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2026年4月27日月曜日

加曽利貝塚博物館の令和7年度発掘調査速報展の観覧

 Visiting the 2025 Excavation Report Exhibition at the Kasori Shell Mound Museum


I visited the Kasori Shell Mound Museum and viewed the 2025 Excavation Report Exhibition. The latest results of the academic excavation survey, which began in 2017, are on display. Pottery, clay figurines, stone tools, and other artifacts excavated from the North Shell Mound are exhibited.


加曽利貝塚博物館を訪問して令和7年度発掘調査速報展を観覧しました。2017年から始まった学術発掘調査の最新成果が展示されています。北貝塚から出土した土器、土偶、石器などが展示されています。

1 令和7年度発掘調査速報展


会場風景


配布パンフレットの内容ページ

開催期間:2026.03.17~06.23

2 展示物風景


展示の様子


展示の様子

北斜面貝層は主に縄文中期の所産ですが、今回調査で柱穴群から縄文後期の鉢形土器が出土し、柱穴群の時期が縄文後期の可能性が高まったことが報告されています。

3 3Dモデル作成用周回撮影

次の3点について3Dモデル作成用周回撮影を行いました。

・堀之内式鉢

・加曽利B式土器底

・土偶


2026年4月23日木曜日

加曽利貝塚の貝層断面観覧施設の観覧

 Visiting the Shell Layer Cross-Section Viewing Facilities at Kasori Shell Mound


I visited the shell layer cross-section viewing facilities located at both the North and South Shell Mounds of the Kasori Shell Mound and took photographs for creating 3D models of the shell layer cross-sections. The North Shell Mound displays the excavated cross-section as is, while the South Shell Mound displays a stripped cross-section.


加曽利貝塚の北貝塚と南貝塚にそれぞれ設置されている貝層断面観覧施設を観覧し、貝層断面3Dモデル作成用の撮影を行いました。北貝塚の貝層断面は発掘された断面そのままが、南貝塚は剥取断面が展示されています。

1 貝層断面観覧施設の位置


貝層断面観覧施設の位置(加曽利貝塚博物館パンフレットから引用)

2 北貝塚の貝層断面観覧施設


北貝塚の貝層断面観覧施設(発掘断面そのまま)


北貝塚の貝層断面観覧施設(発掘断面そのまま)


発掘写真


北貝塚の貝層断面観覧施設

3 南貝塚の貝層断面観覧施設


南貝塚の貝層断面観覧施設(剥取断面)


南貝塚の貝層断面観覧施設(剥取断面)


博物館に展示されている剥取断面の一部


南貝塚の貝層断面観覧施設

4 メモ

有吉北貝塚北斜面貝層の剥取断面3Dモデルのファブリック観察(貝殻土器などの堆積状況詳細観察)を進めていますが、その比較対照資料として加曽利貝塚の北貝塚、南貝塚の断面のファブリック観察を行う予定です。そのための3Dモデル作成用の撮影を行いました。断面延長が膨大であることから、今回の撮影は極一部に留まりました。

南貝塚のハマグリの方が北貝塚のハマグリより大きいことが実感できます。また南貝塚断面には整地した跡など興味深い事象が観察できます。北貝塚断面も遺構との関係など興味が深まります。

まずは3Dモデルを作成してからじっくりと貝層断面を観察することにします。


2026年3月10日火曜日

八千代市郷土博物館 旧石器時代局部磨製石斧等観覧

 Viewing Paleolithic polished stone axes and other artifacts at the Yachiyo City Museum of Local History


I viewed Paleolithic polished stone axes and other artifacts at the Yachiyo City Local History Museum and took photographs to create 3D models. The polished stone axes, which are usually on display at the Iwajuku Museum, happened to be on homecoming display, and all eight examples excavated in Yachiyo City were on display.


八千代市郷土博物館で旧石器時代局部磨製石斧等を観覧し、3Dモデル作成用撮影を行いました。常時は岩宿博物館で展示されている局部磨製石斧がたまたま里帰り展示されていて、八千代市出土の全8件が揃っていました。

