2025年1月15日水曜日

ブログ開設14周年通過にあたって

 On the 14th anniversary of the blog's launch


The blog "Walking the Hanamigawa River Basin" has now reached its 14th anniversary.

The fact that we have been able to reach our 14th anniversary is entirely due to your support and cooperation.

I would like to express my sincere gratitude to you all.

Following the example of others, I have compiled my steps over the past 14 years and written down my modest dreams for 2025.


本日(2025.01.15)はブログ「花見川流域を歩く」開設14周年通過日となります。

14周年を通過できたことは、ひとえに多くの内外皆様にさまざまなご支援、ご協力をいただいたおかげです。

皆様方に心からの感謝を申し上げます。

多くの皆様方に、このブログ及びTwitter、Facebook、YouTube、Sketchfab等を閲覧していただき、コメント・いいねなどをいただき、アドバイスしていただきました。それにより自分は大いに励まされ、学習意欲を増進させることができました。

web及び対面でお会いした全ての皆様方にあらためて心からお礼申し上げます。

先例にならい、この記事では14年間のブログ足取りをまとめるとともに、2025年のささやかな夢をメモすることにします

1 ブログ「花見川流域を歩く」14年間の足どり

1-1 14年間4159記事の分類


14年間4159記事の分類

2011年当初は花見川流域の自然や地形をテーマとした記事から出発しました。その後下総台地の地形や歴史に興味が移行しました。さらに2015年~2016年には千葉県地名(小字)に熱中しました。2017年頃から考古事象に興味が限定傾向となりました。最初は古代遺跡、その後縄文遺跡を対象に発掘調査報告書収録データ分析を行い、興味を深めています。

2023年には有吉北貝塚北斜面貝層学習対象を発掘調査報告書から発掘原票に切り替えて、より精細な情報3D分析に挑み始めました。このころから自分のAI革命(具体的にはChatGPT利用)が始まっています。2024年は有吉北貝塚北斜面貝層発掘原票の入力作業(電子化、データベース化)に明け暮れましたが、その活動意義をより深く捉えるようになり、学習充実感が濃厚になっています。なお、短期限定集中学習として人形塚古墳学習を行い、大いに楽しました。

1-2 14年間ブログ滑動の到達点

●記事数(Blogger 2011.01.15~2025.01.14)

4165記事

●閲覧数(Blogger 2011.01.15~2025.01.15)(人×ページ)

1098948ビュー

●訪問者数(flagcounter 2013.04.14~2025.01.15)(人×日)

401886人

●訪問者国数(flagcounter 2013.04.14~2025.01.15)

97国


訪問者の国

●訪問者人数の多い県・州 トップ20(flagcounter 2013.04.14~2025.01.15)(日本とアメリカ対象)


訪問者人数の多い県・州 トップ20


県・州別訪問者分布

2 2025年のささやかな夢リスト

2025年にその実現や端緒をつかみたいと考える夢リストをメモします。

2-1 有吉北貝塚北斜面貝層3Dデータベース化作業の進捗を図る

2024年に引き続き、2025年の最大の夢は有吉北貝塚北斜面貝層3Dデータベース化作業の進捗を図り、その概成に向かって進むことです。可能ならば、山を越えたいと願っています。幸いChatGPT利用により検討作業の効率化が急速に進んでいます。しかし、新たな課題・問題点も生まれ、ダイナミックな学習プロセスとなっています。検討作業を大いに楽しみ、意義ある成果を目指したいと思います。


北斜面貝層学習イメージ

2-2 縄文土器学習の技術的取組み

これまでの総合的な縄文土器学習の夢を一旦棚にあげて、学習間口を極端に狭めて、有吉北貝塚北斜面貝層学習に役立つ範囲で縄文土器学習を行うことにします。具体的には中峠式から加曽利EⅡ式頃の千葉地域付近の土器に限定して、その鑑識眼を持てるようになることが今年の夢です。


加曽利EⅡ式土器

2-3 磨貝学習

有吉北貝塚北斜面貝層出土磨貝(アリソガイ製ヘラ状貝製品、ハマグリ製ヘラ状貝製品)の用途学習の端緒を切り開くことが夢です。磨貝は皮なめしと関連すると考えられてきていますが、全く別の用途である可能性を含めて学習します。


磨貝

2-4 遺物や貝層の3D空間分布の表示技術及び関連技術の習得

遺物や貝層の3D空間分布の表示技術及び関連技術の習得をChatGPTを活用してすすめます。Blender、QGIS、postgreSQLなどを縦横無尽に活用できる技術を習得します。


