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2021年12月4日土曜日

異形台付土器2点セットの観察 Deformed earthenware 2-piece set

 Observation of 2 sets of 2-piece earthenware with a stand


Observe the deformed earthenware with a stand (Angyo 2 type)2-piece set 2 sets exhibited at the Rakugaku Jomonkan with a 3D model. 

I enjoyed thinking about the meaning of the 2-piece set.

Imagine it as a wedding ritual.


八千代市立郷土博物館特別展「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」で展示されている異形台付土器(安行2式)2点セット2組の3Dモデルを作成して観察し、2点セットの意味などに関する思考を楽しみました。

1 異形台付土器(安行2式)2点セット2組 観察記録3Dモデル Deformed earthenware

異形台付土器(安行2式)2点セット2組 観察記録3Dモデル Deformed earthenware

縄文時代後期

左2点:鎌ヶ谷市中沢貝塚

右2点:君津市三直貝塚

撮影場所:八千代市立郷土博物館特別展「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」

撮影月日:2021.11.18


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 123 images

Deformed earthenware with a stand (Angyo 2 type) 2-piece set 2 sets Observation record 3D model

Late Jomon period

Left 2-piece set: Nakazawa shell mound, Kamagaya city

Right 2-piece set: Mino shell mound, Kimitsu city

Location: Yachiyo Municipal Folk Museum Special Exhibition "Rakugaku Jomonkan-Enjoy the Manabi of Jomon Pottery-"

Shooting date: 2021.11.18

Shooting through a glass showcase

Generated by 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.010 processing 123 images


3Dモデルの動画

2 メモ

2-1 観察

2-1-1 鎌ヶ谷市中沢貝塚

器形の全体形状、4点の突起、2つのラッパ状吸気口などはよく似ています。しかし、文様、透孔の形状配置が微妙に異なります。

2-1-2 君津市三直貝塚

器形の全体形状、文様、4点の突起、2つのラッパ状吸気口などはよく似ています。しかし、透孔の配置ば微妙に異なります。

2-2 2点1組で出土する異形台付土器の例


千葉市加曽利貝塚の異形台付土器2点1組出土例 加曽利B3式

祭祀が行われた大形住居から出土

形状、文様はほとんど同じであるが、大きさが微妙に異なります。

わたしは夫婦セットのような印象を持ちました。


佐倉市井野長割遺跡の異形台付土器2点1組出土例 加曽利B3式

「縄文時代の技と祈り」(1995、八千代市歴史民俗資料館)から引用

祭祀が行われた竪穴建物から出土

全体形状はよく似ていますが、大きさに大小があり、突起状の部分の形状が異なります。夫婦セットのような印象を受けます。


町田市広袴遺跡出土の異形台付土器2点1組出土例

「縄文時代の技と祈り」(1995、八千代市歴史民俗資料館)から引用

土器の形状や文様配置は似ていますが、高さと幅がことなり、文様も微妙に異なります。

2-3 異形台付土器が2点1組セットで出土する意義

展示異形土器2点セット2組および加曽利貝塚出土事例等から、異形台付土器が2点1組で出土する意義を次のように想像しました。

ア どの事例も完全に同じ形状や文様の土器ではなく、細部が微妙に異なる印象を受けるようになっています。類似の形状文様の中に意識して微妙に異なる細部要素を埋め込んでいます。

イ これらの土器から湯呑等の夫婦セットのような印象を受けました。

ウ アとイから異形台付土器2点1組は婚姻祭祀で使われた祭器であると想像します。縄文時代婚姻は異なる集団が新たな関係をもつ重要なイベントであり、集団間の社会経済的ネットワーク形成の重要な基礎を形成するものです。その重要な婚姻祭祀で、妻側と夫側の2集団を象徴する2つの異形台付土器から香りや覚醒作用を及ぼす煙が蒸散して式の雰囲気を醸成したのだと想像します。

2-4 異形台付土器の古と新の違い

加曽利貝塚、井野長割遺跡、広袴遺跡出土異形台付土器は加曽利B3式頃の古式といえる異形台付土器です。これらの土器はそれぞれ遺跡によって形状や文様に関して個性があります。また丁寧につくられている印象を受けます。

一方、展示されている鎌ヶ谷市中沢貝塚と君津市三直貝塚出土土器は安行2式頃の新式ともいえる異形台付土器です。これらの出土遺跡場所が東京湾の対岸ともいえるほど離れていますが、形状や文様がよく似ています。遺跡別の個性が感じられません。意匠から画一的な印象を受けます。また形状や文様は複雑で凝っていますが、古式のものとくらべると焼き方で丁寧さが感じられません。大量生産品のような印象を受けます。新式の異形台付土器は古式とくらべて普及品といえるような作り方があったと想像します。例えば社会の中にシャーマン情報共有ネットワークが根付いていて、そのネットワーク構成員が異形台付土器を専門につくって各所に供給していたということがあるのかもしれないと想像します。