1 八千代市郷土博物館観覧と3Dモデル作成用撮影

久しぶりに八千代市郷土博物館を訪れ、原始・古代コーナーをメインに観覧しました。展示物及び展示の仕方はこの数年間大きな変化はないようです。

次の10件について3Dモデル作成用撮影をおこないました。


顔面突起


局部磨製石斧

深鉢


深鉢と鉢


人物埴輪


注口付舟形鉢形土器

東内野型尖頭器等

磨製石斧

弥生壺

有舌尖頭器

2 旧石器時代局部磨製石斧

「坊山遺跡のS44地点から出土しました。砂岩製です。岩宿博物館に展示されているものです。」という説明のある局部磨製石斧があり、その説明の意味が判りませんでした。ここに展示されているのに、岩宿博物館の展示の意味が不明でした。係りの人に質問すると、常時は岩宿博物館で展示されているものであるけれども、岩宿博物館改装工事のため、たまたま里帰りしているとのことでした。同様の別事情もあり、八千代市出土局部磨製石斧全8件が全部展示されている、稀有な展示状況にあるとのことでした。

3 ローム層剥取断面


ローム層剥取断面

展示されているローム層断面が、現場でみるローム層露頭と異なり、上下方向にほとんど変化が感じられませんでした。剥取断面風の単なる断面模型かもしれないと思い、係りの人にその旨質問しました。

答えはローム層の剥取断面そのものであるとのことでした。ローム層観察では色とかクラックとかが指標になりますが、それらの指標は水分を含んでいる時の状況です。薬剤で剥取ると、水分はなくなり、クラックそのものを剥取ることは不可能であったに違いないと感じました。別の場所でローム層の剥取断面をみたことがあるか調べて比較することにします。なお、係の人から、「あそこに境がある」と教えてもらうと、確かにローム層の境が見えてきて、自分の観察眼の虚弱さが恥ずかしくなりました。


2026年1月26日月曜日

特別展「謎多き縄文晩期」観覧

 Visiting the Special Exhibition "The Mysterious Late Jomon Period"


I visited the special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period," which opened at the Chiba City Archaeological Research Center.

The exhibits, including clay figurines, clay tablets, and stone staves from the Late Jomon period, explained their prosperity and disappearance in a way that strongly questioned the theory that the Late Jomon period was a period of decline due to a cooling climate. This was a very stimulating special exhibition.


千葉市埋蔵文化財調査センターで始まった特別展「謎多き縄文晩期」を観覧しました。

縄文晩期の土偶、土版、石棒など展示物について、その盛行と消滅について、「縄文晩期は寒冷化による衰退期」説に強い疑問を投げかける形で説明されています。刺激あふれる特別展です。

1 特別展「謎多き縄文晩期」

令和7年度千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「謎多き縄文晩期」が2026年1月17日から3月8日まで千葉市埋蔵文化財調査センターで開催されています。

2 特別展「謎多き縄文晩期」パンフレット


特別展「謎多き縄文晩期」パンフレット

A4カラー30ページの充実したパンフレットが会場で無償配布されています。

・縄文時代晩期の造形

・謎1 祭祀行為の発達

・謎2 食料生産の変化

・謎3 縄文人はどこへ?

・弥生人に受け継がれたもの

パンフレットには「例言」があり、後日に役立つ展示注記となっています。

3 会場風景


会場風景

会場中央に5つのガラスケースが配置され、土版や香炉形人面付土器などメイン遺物が展示されています。部屋四周のショーウィンドウに多数の遺物が展示されています。

4 展示物観覧


人面付土版3点


香炉形人面付土器


異形土器等


石材

いつもの通り、全体をザッと観覧してから、全展示物をスナップ写真的に撮影しました。この活動の中で、自分が面白いものは何か、見つけます。その後、時間の許す限り、自分が最も面白いものから順に、3Dモデル作成用の周回撮影をおこないました。3Dモデル作成用撮影は次の遺物について行いました。

・イノシシ形土製品等3点

・意図的破壊土器

・香炉形人面付土器

・鹿角製儀仗

・人面付土器

・人面付土器3点

・浅鉢

・土偶等9点

・動物形土製品

5 感想

縄文晩期の土偶、土版、石棒など展示物について、その盛行と消滅について、「縄文晩期は寒冷化による衰退期」説に強い疑問を投げかける形で説明されています。

縄文時代後~晩期の集落分業ネットワーク社会が晩期後葉に途絶える原因は謎として問題提起されています。

とても刺激あふれる特別展です。


2025年7月30日水曜日

歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」観覧

 Visiting the Historical Special Exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars"


I visited the historical special exhibition "Shining! Kashiwa's Jomon All-Stars," which opened at the Kashiwa City Local History Exhibition Room. The spacious venue displayed a comprehensive and systematic display of Jomon artifacts excavated in Kashiwa. The venue had a spectacular atmosphere, and I was deeply moved for the first time in a long time.