Blenderイメージ

2-5 世界の風景・考古学習

次の素材を統合して、自分なりに新たな趣味ジャンルを創造して楽しむことにします。

・興味を深めて記事にした世界の風景・地形(ブログ「世界の風景を楽しむ」など)

・過去に旅行で巡って体験した世界40数か国の様子(写真や持ち帰った資料など)

・世界考古学切手収集(切手という現物)


考古学切手

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●過去のブログ開設記念記事

2012.01.15記事「ブログ開設1周年

2015.01.15記事「2015年ささやかな夢リスト 趣味生活における埋土種子群落

2016.01.15記事「ブログ開設5周年通過

2017.01.15記事「ブログ開設6周年通過

2018.01.15記事「ブログ開設7周年通過にあたって

2019.01.15記事「ブログ開設8周年通過にあたって

2020.01.15記事「ブログ開設9周年通過にあたって

2021.01.15記事「ブログ開設10周年通過にあたって

2022.01.15記事「ブログ開設11周年通過にあたって

2023.01.15記事「ブログ開設12周年通過にあたって

2024.01.15記事「ブログ開設13周年通過にあたって




2025年1月14日火曜日

QGIS Pythonコンソールの使用

 Using the QGIS Python Console


Although a little late, I found out that QGIS has a Python console and can use Python scripts, so I tried using it. It seems that tasks that are difficult to do manually on the screen can be efficiently performed with Python scripts.


遅ればせながら、QGISにPythonコンソールがあり、Pythonスクリプトが使えることを知り、使ってみました。画面における手作業では難儀な作業を、Pythonスクリプトで効率的に実施できるようです。

1 Pythonスクリプト例(四角ポリゴン描画)

ChatGPT支援により作成した、プロジェクトCRSがEPSG6677で設定されているQGISで(-2000,0) (4000,0) (4000,-2000) (-2000,-2000)を頂点とする四角ポリゴンを描くPythonスクリプト。

from qgis.core import (
    QgsVectorLayer, QgsFeature, QgsGeometry, QgsPointXY, QgsProject, QgsField
)
from PyQt5.QtCore import QVariant

# プロジェクトCRSをEPSG:6677に設定(任意。既に設定されている場合は不要)
project = QgsProject.instance()
project.setCrs(QgsCoordinateReferenceSystem("EPSG:6677"))

# 空のポリゴンレイヤーを作成
layer_name = "Polygon Layer"
layer = QgsVectorLayer("Polygon?crs=EPSG:6677", layer_name, "memory")
layer_provider = layer.dataProvider()
layer_provider.addAttributes([QgsField("id", QVariant.Int)])
layer.updateFields()

# 四角形の座標を定義
coordinates = [
    (-2000, 0),
    (4000, 0),
    (4000, -2000),
    (-2000, -2000),
    (-2000, 0)  # ポリゴンを閉じるために始点を再度追加
]

# ポリゴンジオメトリを作成
points = [QgsPointXY(x, y) for x, y in coordinates]
polygon = QgsGeometry.fromPolygonXY([points])

# フィーチャを作成してポリゴンを設定
feature = QgsFeature()
feature.setGeometry(polygon)
feature.setAttributes([1])  # IDフィールドの値を1に設定
layer_provider.addFeature(feature)
layer.updateExtents()

# レイヤーをプロジェクトに追加
QgsProject.instance().addMapLayer(layer)

print(f"'{layer_name}' レイヤーが作成され、四角形ポリゴンが追加されました。")

2 QGISのPythonコンソール


QGISのPythonコンソール

Pythonコンソールはプラグイン→Pythonコンソールで開くことができます。

3 四角ポリゴン描画結果


四角ポリゴン描画結果

水色部分が四角ポリゴン描画結果です。描画後、確認のために半透明にしてあります。

4 感想

Pythonスクリプトを利用することにより、QGIS画面における手作業で単調な連続作業など難儀な作業を、Pythonスクリプトで効率的に実施できる可能性があることを確認しました。BlenderにおけるPythonコンソールとほぼ同じ感覚で使えそうです。

Pythonスクリプトの活用はこれまでBlender、Excel、Windows(explorer)、text、自作ツールでしたが、これにQGISが加わりました。


2025年1月13日月曜日

有吉北貝塚学習 作業日誌(2025.01.13) ポットホール・ミニ滝

 Ariyoshikita Shell Mound Study Work Journal (2025.01.13) Pothole Mini Waterfall


I am currently working on inputting elevation points to create a 3D model of the ground plan of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. I have made notes of my impressions and thoughts that have arisen during this work.Potholes and mini waterfalls have been unearthed.


