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2024年6月4日火曜日

中峠0地点型深鉢(千葉市加曽利貝塚)観察記録3Dモデル

 3D model of observation record of Nakabyo 0-point type deep bowl (Chiba city, Kasori shell mounds)


I created a 3D model of the observation record of the Nakabyo 0-point type deep bowl (Chiba city, Kasori shell mounds), which is exhibited at the Kasori shell mounds museum's 2023 excavation survey report exhibition. I am curious about the iconographical meaning of the small, slightly tilted double-ring handle (binocular handle).


加曽利貝塚博物館の令和5年度発掘調査速報展に展示されている中峠0地点型深鉢(千葉市加曽利貝塚)の観察記録3Dモデルを作成しました。少し斜めに傾いた小さな双環把手(双眼把手)の図像学的意味が気になります。

1 中峠0地点型深鉢(千葉市加曽利貝塚)観察記録3Dモデル

中峠0地点型深鉢(千葉市加曽利貝塚)観察記録3Dモデル

縄文時代中期中葉

北貝塚第2次調査区C貝層出土

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和5年度発掘調査速報展

撮影月日:2024.05.28


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v7.529 processing 132 images


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開

3 メモ

3-1 双環把手(双眼把手)の意義

少し斜めに傾いた小さな双環把手(双眼把手)の図像学的意味が気になります。

2023.12.31記事「中峠類型(014)(東庄町神代夏方遺跡) 観察記録3Dモデル」

では、次のような妄想をメモしました。

「双環(双眼)の意味は穴を出入りするモノの関係を表現しているものと想像します。

穴とは産道出口を、双環(双眼)とは赤ん坊が出てくる出口と赤ん坊の素が入る入口を象徴しているものと想像します。

器としての土器は子宮のアナロジーとして考えられていたと想像します。

双環(双眼)は女性の妊娠・出産機能を象徴しているので、煎じ詰めれば、女性そのもののアイコンであったと想像します。」

双環(双眼)とは女性そのものの象徴であると妄想したのです。

直観的妄想的解釈ではなく、事例を追っていけば、この妄想(直観)の確からしさをある程度確かめる(説得的に説明する)ことができるのではないだろうかと、「直観」します。

3-2 中峠0地点型

この土器は中峠0地点型と説明されています。1976年に設定された「中峠式」の標準資料によれば、この土器の口縁部には縄文を使用していていないので、勝坂式土器をツールとする土器であることが分かります。


1976年設定中峠式標準資料

「下総考古学6」から作成


2021年1月24日日曜日

中峠0地点型深鉢(松戸市紙敷遺跡) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 530

有吉北貝塚学習に関連して中峠式土器を学習してます。この記事では中峠0地点型深鉢(松戸市紙敷遺跡)を3Dモデルで観察します。

1 中峠0地点型深鉢(松戸市紙敷遺跡) 観察記録3Dモデル

中峠0地点型深鉢(松戸市紙敷遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」 

撮影月日:2021.01.06 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 44 images


展示の様子


展示の様子


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャ


GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッド


GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析用加工

3 観察メモ

2021.01.23記事「中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡) 観察記録3Dモデル」で観察した「中峠0地点型深鉢」と土器文様構成はよく似ています。違う点は口縁部の刻み隆線が蛇行していない点です。渦が付く点では同じです。

口縁部文様の「図」像(※)を抜き出してみました。


口縁部の文様

刻み隆線、連続コの字状文(隆線)、蛇行沈線、沈線が観察できます。これらの文様構成要素はその連続性を追うとテキトーに変化して造形されていて、厳密な約束事には基づいていない様相が感得できます。刻み沈線は穴のある把手から連続して画面中央付近で渦を巻きます。沈線により渦巻が作られています。穴のある把手は自噴泉から勢いよく噴出する水を、そこから流れ出た水が画面中央の渦で土器内部に流れ込むというストーリーが暗示されます。

口縁部文様から受ける印象からは、全ての文様構成要素が水流を表象していると空想します。

文様構成要素が自由な蛇行を失い、全ての方向が口縁部方向(円周方向)に統一している様子は文様意味が抽象化・一般化した、あるいは文様意味に込められていた物語性の生き生きさが失われたからだと考えます。社会が土器を物語のメディアではなく実務的な容器としての扱いに重点を移し始めたのだと思います。この土器の時期はこれまで観察した「中峠0地点型深鉢」より新しい時期(社会が物的に発展した時期)に違いないと想像します。

※ 能動的に最初に彫られた隆線や沈線によりつくられた像を「図」像、「図」像により結果として生まれる像を「地」像と仮称します。「図」像と「地」像の区別は必ずしも明確ではありません。


2021年1月23日土曜日

中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 529

有吉北貝塚学習に関連して中峠式土器学習を開始してます。この記事では中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡)を3Dモデルで観察します。

1 中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡) 観察記録3Dモデル

中峠0地点型深鉢(野田市東亀山遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」 

撮影月日:2021.01.06 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 55 images


展示の様子


展示の様子


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャ


GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッド


GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析用加工

3 観察メモ

口縁部の蛇行する隆線による文様とその周りの太い角押文が特徴的です。隆線の真ん中に沈線が刻まれていて隆線が強調されています。隆線には刻みが入りますが、一部には縄文が施文されているように観察できます。これまでの中峠式土器解釈では、口縁部蛇行隆線は水流の表象であると空想してきています。この土器の隆線も渦巻になり、水流表象の感を強めます。


