検討を進めていけば、さらに加えて別の証拠も見つけることがあるような予感がしています。
1 人工改変以前の花見川の姿
江戸時代の印旛沼堀割普請、戦後印旛沼開発で花見川の姿が大きく変わりました。
その人工改変の影響を除去して、花見川本来の姿を認識しておくことが以下の検討の大前提になります。
花見川水系の本来の姿は次のようにイメージできます。(2012.4.27記事「印旛沼堀割普請前の花見川と古柏井川の谷中分水界」参照)
人工改変前の花見川水系
この人工改変前の花見川水系が、最初からこのような姿で形成されたものではなく、最初存在していた印旛沼水系の谷津(河川)を東京湾側水系が谷津(河道)を丸ごと奪ったという証拠を5つ列挙します。
2 花見川河川争奪(河道逆行争奪)の5つの証拠
5つの証拠を一覧表で示します。
花見川河川争奪(河道逆行争奪)の5つの証拠
番号
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項目
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説明
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1
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水系パターン異常
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水系の方向が北に向かっており、印旛沼水系のパターンになっています。近隣の水系は全て印旛沼水系となっていて、それと対比して、花見川は異常であり、河道逆行争奪の証拠となります。
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2
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下総上位面を刻む浅い谷の存在
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花島の谷津や柏井の2つの谷津(前谷津、後谷津)の上流部に、下総上位面を刻む浅い谷が存在していて、それを東京湾水系の特徴である深い谷が切っています。河道逆行争奪の証拠となります。
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3
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印旛沼側に連続する河岸段丘の存在
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下総下位面(浅い谷)、古柏井川谷底が河岸段丘となり、花島-柏井付近から流域を越えて印旛沼水系側に連続分布しています。河道逆行争奪の有力な証拠です。
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4
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断層地形(小崖1)を花見川が切っている事実
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近隣水系の観察から、印旛沼水系は小崖1形成前に形成され変形していますが、花見川は小崖1を切っています。河道逆行争奪の一つの証拠です。
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5
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断層地形(小崖2)に起因する先行谷津を花見川が取り込んでいる事実
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小崖2に起因する先行谷津[*](古柏井川)を花見川水系が取り込んでいます。花見川が古柏井川河道を丸ごと争奪した証拠です。
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花見川河川争奪(河道逆行争奪)の5つの証拠
上記証拠の一つ一つを記事を改めて詳しく検討していきます。
つづく
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