有吉北貝塚北斜面貝層の地山平面図の3Dモデル化のための標高点入力作業を進めています。作業のなかで生まれた感想・思考をメモしました。ポットホールやミニ滝が出土しています。

1 標高点入力作業の状況


標高点入力作業状況(QGIS画面)

ガリー谷中上流の約2500標高点を入力し、残りは下流約1000標高点くらいのようです。


標高点入力作業状況の3Dモデル表示(QGISプラグインQgis2threejs画面)

2 3Dモデル試作


3Dモデル試作(QGIS画面)


3Dモデル試作(QGISプラグインQgis2threejs画面)

「谷底」の微地形だけが表現されている3Dモデルです。

3 感想・メモ

3-1 作業上の感想・メモ

・標高点分布が「谷底」部分に限られていて、斜面にはないので、自分が知りたい谷地形を知るためには、セクション図から(貝層断面図から)斜面の高さ情報を汲み取り、補充する必要があることがわかりました。

・QGISの仮想地形生成機能利用が順調に展開しています。(現実の地理地形とは無関係に、QGISの機能だけを利用しています。)

3-2 地形に関する感想・メモ

・「谷底」に凹地(閉じた穴)が多数存在していて、ポットホールと同じ原理で生成したものではないかと想定します。ガリー侵食の過程で生まれたもので、貝殻や土器片がその生成に大きな役割をはたしているかもしれないと想像します。この想定、想像の検証が一つの検討課題となります。

・「谷底」に段差が多数あり、ガリー侵食の特徴を表現していると考えます。オーバーハングしている段差もあり、ガリー侵食の過程で生まれたミニ「滝」です。貝層で保存され縄文時代のミニ「滝」が出土したことは、面白いことだと思います。ミニ「滝壺」から貝殻や土器片が出土します。

・北斜面貝層が収まっている箱形谷地形の成因がわからないと、北斜面貝層の特質もわからないことが直観されます。貝殻や土器片投棄が無垢の斜面に崩壊やガリー侵食を誘発促進したと考えるからです。谷地形の形成に縄文人の人為が関わっていたのではないだろうか?


2025年1月11日土曜日

考古学切手 ショーヴェ洞窟の壁画

 Archaeological stamp: Chauvet Cave mural


A stamp showing a mural (approximately 36,000 years ago) from the Chauvet Cave in the Ardèche region of southern France. The image is said to depict a lioness stalking her prey in a dynamic (animated) manner.


フランス南部アルデシュ地方にあるショーヴェ洞窟の壁画(約36000年前)切手。絵柄は獲物をねらうメスライオンを動的に(アニメーション的)に描いているとされる。

1 ショーヴェ洞窟の壁画切手


ショーヴェ洞窟の壁画切手

フランス切手、2024年。

ショーヴェ洞窟は、旧石器時代の壁画が非常に良好な状態で残されていることで有名です。この洞窟の壁画には、約36,000年前に描かれたとされライオン、ハイエナ、ウマ、サイ、バイソンなどが描写されています。

切手の絵柄はメスライオンが獲物をねらう様子の壁画場面などをコラージュ的に構成しています。

細密画技法で描かれています。

2 動的表現(アニメーション的表現)

動物の描写の様子から、動物の動きをアニメーション的に表現している(動きそのものを表現している)ものが多いと考えられています。

切手絵柄抽出部は3頭(4頭)のライオンを描いたものではなく、1頭のメスライオンが獲物をねらう様子を動的に(アニメーション的に)表現していると考えられています。


1頭のメスライオンが獲物をねらう様子の動的(アニメーション的)表現


2025年1月8日水曜日

QGISの仮想地形生成機能利用による貝塚地山地形3Dモデル作成

 Creating a 3D model of shell mound topography using QGIS's virtual terrain generation function


Using QGIS's virtual terrain generation function, a 3D model (part) of the topography of the shell bed on the northern slope of the Ariyoshi Kita shell mound was created from a random point cloud with XYZ coordinates. The characteristics of the topography (basal surface topography) emerge.