2021年12月3日金曜日

異形台付土器の観察 Deformed earthenware with a stand

 Observation of deformed earthenware with a stand


Observe the deformed earthenware with a stand (Kasori B3 type) (Sakura City Miyauchi Idosaku site) exhibited at the Rakugaku Jomonkan with a 3D model. I enjoyed delusions and imaginations about the origin and function of the vessel. This pottery is a miniature of an existing "device", and it is a super delusion that it has a scent and arousal component evaporation function.


八千代市立郷土博物館特別展「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」で展示されている異形台付土器(加曽利B3式)(佐倉市宮内井戸作遺跡)の3Dモデルを作成して観察し、その用途について想像を楽しみました。

1 異形台付土器(加曽利B3式)(佐倉市宮内井戸作遺跡) 観察記録3Dモデル Deformed earthenware with a stand

異形台付土器(加曽利B3式)(佐倉市宮内井戸作遺跡) 観察記録3Dモデル Deformed earthenware with a stand

縄文時代後期

撮影場所:八千代市立郷土博物館特別展「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」

撮影月日:2021.11.18


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 253 images

Deformed earthenware with a stand (Kasori B3 type) (Sakura City Miyauchi Idosaku Site) Observation record 3D model

Late Jomon period

Location: Yachiyo Municipal Folk Museum Special Exhibition "Rakugaku Jomonkan-Enjoying Jomon Pottery Manabi-"

Shooting date: 2021.11.18

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.010 processing 253 images


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる6面図

GigaMesh Software Frameworkで3Dモデルの6面図を作成しました。


6面図 GigaMesh Software Frameworkにより作成

3 メモ

3-1 展示説明

らくがく縄文館の展示パネルでは異形台付土器について次のように説明しています。

「異形台付土器は、筒形の口縁部と、袖が左右に付いたような胴部からなる器に台が付く器形で、胴部には単数または複数の注口状の突起が付きます。機能・用途が特定できない独創的なフォルムをした器種の代表格です。後期中葉加曽利B2式から後葉安行2式の間で変遷します。

異形台付土器は、千葉市加曽利貝塚、佐倉市井野長割遺跡などで、大小2個体が遺構内に意図的に置かれたり、焼土や灰などを伴ったりという、出土状況に特殊性が認められる例があります。また、鎌ヶ谷市中沢貝塚、君津市三直貝塚では、型式学的な特徴や大きさがとてもよく似た2個体がセットで出土する例もあります。これらの状況から類推すれば、儀礼的行為に用いられた祭器である可能性が考えられます。

時期が新しくなるにつれて、器部には透孔が目立つようになることから、液体を伴う容器としての機能は果たせないと考えられ、例えば燻煙を伴う香炉などの用途が想定されます。」


らくがく縄文館展示パネル

3-2 器形起源妄想

器形起源を次のように妄想します。


異形台付土器の器形起源に関する妄想

もともと器台・土器・草で構成される「装置」が実在していて、祭祀において使われていたと想像します。その「装置」の形状をミニチュアとして表現し、同時にその機能を実現した異形台付土器が発明されたのだと考えます。その発明に伴いそれまで存在していた器台が消滅したと考えます。


参考 器台 (加曽利EⅣ式器台 千葉市広ヶ作遺跡出土)

3-3 機能想像

異形台付土器機能を次のように想像します。


異形台付土器の機能に関する想像

異形台付土器を熾火のある炉に置き、土器自体を熱します。土器内部には香草や大麻をいれて燻して香りや覚醒成分を蒸散させたと想像します。土器には蒸散促進のための吸気口が設けられています。


2020年7月28日火曜日

君津市三直貝塚出土の異形台付土器等5点の3Dモデル作成

縄文土器学習 439

加曽利貝塚博物館のミニ企画展示「県内縄文遺跡展」(-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編)で展示されている異形台付土器等5点の3Dモデルを作成して楽しみました。

1 異形台付土器2と3(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル

異形台付土器2と3(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル
縄文時代後晩期(安行2式~安行3a式)
右2、左3
2と3はともにSI-004Bから出土しました。
千葉県教育委員会所蔵
撮影場所:加曽利貝塚博物館 ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編
撮影月日:2020.07.21
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.002 processing 46 images

