一層としてもよいものである。」

発掘現場におけるこの観察結果に基づいて、12断面と13断面の対比作業を、全体の分層構造、分層線の高度などを指標に行いました。