QGISの仮想地形生成機能を利用して、XYZ座標付きランダム点群から有吉北貝塚北斜面貝層の地山地形3Dモデル(部分)を作成しました。地山地形(基底面地形)の特性が浮かび上がります。

1 地山地形のXYZ座標付けランダム点群

有吉北貝塚北斜面貝層の発掘原票(38年前原図、B3判サイズ)には地山平面図というジャンルがあり、14枚が格納されています。このうちNo.3152の大半のグリッド(15グリッド)の標高点を読み取りXYZ座標付けランダム点群を作成しました。


No.3152地山平面図から標高点を読みとった範囲

縦3グリッド(6m)×横5グリッド(10m)の範囲です。

有吉北貝塚北斜面貝層学習は数年前からBlenderを使って立体的に検討してきています。グリッド配置における座標原点設定はBlenderの中で自分独自のものです。

2 QGISにおけるXYZ座標付けランダム点群プロット

XYZ座標付けランダム点群をQGISにプロットして、QGISの仮想地形生成機能を利用して地山地形3Dモデルを作成します。

Blender座標とQGIS座標はXY座標が異なるので(※)変換します。

※ X軸とY軸が差し替え、QGISのY軸が反転。

QGISでは実単位では領域が狭すぎて仮想地形生成機能を利用できないので、XYZ座標を100倍にしました。


QGISにXYZ座標付けランダム点群をプロットした様子

実際の地理地形とは無関係に、QGISの仮想地形生成機能だけを利用していることをわざと表示するために、この画面では標準地図を表示しています。QGISのプロジェクト座標参照系(CRS)はEPSG6677(日本測地系2011平面直角座標系Ⅸ系)です。現実は6m×10mの範囲に散らばる標高点が、QGISでは600m×1000mの範囲に仮想的に散らばっています。

3 QGISによる仮想地形生成

QGISのGRASSプラグインのv.surf.rstツールを利用して地形3Dモデルを作成しました。2024.12.20から使えるようになったQGISバージョン3.40で作業しています。(バージョン3.38ではバクで作業できません。)


仮想地形生成結果(平面)


仮想地形生成結果(3D)


仮想地形生成範囲

4 メモ

4-1 QGISの仮想地形生成機能利用

QGISの仮想地形生成機能を利用して、北斜面貝層の地山地形3Dモデルを作成する技術が自分のなかで確立しました。

4-2 貝層形成と地山地形形成の関係

表示した地山地形3Dモデルには貝層が充填されています。北斜面貝層は崩壊性谷地形あるいはガリー侵食地形を充填する形で形成されています。今後詳しい検討を行いますが、次のような問題意識が生まれています。

・北斜面貝層地山地形(基底面地形)の凹凸が激しい。ポットホール状の凹地が多い。このような地形形成が通常の崩壊やガリー侵食でできて、その上に貝層が堆積したと考えることは困難であるように感じる。

・通常の崩壊やガリー侵食の後、つまり谷地形が出来上がってから、貝層形成が行われたと考えることは困難であるように感じられる。

・崩壊やガリー侵食と貝層形成(貝殻や土器片の投棄)が密接に関わっているのではないだろうか。

・貝殻や土器片の投棄が無垢の斜面に崩壊やガリー侵食を誘発した可能性検討を視野に入れる必要があるだろう。


2025年1月6日月曜日

朗報 QGIS最新バージョン3.40でGRASSプラグインバグが解消する

 Good news: GRASS plugin bug fixed in latest version of QGIS 3.40


The bug in the GRASS plugin v.surf.rst tool has been fixed in the latest version of QGIS (3.40, 2024.12.20). With QGIS, you can easily create a topographical 3D model from contour lines and XYZ random point clouds. It makes me feel like I've had a fish bone removed from my throat.


QGIS最新バージョン(3.40、2024.12.20)でGRASSプラグインv.surf.rstツールのバグが解消されました。QGISで、等高線及びXYZランダム点群から地形3Dモデルが気兼ねなくできます。喉に刺さった魚の骨がとれた時のような感情が沸き上がります。

1 QGIS最新バージョン(3.40、2024.12.20)

QGIS最新バージョン(3.40、2024.12.20)でGRASSプラグインv.surf.rstツールのバグが解消されたことを操作で確認しました。


QGISv3.40のロゴ


QGISv3.40で等高線から地形3Dモデルを作成した様子


QGISv3.40でXYZランダム点群から3Dモデルを作成した様子

これまではコソコソと旧バージョンQGISv3.12を使っていました。

2 過去記事

2024.09.15記事「紙等高線地図から地形3Dモデルを作成する方法

2024.12.29記事「有吉北貝塚北斜面貝層の地山平面図の3Dモデル化技術テスト

3 感想

QGISのバグが解消されて、喉に刺さった魚の骨がとれた時のような感情が沸き上がります。等高線から3Dモデル、XYZランダム点群から3Dモデルが気兼ねなくできます。QGISを応援したくなります。


2025年1月1日水曜日

2025年 明けましておめでとうございます

 Happy New Year 2025


As we welcome the new year, I wish you all good health and happiness.