展示の様子

特殊モード写真

ペアで出土している様子は異形台付土器によくある現象です。

2 安行3a式異形台付土器4(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル

安行3a式異形台付土器4(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル
千葉県教育委員会所蔵
撮影場所:加曽利貝塚博物館 ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編
撮影月日:2020.07.21
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.002 processing 61 images

展示の様子

特殊モード写真

3 縄文時代晩期異形台付土器5(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル

縄文時代晩期異形台付土器5(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル
台部欠損
千葉県教育委員会所蔵
撮影場所:加曽利貝塚博物館 ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編
撮影月日:2020.07.21
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.002 processing 53 images

展示の様子

特殊モード写真

4 人面付器状土製品6(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル

人面付器状土製品6(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル
縄文時代後~晩期
千葉県教育委員会所蔵
撮影場所:加曽利貝塚博物館 ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編
撮影月日:2020.07.21
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.002 processing 67 images

展示の様子

特殊モード写真

目より鼻の方が上になる様子などミミズク土偶によく似た顔つきです。

2020年7月27日月曜日

交易用特産品麻ロープについて

縄文社会消長分析学習 42

2020.07.24記事「有孔円板形土製品の感想」等で、君津市三直貝塚出土有孔円板形土製品(加曽利貝塚博物館展示では「土版」表示)が麻ロープ製品をつくる装置の一部であることを学習しました。そして、2020.07.27記事「異形台付土器の展開写真作成と考察・学習仮説」で同じく君津市三直貝塚出土異形台付土器が大麻吸引装置のフィギュアであることを学習仮説しました。

この二つの思考が大麻栽培という活動で結び付いていることに遅ればせながら気が付きました。

大麻栽培で関係する?

三直貝塚で大麻が栽培され、葉は乾燥の後に祭祀で吸引される。残った茎は麻ロープ製品作成の素材として活用する活動が遺物出土から推測されます。

有孔円板形土製品は漁網や釣り用の高品質麻ロープ生産と関係あると学習しましたが、その根拠はあくまでも民俗資料からの推測です。漁網や釣り糸用という用途にあまりこだわらない方が良い思います。高品質麻ロープは祭具としての製品になって交易に使われたと考えることも必要であると考えます。

縄文後晩期の人々は、高品質麻ロープで漁網や釣り糸をつくりそれで漁業生産性を向上させたという現代社会風の解釈が必ずしも正しいとは思えません。むしろ、高品質麻ロープをしめ縄、幣束、イナウ飾り結び用ロープなどに使った可能性が高いように感じます。現代社会に伝わる神事用品に麻を使うものが数多くあります。現代日本庭園の竹柵などの飾り結びも黒色の麻縄です。
日常生活に使う品よりはるかに高品質の品を用意して、それを祭祀に使う。それが縄文社会であったような気がします。同じ石斧でもすべてが実用品ではなく、特別優良品は祭祀用にのみ使い、普段は普及品を使っていたといわれています。

さらに余分な思考をつけ加えるとすると、交易用特産品とはそれが食料品であっても日常用品であっても、煎じ詰めると祭祀に必要な品に深く関連するものだったに違いないと考えます。
例えば、海岸で作られた干し貝や石焼鯨(イルカ干し肉)は内陸でのお供えものとして必須であり、最後は珍味として食されるのですが、その意義は神様への「お供え物」だったと想像します。

交易用特産品とはつまり祭祀に必要な品々であり、一言でいうと贅沢品・奢侈品であり、人々の食糧事情や生活環境を順次改善する現代貿易のような意義は弱かったのではないかと想像します。

縄文後晩期社会の特性イメージが自分なりに少しずつ浮かび上がってきました。

異形台付土器(君津市三直貝塚)の観察

縄文土器学習 437

加曽利貝塚博物館で開催中の「ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編」で展示されている加曽利B1式異形台付土器1を3Dモデルを作成して観察しました。

1 加曽利B式異形台付土器1(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル

加曽利B式異形台付土器1(君津市三直貝塚) 観察記録3Dモデル
千葉県教育委員会所蔵
撮影場所:加曽利貝塚博物館 ミニ企画展示「県内縄文遺跡展」-千葉県の縄文時代研究を彩った遺跡たち- 君津市三直貝塚編
撮影月日:2020.07.21
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.002 processing 62 images