柏市郷土資料展示室ではじまった歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」を観覧しました。広い会場に柏市出土縄文遺物が総覧的でかつ体系的に展示されています。会場は壮観な雰囲気で、自分は久しぶりに感動をおぼえました。

1 歴史企画展「輝く!柏の縄文オールスター」


企画展チラシ


会場の様子

遺物は展示室外周のショーケースに時代順に展示、説明されていて、とても判りやすい展示になっています。

多数の大形土器が会場中央に遮るものなく展示されていて、圧倒されます。

2 展示物観覧

今回訪問の主目的は、気になる遺物を見つけ、久しぶりに、カメラ撮影によりフォトグラメトリで3Dモデルを作成することでした。しかし、期待していたより実際の展示がはるかに充実しているので、じっくり展示物観覧を楽しみました。展示物を見ながら、頭に去来する縄文社会に関する感想・想像・妄想を楽しみました。

展示物観覧のなかで、多数の縄文土器や土偶等を見ながら、縄文人社会の生産力や技術力や社会複雑性のレベルをもう一度自分で学習して、社会の様子を覗き込むように知りたいという欲が強まりました。遺物そのものの情報、展示説明情報、刊行されている考古学図書などを、これまでの自分は充分に咀嚼していないことに気が付きました。このようないつもと違う感情が生まれたことは自分にとって特筆すべきことです。

なお、展示分量が多すぎて時間配分できないことに気が付き、再訪・再々訪することにし、最後にフォトグラメトリ用撮影を7遺物について行いました。

3 フォトグラメトリ用の撮影をした遺物


加曽利EⅡ式土器(柏市出山遺跡)

巨大な土器です。遮るものがない展示であり、質の高い3Dモデルができるかどうか、フォトグラメトリ作業が楽しみです。


焼町式土器(柏市大松遺跡)

ショーケースに入っていますが、全周できるので、質の高いフォトグラメトリがうまくできるか、楽しみです。

説明では「他地域の土器のことをよく知る人が、柏でこの土器をつくったのかもしれません。」と説明されています。


勝坂式土器(柏市大松遺跡)

ショーケースに入っていますが、全周できるので、質の高いフォトグラメトリがうまくできるか、楽しみです。

説明では「他地域の土器のことをよく知る人が、柏でこの土器をつくったのかもしれません。」と説明されています。


3系統キメラ土器(柏市小山台遺跡)

展示説明はありませんが、2021年開催「らくがく縄文館」(於:八千代市郷土博物館)で阿玉台式・勝坂式・七郎内Ⅱ群の3系統キメラ土器として説明されました。

この土器は過去に1回3Dモデルを作成しています。

https://skfb.ly/owLPG


土偶(柏市大室小山台遺跡)

この土偶は過去に1回3Dモデルを作成しています。

https://skfb.ly/pzECF


土偶(柏市石揚遺跡)

縄文時代早期から前期前半につくられた初期の土偶として特に珍しく希少なものとして説明されています。


鳥形把手(柏市寺下前遺跡)

説明はありませんが、鳥の顔が直接表現されていて興味が深まります。


2025年2月26日水曜日

千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「貝と人」観覧

 Viewing the Chiba City Buried Cultural Property Research Center Special Exhibition "Shells and People"


I visited the Chiba City Buried Cultural Property Research Center Special Exhibition "Shells and People" (held until 2025.03.16) in 2024. As someone who was concentrating on learning about the Ariyoshi Kita Shell Mound, the displays and explanations were so intriguing that I lost track of time. It was a very valuable exhibition.


令和6年度千葉市埋蔵文化財調査センター特別展「貝と人」(2025.03.16まで開催)を観覧しました。有吉北貝塚学習に集中している自分にとって、興味を強く刺激する展示と説明のオンパレードであり、時間経過を忘れてしまいました。とても価値の大きな展示です。

1 会場風景、パンフレット


会場風景

展示物がとても多数になるにも関わらず、とても観覧しやすい会場です。


パンフレット

30ページのカラーパンフレットがとても充実しています。

2 観覧と撮影

自分の学習資料とするために展示物と説明パネル全部の撮影を行いました。

有吉北貝塚から出土した展示物や有吉北貝塚に関わる説明も多くみられ、興味を強く刺激されました。


有吉北貝塚北斜面貝層の写真(剥ぎ取り断面製作作業写真のようです。)

3 3Dモデル作成用撮影

アワビ、貝ヘラ、アワビ形土器、腰飾、彩色貝製品の5点について3Dモデル作成用撮影を行いました。今後3Dモデルを作成してブログ記事を書くことにします。


アワビ


貝ヘラ


アワビ形土器


腰飾


彩色貝製品

4 園生貝塚貝層断面


園生貝塚貝層断面

常設展示されている園生貝塚貝層断面を詳しく観察しました。以前3Dモデルを作成して検討記事を既に書いていますが、貝層の移動(流動)という視点から詳しく観察しました。