This year, I will continue to broadcast live reports on the Jomon and archaeological history of Chiba, as well as the Hanami River.

I look forward to your continued support this year.

2025年 明けましておめでとうございます

新しい年を迎え、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

ブログ「花見川流域を歩く」で展開している趣味活動も1月15日で14周年を通過することになりました。掲載記事数は4159本(2024.12.31)となりました。

ひとえに内外皆様方にBlog、Twitter、Facebook、YouTube、Sketchfabを閲覧していただき、いいねをいただき、コメントしていただき、多大なるご協力をしていただいているおかげです。

皆様方にあらためて心から感謝し、お礼申し上げます。

今年も千葉の縄文や考古歴史について、花見川のことについて、その面白さ・興味追究学習を発展させ、その様子を実況生中継していきたいと思います。

今年もブログ「花見川流域を歩く」を軸に展開している趣味活動をよろしくお願い申し上げます。


2025年1月1日 弁天橋の日の出

2024年12月31日火曜日

2024年の趣味活動をふりかえる

 Looking back on my hobbies in 2024


New Year's Eve 2024 has arrived.

As is customary, I've put together a list of the top 10 things I enjoyed most about my hobbies in 2024.

I wish everyone a happy new year.


2024年の大晦日を迎えました。

2024年はパンデミック後の全く新しい世界の姿の特徴がすこしずつ明らかになってきたように感じた年でした。特にAI技術の社会的普及という点では、昨日驚いていたことが、今日は当たり前みたいな社会状況でした。自分もその動向を受容し、趣味活動にAI技術をできるだけ取り入れることによって楽しみをより深めることにつとめました。

このような趣味活動の中で、対面でお会いし、ご指導やご厚情をいただいた皆様、Blog、Twitter、Facebook、YouTube、Sketchfabなどwebでお会いし、いいね・コメント・情報・アドバイス・ご指摘などをいただいた内外皆様に心から感謝申し上げます。2024年の1年間まことにありがとうございました。

この記事では、2024年趣味活動で画期となったような事柄、特段に面白かった事柄を思い出して、楽しかった事柄ベストテンとしてまとめてみました。また合わせて、年初にメモした「2024年のささやかな夢リスト」の実現状況を検証してみました。

1 2024年趣味活動で楽しかった事柄ベストテン

第1位 有吉北貝塚北斜面貝層の遺物台帳(原票)のデータベース化の最初バージョン完成

有吉北貝塚北斜面貝層の遺物台帳(原票、38年前調査)の電子化・データベース化に取組み、遺物データベース(postgreSQL)の最初バージョンが完成しました。レコード数は64096です。電子化は手入力がメインとなり、おかげで右手でのテンキーブラインドタッチ入力が超高速で可能となるという副産能力を入手したほどです。

データベースソフトpostgreSQLの一通りの利用もできるようになりました。複雑なクエリはChatGPTが役立っていますので、集計分析作業が快適です。

このデータベースには発掘調査報告書掲載遺物リストも全て含めましたので使い勝手が向上しています。(ただし、発掘調査報告書掲載遺物リストの詳細属性の大半は未収容)

ほとんど全ての遺物について、グリッド別分布図を立体棒グラフで作成し、北斜面貝層内の遺物分布状況に関する問題意識を深めました。


有吉北貝塚北斜面貝層遺物データベース(最初バージョン)の概要

遺物台帳データ(遺物コード数64096)と発掘調査報告書掲載遺物リスト(遺物項目数33、レコード数3032)を遺物コードで関連付けたデータベースです。


遺物立体棒グラフの例(イノシシ顎骨分布)

