Observation of 2 sets of 2-piece earthenware with a stand
Observe the deformed earthenware with a stand (Angyo 2 type)2-piece set 2 sets exhibited at the Rakugaku Jomonkan with a 3D model.
I enjoyed thinking about the meaning of the 2-piece set.
Imagine it as a wedding ritual.
八千代市立郷土博物館特別展「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」で展示されている異形台付土器(安行2式)2点セット2組の3Dモデルを作成して観察し、2点セットの意味などに関する思考を楽しみました。
1 異形台付土器(安行2式)2点セット2組 観察記録3Dモデル Deformed earthenware
異形台付土器(安行2式)2点セット2組 観察記録3Dモデル Deformed earthenware縄文時代後期
左2点:鎌ヶ谷市中沢貝塚
右2点:君津市三直貝塚
撮影場所:八千代市立郷土博物館特別展「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」
撮影月日:2021.11.18
展示の様子
ガラスショーケース越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 123 images
Deformed earthenware with a stand (Angyo 2 type) 2-piece set 2 sets Observation record 3D model
Late Jomon period
Left 2-piece set: Nakazawa shell mound, Kamagaya city
Right 2-piece set: Mino shell mound, Kimitsu city
Location: Yachiyo Municipal Folk Museum Special Exhibition "Rakugaku Jomonkan-Enjoy the Manabi of Jomon Pottery-"
Shooting date: 2021.11.18
Shooting through a glass showcase
Generated by 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.010 processing 123 images
3Dモデルの動画
2 メモ
2-1 観察
2-1-1 鎌ヶ谷市中沢貝塚
器形の全体形状、4点の突起、2つのラッパ状吸気口などはよく似ています。しかし、文様、透孔の形状配置が微妙に異なります。
2-1-2 君津市三直貝塚
器形の全体形状、文様、4点の突起、2つのラッパ状吸気口などはよく似ています。しかし、透孔の配置ば微妙に異なります。
2-2 2点1組で出土する異形台付土器の例
千葉市加曽利貝塚の異形台付土器2点1組出土例 加曽利B3式
祭祀が行われた大形住居から出土
形状、文様はほとんど同じであるが、大きさが微妙に異なります。
わたしは夫婦セットのような印象を持ちました。
佐倉市井野長割遺跡の異形台付土器2点1組出土例 加曽利B3式
「縄文時代の技と祈り」(1995、八千代市歴史民俗資料館)から引用
祭祀が行われた竪穴建物から出土
全体形状はよく似ていますが、大きさに大小があり、突起状の部分の形状が異なります。夫婦セットのような印象を受けます。
町田市広袴遺跡出土の異形台付土器2点1組出土例
「縄文時代の技と祈り」(1995、八千代市歴史民俗資料館)から引用
土器の形状や文様配置は似ていますが、高さと幅がことなり、文様も微妙に異なります。
2-3 異形台付土器が2点1組セットで出土する意義
展示異形土器2点セット2組および加曽利貝塚出土事例等から、異形台付土器が2点1組で出土する意義を次のように想像しました。
ア どの事例も完全に同じ形状や文様の土器ではなく、細部が微妙に異なる印象を受けるようになっています。類似の形状文様の中に意識して微妙に異なる細部要素を埋め込んでいます。
イ これらの土器から湯呑等の夫婦セットのような印象を受けました。
ウ アとイから異形台付土器2点1組は婚姻祭祀で使われた祭器であると想像します。縄文時代婚姻は異なる集団が新たな関係をもつ重要なイベントであり、集団間の社会経済的ネットワーク形成の重要な基礎を形成するものです。その重要な婚姻祭祀で、妻側と夫側の2集団を象徴する2つの異形台付土器から香りや覚醒作用を及ぼす煙が蒸散して式の雰囲気を醸成したのだと想像します。
2-4 異形台付土器の古と新の違い
加曽利貝塚、井野長割遺跡、広袴遺跡出土異形台付土器は加曽利B3式頃の古式といえる異形台付土器です。これらの土器はそれぞれ遺跡によって形状や文様に関して個性があります。また丁寧につくられている印象を受けます。
一方、展示されている鎌ヶ谷市中沢貝塚と君津市三直貝塚出土土器は安行2式頃の新式ともいえる異形台付土器です。これらの出土遺跡場所が東京湾の対岸ともいえるほど離れていますが、形状や文様がよく似ています。遺跡別の個性が感じられません。意匠から画一的な印象を受けます。また形状や文様は複雑で凝っていますが、古式のものとくらべると焼き方で丁寧さが感じられません。大量生産品のような印象を受けます。新式の異形台付土器は古式とくらべて普及品といえるような作り方があったと想像します。例えば社会の中にシャーマン情報共有ネットワークが根付いていて、そのネットワーク構成員が異形台付土器を専門につくって各所に供給していたということがあるのかもしれないと想像します。
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