覆土層タイプを軸に遺物、墨書土器、遺構の諸情報を分析すれば集落の特性が浮き彫りにできるのではないかと思案しています。
その第1歩として、各覆土層タイプの分布を把握してみました。
分布だけから結論的な情報が得られるわけではありませんが、まず分布を知ることが、今後の分析方法を決めていく上で重要であると考えます。
まず覆土層タイプの分布を考える土台としての情報として竪穴住居と掘立柱建物の分布を示します。
上谷遺跡 竪穴住居と掘立柱建物の分布
この分布図の上に自然堆積タイプをプロットしてみました。
上谷遺跡 竪穴住居 覆土層タイプ 自然堆積の分布
覆土層タイプの中では、自然堆積タイプの数が最も多く、基本となるタイプです。
現時点の見立てでは竪穴住居廃絶後祭祀がある時間(数十年?)行われた可能性が高い遺構です。
この分布概況を見ると、大局的に北端部で数が少なく、南西部で数が多くなる傾向を感じます。
竪穴住居全部を母数とした密度も同じように北端部で小さく、南西部で大きくのっているように感じます。
遺跡区域の中において、廃絶後祭祀が行われた(つまり故人に敬意を払った)竪穴住居跡が多い場所と少ない場所では、居住している家族の社会階層が違ってくる可能性があります。
このような思考がどの程度的確であるか、まだ判断できませんが、覆土層タイプの違いから、有益な情報を得られそうな予想をもつことは出来ます。
人為堆積タイプをプロットすると次のようになります。
上谷遺跡 竪穴住居 覆土層タイプ 人為堆積の分布
上に書いたように、現時点では人為堆積タイプ竪穴住居に、廃絶前に居住していた家族は集落の中での社会階層がワンランク低かったと想定しています。
この分布図と他の情報を重ね合わせて分析すると、有益な情報が得られると直観します。
自然堆積後人為堆積タイプと人為堆積後自然堆積タイプの分布を次に示します。
上谷遺跡 竪穴住居 覆土層タイプ 人為堆積後自然堆積の分布
それぞれ事情があって単純な自然堆積あるいは人為堆積にならなかったのだと思います。
なぜこのようなタイプが生まれるのか、検討を深めたいと思います。
それぞれ事情があって単純な自然堆積あるいは人為堆積にならなかったのだと思います。
なぜこのようなタイプが生まれるのか、検討を深めたいと思います。
同時に、分析を進める中で、覆土層4タイプ区分自体の的確性や、個別竪穴住居の区分当否についても検討することになるかもしれません。
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