遺物台帳データベースは大きなプロジェクト(北斜面貝層見える化プロジェクト)の一環です。このプロジェクトは今後さらに進捗予定です。

第2位 千葉市人形塚古墳学習とりまとめと話題提供

おゆみ野歴史愛好会で話題提供させていただく機会を得て、以前から気になっていた千葉市人形塚古墳出土地割線の学習を期間限定の短期集中で実施しました。学習はとても稔り豊かであったと感じましたが、それは次のような好条件に恵まれたためです。

1 未公表発掘空中写真の利用

千葉県教育委員会から未公表発掘空中写真多数を閲覧させていただくという素晴らしい許可をいただき、3Dモデル作成に活用することができました。

2 沼澤論文をベースにした学習

この古墳に関する詳しい論文(沼澤豊著「千葉市人形塚古墳のいわゆる地割線について」(千葉県教育振興財団文化財センター 研究連絡誌、 2008)をベースに学習を深めることができました。

3 和田晴吾著「古墳と埴輪」(岩波新書)の学習

和田晴吾著「古墳と埴輪」(岩波新書)が発刊となり、古墳に関する基礎知識を入手整理することができました。

おゆみ野歴史愛好会の皆様には、私の話題提供を面白がっていただいたと思います。


千葉市人形塚古墳地割線の意味解明にチャレンジする(1ページ目)

千葉市人形塚古墳地割線の意味解明にチャレンジする

第3位 ChatGPT活用の内部化

趣味活動全ての領域でChatGPT活用が進んでいます。次のような項目で役立っています。

1 Pythonスクリプト作成

BlenderPythonスクリプト作成、Excel操作Pythonスクリプト作成、Windowsエクスプローラー操作Pythonスクリプト作成、自作アプリPythonスクリプト作成などでChatGPT支援が役立っています。

2 postgreSQLクエリ作成

データベースソフトpostgreSQLの複雑なクエリ作成でChatGPT支援が役立っています。

3 QGIS、Illustratorなどのソフト利用法

QGISやIllustratorなどのソフトの専門的詳細な利用方法について、ChatGPTから詳しい解説を入手し役立てています。

4 テクニカルターム作成

考古・技術などで、自分が限定した領域の概念を新しい言葉(テクニカルターム、用語)で表現する場合、ChatGPTに5つ提案してもらい、それを参考に新テクニカルタームを造語しています。新テクニカルタームを造語することによって、分析作業が容易になり、飛躍することを何度も体験しています。

5 多量データの要約

6 画像の説明

7 OCR

ChatGPTにファイル入力し、ファイルで結果をもらうことが増えてきていて、とても便利です。ChatGPTは私の趣味活動を加速するエンジンとなっています。

第4位 等高線から地形3Dモデル作成技術、標高点から地形3Dモデル作成技術

QGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール)を使って等高線資料から地形3Dモデルを作成する技術、多数標高点資料から地形3Dモデルを作成する技術を得たことは自分にとって特筆すべきことです。紙資料としてしか残っていない過去の地形を3Dモデルとして復元できることは、趣味活動における一種の快楽です。


等高線資料から作成した人形塚古墳3Dモデル

第5位 発掘された日本列島2024観覧

千葉県立中央博物館で開催された発掘された日本列島2024を観覧しました。自分の縄文学習にとって示唆に富む遺物展示が多く、とても参考になりました。


発掘された日本列島2024会場

第6位 谷口康浩著「土偶と石棒」学習

谷口康浩著「土偶と石棒」学習は自分の縄文学習をとても刺激しています。自分の問題意識がこの図書に解説されている場合が多いです。事情により学習中断していますが、再開させたいとおもいます。


谷口康浩著「土偶と石棒」

第7位 加曽利貝塚博物館令和5年度企画展「あれもEこれもE加曽利E式土器-外房地域編-」観覧

加曽利貝塚博物館令和5年度企画展「あれもEこれもE加曽利E式土器-外房地域編-」を観覧して、加曽利E式土器の3Dモデルを多数作成して、楽しみました。


展示会場

第8位 東京国立博物館特別展「はにわ」観覧

東京国立博物館特別展「はにわ」を観覧して、埴輪多数の3Dモデルを作成して、楽しみました。


展示埴輪

第9位 伊那・飯田地域博物館の観覧

伊那市創造館、飯田市美術博物館、飯田市考古博物館、駒ケ根市博物館で展示されている考古遺物等を観覧して、展示物3Dモデルを多数作成して楽しみました。

第10位 ブログ「花見川流域を歩く」ページビューが100万を通過

ブログ「花見川流域を歩く」ページビューが100万を通過しました。ブログ開設から13年半の時間が経っています。内外の多くの皆様にこのブログを見ていただいて、感謝します。趣味活動の励みになる出来事です。