展示の様子
赤彩の跡が明瞭に観察できます。

特殊モード写真

動画

2 メモ
ア 復元方法について
復元部分に赤い色を混ぜているのは好ましい復元方法ではないと思います。復元していない部分のかすかな残存赤彩の観察が困難になります。

イ 加曽利貝塚出土異形台付土器との比較

加曽利B3式異形台付土器A(千葉市加曽利貝塚) 観察記録3Dモデル
撮影場所:加曽利貝塚博物館
撮影月日:2019.12.27
許可:加曽利貝塚博物館の許可による全周多視点撮影及び3Dモデル公表
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 81 images
2020.05.27記事「加曽利貝塚出土異形台付土器の観察と検討

三直貝塚出土の異形台付土器1は加曽利貝塚出土のものと比べると、全体の器形、模様はかなり似ています。細部では次の2点が異なります。
・土器口唇部に小突起装飾が4単位ある。(加曽利貝塚分にはない。)
・中段ふくらみ部の丸孔と丸孔の間に小さな装飾突起がある。(加曽利貝塚分にはない。)

今後加曽利貝塚出土分と三直貝塚出土分を同じ3D空間で縮尺を正確に合わせて並べた3Dモデル資料を作成してみることにします。異なる遺跡の遺物を並べることにより、より直観的観察が、かつより正確な対比・測定観察ができるようになることを期待します。その3Dモデルには3次元スケールも添えたいと思います。(Blenderで作成可能であると直感します。)

……………………………………………………………………
この遺物に関する発掘調査報告書記述に関する考察、及びGigaMesh Software Frameworkによる展開写真とその分析は別記事で行います。



2020年4月12日日曜日

異形台付土器学習のとりまとめ

縄文土器学習 397

加曽利貝塚特殊遺構(112号住居跡)から出土した大小ペア異形台付土器(夫婦土器)の学習を続けてきました。この記事ではこの学習(観察と考察)を締めくくります。
引き続き考察したいことがらは沢山あります。しかし気が付くと、さらにさまざまな情報を新たに入手する必要を痛感し、このままでは際限のない学習活動になりそうです。そこで、この記事で今後の学習方向をメモして、いったん異形台付土器の観察と考察を区切ります。

1 これまでの記事一覧
2020.03.27記事「加曽利貝塚出土異形台付土器の観察と検討
加曽利B3式異形台付土器Aの3Dモデルとアニメ掲載
2020.03.28記事「異形台付土器の上部切除モデルによる観察
加曽利B3式異形台付土器Aの上部切除3Dモデルとアニメ掲載
2020.03.29記事「加曽利B3式異形台付土器B(千葉市加曽利貝塚)の観察
加曽利B3式異形台付土器Bの3Dモデルとアニメ掲載
2020.03.30記事「異形台付土器(加曽利貝塚)2点の報告書記述
2020.03.31記事「異形台付土器の計測と比較
2020.04.04記事「異形台付土器が大小ペアで出土した意義
この記事で「夫婦(めおと)土器」という概念を提案しました。
2020.04.06記事「大小ペア異形台付土器(夫婦土器)を女性が作った意義
2020.04.08記事「大小ペア異形台付土器出土遺構のゾーニング
2020.04.09記事「加曽利貝塚における女性シャーマン存在仮説
2020.04.10記事「加曽利貝塚以外における大小ペア異形台付土器出土例

加曽利B3式異形台付土器A(千葉市加曽利貝塚)の撮影風景

加曽利B3式異形台付土器B(千葉市加曽利貝塚)の撮影風景

2 異形台付土器に関する今後の学習について
ア 異形台付土器が器台の機能代替器種であるのかどうか確かめます。
器台→異形台付土器という機能代替が行われたと考えられる場合、器台と異形台付土器のそれぞれについて時期による器形変化などについて学習します。
イ 異形台付土器が煙発生機能という実用機能を備えていたのか、イコンという精神的機能だけだったのか確かめます。
大麻に関する突っ込んだ学習をスタートさせます。
ウ 異形台付土器がどのような祭祀で使われたのか考察を深めます。
「祭祀」という一般論でなく、祭祀の具体的内容を考察します。考古学の限界を超えるために人類学などの知識学習も行います。
異形台付土器だけの考察ではなく、石棒やその他の祭具といっしよに祭祀を総合的に学習します。
エ 縄文社会消長分析学習の一環として学習します。
オ 学術論文も渉猟して最新知識を踏まえて学習します。

3 謝辞
加曽利貝塚から出土した貴重な遺物であり、常設展で展示している異形台付土器2点の撮影と3Dモデル公表を加曽利貝塚博物館から許可していただきました。貴重で特別な学習機会を得ることができた一市民として加曽利貝塚博物館に心から感謝申し上げます。