5 メモ

5-1 アワビ

アワビの干渉色の魅力に惚れ込みます。

以前にも別会場で展示された際に3Dモデルにしました。今回も3Dモデルにしますが、3Dモデルでは見る角度によって干渉色が変化(へんげ)する様子を表現することは難しようです。(もしかしたら3Dモデルで変化(へんげ)する干渉色を表現する技法があるかもしれませんが、今の自分にはその技術はありません。)

そこで、3Dモデル作成用に撮影した写真(一筆書きのような軌跡で撮影ポイントを移動する写真)をパラパラ動画にしてみることにします。パラパラ動画で視点移動で干渉色変化(へんげ)を再現できるか楽しみです。なお、自分のカメラ設定はいつも1シャッターでナチュラル、ポップアート1、ポップアート2、モノクローム、ドラマチックトーン、リーニュクレールの各フィルター写真計6枚を生成するブラケット撮影にしています。アワビについてこの5種のパラパラ動画を試作して、その比較を楽しんでみることにします。

5-2 貝ヘラ

貝ヘラの用途について、「土器製作時の器面調整などに用いられたものといわれている。」と説明されていて、別のところで読んだ「皮なめしの道具」という推察と別の用途になっていました。貝ヘラの用途については、さらに全く別の用途であった可能性もあり、興味が深まります。

5-3 彩色貝製品

I字文を赤彩白抜きで表現しています。白抜きという技法(技術)にとても強く興味を持ちます。


2024年11月22日金曜日

特別展「はにわ」の観覧

 Viewing the special exhibition "Haniwa"


I visited the special exhibition "Haniwa" at the Tokyo National Museum. As a beginner to haniwa, it was a great opportunity for me to see the whole picture of haniwa. The biggest benefit was seeing the smiling shield bearer.


東京国立博物館で開催中の特別展「はにわ」を観覧しました。埴輪初心者の自分にとって、埴輪の全貌を眺めることができるとても良い機会となりました。笑う盾持人を見れたことが最大の収穫となりました。

1 特別展「はにわ」

東京国立博物館で開催中の特別展「はにわ」を観覧しました。チケット売り場での長い行列や会場での混在は久しぶりの体験でした。しかし、埴輪現物を完全に四周から遮るものなく観察できるものが多いことは極上の体験です。さすが「国立」です。世界に自慢できる展示です。実際、外国人の観覧も多かったです。


特別展入口

図録も豪華で、重量もあり、持って帰るのが一苦労でした。


図録

2 3Dモデル用撮影を行った埴輪

会場が混雑していることもあり、全ての展示物撮影は断念しました。次の6点は特段の興味がありましたので、3Dモデル用撮影を行いました。混雑会場で少しずつカニ歩きして撮影しました。ソフトの機能により、写った観覧人物を消去すれば、きれいな3Dモデルができると思いますが、どうなるか、楽しみです。


23 水鳥形埴輪


40 子持家形埴輪


50 あごひげの男子


57 挂甲の武人


61 挂甲の武人(彩色復元)


70 盾持人

3 笑う盾持人について

笑う盾持人埴輪に関して次の考察をしたことがあります。

「図書(設楽博己著「顔の考古学 異形の精神史」)では、盾をかざした威嚇表現なのに笑っている理由を、天鈿女(あまのうずめ)が笑いで猿田彦の眼力に立ち向かった神話を引き合いに出す、辟邪説で説明しています。

笑いに辟邪の意味があるとすれば、その笑いは攻撃的、破壊的であり、相手に恐怖心を与え、相手の闘争心を萎えさせるものです。

盾持人埴輪は、相手(邪悪で強力な侵入者)よりも、それに立ち向かう自らの方がはるかに武力、知力、気力が優っていて、その自らの圧倒的優越性を相手心理に直接知らせるための手段として笑いを使っているのだと思います。

実際に戦えば相手を確実に圧倒殲滅できることを確信しているので、その確信に一点のくもりもないので、その自らの意識を笑いという手段で相手に直接提示したのだと思います。笑いの本質の一つに相手に対する優位性表現があることは万人が理解しています。

盾持人埴輪は実闘争の前に心理戦、情報戦で勝利している様子を表現していると考えます。

古墳社会における闘争において心理戦、情報戦が行われていた様子をこの盾持人埴輪は伝えていると考えます。」(ブログ「芋づる式読書のメモ」2021.03.10記事「笑う盾持人埴輪」)