番外1 空中写真の3Dモデル作成

空中写真の3Dモデル作成を楽しみました。それも2枚の空中写真とか数枚の空中写真です。実用にはなりませんが、3Dモデルになること自体が楽しい活動です。


3枚の空中写真から作成した人形塚古墳3Dモデル(同じ写真を2枚合計6枚にしてフォトグラメトリで3Dモデルを作成した例)

番外2 考古学切手収集

考古学切手収集を地道に楽しんでいます。


挂甲の武人切手 修理前と修理後

2 「2024年のささやかな夢リスト」の実現状況

2024.01.15記事「ブログ開設13周年通過にあたって」で書いた「2024年のささやかな夢リスト」の実現状況をチェックします。

◎ 夢を大いに実現した

〇 夢の部分を実現した

△ 夢が実現する方向に向かった

× 夢の実現は持ち越された

1 有吉北貝塚北斜面貝層3Dデータベース作成作業の進捗を図る ◎

2 縄文土器学習を実用レベルに到達させる △

3 大膳野南貝塚学習を発展させる ×

4 Blender造形技術の基礎を身につける 〇

5 QGIS等の基礎技術を身につける 〇

6 考古学切手収集等を楽しむ 〇

3 2024年活動の特徴

2024年趣味活動の特徴として次の2点を感じていますので、メモしておきます。

3-1 AI技術の内部化

昨年からかすかに実感しだし、今年は確信をもって実感したことにAI技術(具体的にはChatGPT)が自分の知的能力を増強し、知的能力年齢延命に寄与していることです。ChatGPTで学習が加速しています。貪欲にAI技術を内部化したいと思います。もしかしたら精神的若返りとか、肉体的老化速度低下も期待できるかもしれません。

3-2 SNSとの距離感

よく表現できませんが、趣味活動を本当に自分のものにするには、SNSとの距離感について自分独自の考えが必要であることを実感しています。具体例でいうと、「こういう記事・情報発信すると、いいねが増える、記事閲覧が増える」ことが体験的によくわかってきています。そして、いいねや閲覧増大を目的に記事を書くことと、自分が本当に学習したいことの間に微妙な乖離が生まれます。この乖離が大きくなると、趣味活動が本末転倒になってしまいます。SNSとの適切な距離感を自分独自に確立することが大切です。


皆様、良いお年をお迎えください。



2024年280記事のサムネール(この記事を除く)

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2015.12.31記事「2015年をふりかえる
2014.12.31記事「1年をふりかえる

2024年12月30日月曜日

2024年12月ブログ活動のふりかえり

 Looking back on blog activities in December 2024


I looked back on the activities of the blog "Walking the Hanami River Basin" in December 2024.

In the first half of December, I focused on summarizing the study of Ningyozuka Kofun in Chiba City, and presented the results at the Oyumino History Enthusiasts Club on the 17th. After that, I switched gears and focused on studying the shell layers on the northern slope of the Ariyoshi Kita Kaizuka Kaizuka.


ブログ「花見川流域を歩く」の2024年12月活動をふりかえりました。

12月活動前半は千葉市人形塚古墳学習のとりまとめに集中し、その結果を17日におゆみ野歴史愛好会で話題提供しました。その後一転して有吉北貝塚北斜面貝層学習に集中しました。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・2024年12月の記事数は16です。(12月31日に年間ふりかえり記事を予定しています。)

・遮光器土偶等の観察記録3Dモデル記事を書きました。

・千葉市人形塚古墳地割線検討記事を多数書きました。

・有吉北貝塚北斜面貝層に地山平面図から地形3Dモデルを作成する取組みに関する技術記事を書きました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事を2編書きました。

3 2024年12月活動の特徴

3-1 人形塚古墳学習

話題提供の主要コンテンツは11月にほぼ完成していました。

12月に入り、おゆみ野歴史愛好会での話題提供に向けて、ペーパーの作成(InDesignの活用)→Powerpointの作成を何回か繰り返し、最後にペーパーの印刷→トーク予行演習を行いました。おゆみ野歴史愛好会での話題提供は一昨年(有吉北貝塚)、昨年(大膳野南貝塚)に続き3回目で、実務的な不明(Powerpoint機器の扱いや会場の様子など)がないので、とてもスムーズな準備となり、準備活動がとても楽しいものとなりました。

話題提供は皆様に面白がっていただきました。

3-2 有吉北貝塚北斜面貝層学習

北斜面貝層地山等高線図から地山地形3Dモデル作成に着手したのですが、なんと、地山等高線図と考えていた地図が等高線図ではなく、地形特徴図(地形変換線を相観的(見た目で)に描いたもの)であることに気が付きました。自分としては「世紀」のチョンボです。まさか見た目(調査員の直観・エイヤー)で地形を描いているとは!(地形調査ではそれが一般的ですが、考古分野でもそうだったとは!)