隆線による文様

「中峠0地点型深鉢」の定義が判る資料を持ち合わせていないので、隔靴掻痒の感ですが、これまで観察した中峠0地点型深鉢と較べると確かに土器文様構成が似ています。


2021.01.04記事「中峠0地点型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル」


2021.01.12記事「中峠0地点型深鉢(4次1住)(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル」

「中峠0地点型深鉢」の特徴は口縁部を巡る隆線が蛇行し、その隆線に刻みが入り(注1)、かつ完全に連続しない点や口縁部に縄文がないこと、口唇部が無文であること、胴部が縄文で埋められること(注2)、器形で頸部のくびれの下胴部にわずかな膨らみがあることなどがあるのではないかと思います。

注1…この土器(野田市東亀山遺跡)の口縁部隆線の一部には縄文が施文されているようです。

注2…標準資料土器(松戸市中峠遺跡)の胴部は縄文だけでなく、沈線による文様が施されています。


2021年1月12日火曜日

中峠0地点型深鉢(4次1住)(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 519

加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」に展示されている中期土器のうち中峠0地点型深鉢(4次1住)(松戸市中峠遺跡)を3Dモデルで観察します。

1 中峠0地点型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

中峠0地点型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

展示解説:中峠4次1住炉体土器、狭い口頸部文様帯に「連続コの字状文」と隆線による横ワラビ状文、体部は縄文のみ施文

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」 

撮影月日:2021.01.06 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 58 images


展示の様子


展示の様子


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 テクスチャモデル


GigaMesh Software Frameworkによる展開 ソリッドモデル


GigaMesh Software Frameworkによる展開 分析用加工

3 観察メモ

・「連続コの字状文」はこれまで観察してきた中峠式土器に共通します。

・「隆線による横ワラビ状文」は2021.01.09記事「中峠6次1住型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル」で観察した文様「隆線による横S字状文と集合沈線、特徴的な把手」に該当すると想像します。

・「連続コの字状文」と「隆線による横ワラビ状文」はともに水流をイメージして描かれた文様であると空想しています。このような空想をすることの学習上の意義について近々論じたいと思います。

・「隆線による横ワラビ状文」の形状が一つ一つ異なっています。リズム的に変化するように感じます。例えば河川水流の激しさ程度「渦を伴う急流→蛇行する流れ→平穏な流れ」を表現しているのかもしれません。

・「隆線による横ワラビ状文」のうち昔のタンス把手金具のような文様Aだけが両側の文様を「切って」います。この文様Aが土器正面を指標しているのかもしれません。(文様Aは渦流を表現しているのかもしれないと空想しています。)


土器正面の可能性

2021年1月4日月曜日

中峠0地点型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

 縄文土器学習 516

加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」に展示されている中期土器のうち中峠0地点型深鉢(松戸市中峠遺跡)を3Dモデルで観察します。

1 中峠0地点型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

中峠0地点型深鉢(松戸市中峠遺跡) 観察記録3Dモデル

展示説明(特徴的な把手、狭い口頸部文様帯に「連続コの字状文」と集合沈線、体部には縄文地文に横位に展開する並行沈線文様)

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和2年度企画展「あれもEこれもE -加曽利E式土器 北西部地域編-」 

撮影月日:2020.11.27 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.016 processing 54 images


展示の様子


展示の様子


3Dモデルの動画

2 観察メモ

2-1 胴部の文様

・胴部の文様はつる植物の新芽のつるが巻いている様子と実が垂れ下がっている様子を表現しているように感じます。


胴部文様

展開写真はGigaMesh Software Frameworkにより3Dモデルから作成

以前観察した称名寺式土器文様と時代は異なりますが、似ていると感じます。


称名寺式土器の文様

2-2 口縁部・把手文様

口縁部文様で「コの字状文」と集合沈線が重畳する様子を観察するうちに、次の二つのイメージが生まれましたので後日役立つかもしれないのでメモします。

ア 桃源郷風景の表現


「コの字状文」と集合沈線が重畳する様子


「コの字状文」と集合沈線が重畳する様子からイメージした立体風景

口縁部文様及び二つの把手から「ヘビ」とか「生殖器」とかの生々しい印象を受けません。

土器文様は土器胴体は茎や実を食べることができる植物を、口縁部では畑と果樹林が広がる立体的風景を縄文人なりに工夫して表現していると考えます。例えば「コの字状文」は果樹の採れる樹林帯を集合沈線は畑を表現しているのかもしれません。

この土器文様は全体として中峠式期縄文人が空想する桃源郷を表現していると考えます。

イ 泉・小川と畑の植物の表現

把手は泉で水が勢いよく吹き出している様子を表現していて、そこから流れ出る小川が実のなるつる植物の植わる畑を潤している情景をこの土器は表現していると考えます。結局はイのイメージも当時の縄文人が空想する桃源郷を描いたものです。


泉・小川が土器胴部のつる植物畑に流れているという想像