しかし、この地図には多数の標高点が記載されています。そこでランダム標高点から地形3Dモデル作成に急遽方針転換しました。ランダム標高点から地形3Dモデルを作成する方法は、等高線から地形3Dモデルを作成する方法と類似しています。QGISのGRASSプラグインのv.surf.rstツールを利用する点で同じです。早速取組みました。

ただ、前段のランダム標高点読み取りは適切なツールが見つからなかったので、ChatGPT支援によりPythonスクリプトによる自作アプリを作成しました。

GRASSプラグイン利用で少しまごつきましたが、最初のハードルは突破できました。

4 2025年1月活動の展望

有吉北貝塚北斜面貝層学習に集中して取組むことにします。具体的には地山地形3Dモデルの作成、セクション図(貝層断面図)分析と3Dモデル化に取組みます。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2024年12月記事 ○は閲覧の多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2024年12月記事


2024年12月 Sketchfabに投稿した3Dモデル


2024年12月 YouTubeに投稿した動画


2024年12月 ブログ「花見川流域を歩く」投稿記事に掲載した画像


2024年12月29日日曜日

有吉北貝塚北斜面貝層の地山平面図の3Dモデル化技術テスト

 Technical test to create 3D model of the ground plan of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound


A technical test was successfully conducted to read the many elevation points written on the ground plan of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita shell mound (excavation survey original record) with a homemade app and create a 3D terrain model from that data (random point cloud with XYZ coordinate values) using QGIS (GRASS plugin). QGIS was used as a virtual terrain generation tool.


有吉北貝塚北斜面貝層の地山平面図(発掘調査原票)に記載されている標高点多数を自作アプリで読み取り、そのデータ(XYZ座標値付ランダム点群)からQGIS(GRASSプラグイン)により地形3Dモデルを作成する技術テストに成功しました。QGISは仮想地形生成ツールとして利用しました。

1 地山平面図からデータを読みとった様子

Ⅱ-39グリッドとその周辺を対象に約100点のXYZ座標を自作アプリで読みとりました。

2024.12.24記事「XYZ座標値付ランダム点群データ作成アプリの開発


自作アプリ画面(標高を読みとったポイントに赤丸でチェックが入る)


アプリから吐き出されたcsvファイル画面(一部)

2 ランダム点群のQGIS表示


ランダム点群のQGIS表示

csvファイルをQGISにレイヤとして追加します。

QGISは仮想地形生成ツールとして利用しています。現実の地理空間、現実の地形とは無関係にその機能だけを利用します。(※北斜面貝層のグリッドが狭小(2m×2m)であることや、グリッドの方向が経緯線方向と角度があるためなどの理由により、今回作業はQGISの仮想地形生成機能だけを利用しました。)

3 ランダム点群レイヤをGRASSデータセットにインポート

GRASSプラグインのv.in.asciiツールでcsvファイルをGRASSフォーマットに変換します。

4 GRASSプラグインv.surf.rstツールによる3D地形モデル作成

GRASSプラグインのv.surf.rstツールで3D地形モデルを作成します。


QGISで3D地形モデルをつくった様子(平面表示)


QGISで3D地形モデルをつくった様子(3D表示)

5 有吉北貝塚北斜面貝層Ⅱ-39グリッドの地山地形3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層Ⅱ-39グリッドの地山地形3Dモデル


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

6 メモ1

技術テストがクリアできたので、全グリッドを対象にXYZ座標値付ランダム点群データを作成し、それを集成して、北斜面貝層地山地形3Dモデルを作成します。

7 メモ2

3Dモデルに凹地が2箇所ありますが、この凹地はポットホールです。北斜面貝層地山には多数のポットホールがあります。ポットホール形成と貝殻や土器片投棄が関係しているのか否か、秘かなる興味を抱いています。