2020年4月4日土曜日

異形台付土器が大小ペアで出土した意義

縄文土器学習 392

加曽利貝塚の(特殊遺構と呼ばれる)大型住居から異形台付土器が大小ペアで出土した意義について思考します。思考といっても根拠がほぼない想像です。想像をメモして記事にするということは、赤恥リスクを覚悟してでも、より確からしさに近づきたいという気持ちが強いからです。

1 大小ペアで出土した異形台付土器

大小ペアで出土した加曽利B3式異形台付土器(加曽利貝塚)
加曽利貝塚博物館展示の様子

「特殊遺構の床面附近における遺物の出土状況は、その南西部と東北部とではかなり異なっており、おもに南西部に集中している傾向があった。とくに、石棒と異形台付土器および玉類などの特殊遺物は、この南西部の外周の柱穴列と周壁との間からおもに発見されている。」加曽利貝塚博物館紀要8から引用

2 大小ペアで出土した土器の例
2-1 五領ヶ台式土器(八千代市上谷遺跡)

大小ペアで出土した五領ヶ台式土器(八千代市上谷遺跡)
八千代市郷土資料館展示の様子

出土の様子 八千代市郷土博物館展示から引用

説明 八千代市郷土博物館展示から引用
大小ペア土器は墓と推定される土坑から出土しています。
2019.05.12記事「五領ヶ台式土器 上谷遺跡

2-2  縄文中期深鉢形土器(茅野市下ノ原遺跡)

大小ペアで出土した縄文中期深鉢形土器(茅野市下ノ原遺跡)
尖石縄文考古館展示の様子

説明 尖石縄文考古館展示から引用
大小土器が隣り合って出土しています。
2019.12.20記事「2点並んで出土した縄文中期深鉢形土器(茅野市下ノ原遺跡) 観察記録3Dモデル

3 異形台付土器が大小ペアで出土した意義
ア 夫婦(めおと)土器 夫婦茶碗からの連想
大小2つの茶碗で大は夫用、小は妻用のセットを夫婦(めおと)茶碗といいます。夫婦茶碗の起源や由来はまだ十分に調べていませんが、西欧にはないものだそうです。
根拠を提示できませんが、夫婦茶碗と同じように、大小ペアで出土した異形台付土器や各地の土器は夫婦(男女)がそれぞれ使うモノであると考えます。
大は夫(男)用、小は妻(女)用と考えます。
異形台付土器と上谷遺跡出土土器は大と比べて小が小太りに造形されていて、大人と子どものような意味での大小関係ではなく、おそらく縄文人夫婦の一般的体形に根拠を置く夫婦(めおと)土器であると直観します。
下ノ原遺跡出土土器の小土器にはビー玉のような球体が各所にみられ、それが出産風景(産道に表れた胎児の頭)を暗示する模様であると考えられることから、小土器を妻(女)に対応させることに抵抗はありません。このペア土器も夫婦(めおと)土器であると考えます。

イ 祭祀の道具としての夫婦(めおと)土器
異形台付土器は祭祀の場であったと考えられる特殊遺構の舞台横の機材ルームのような場所から出土しています。この出土状況から異形台付土器はその異様な形状もあいまって祭祀道具と考えることができます。
上谷遺跡土器は墓から副葬品として出土しています。大小土器が埋納されたときは弔い祭祀の道具として意義があったものと考えられます。
下ノ原遺跡土器は大小土器がきれいに並んで出土しています。竪穴住居内で行われた祭祀の道具であったという想像を頭から否定することはできません。
これらの様子から大小ペア土器は祭祀道具であると考えられます。

ウ 夫婦(男女)関係が特別意識されるが祭祀道具としての夫婦(めおと)土器
アとイから夫婦(めおと)土器とは夫婦(男女)関係が特別意識される祭祀の道具であると考えます。
例えば婚礼は夫が妻方集落の労働力になる、あるいは妻が夫方集落の労働力になるなどの異なる集落間の労働力移動を意味します。したがって婚礼とは集落間の重要な関係づくりになります。夫(男)の背後にはA集落が控えています。妻(女)の背後にはB集落が控えています。つまり婚礼とはA集落とB集落の新たな関係作りであり一種の契約が結ばれることになります。
その婚礼儀式では夫(男)あるいは夫側集落代表が大きな異形台付土器を使い契約を結ぶ言葉を述べたり、所作を行ったと想像します。妻(女)あるいは妻側集落代表が小さな異形台付土器を使い契約を結ぶ言葉を述べたり、所作を行ったと想像します。
婚礼の祝宴やそれに伴う踊りや歌は野外で行ったと思います。
婚礼儀式の最も重要な契約は住居内で夫婦(めおと)土器を使って関係者だけで荘厳に行われたと想像します。

婚礼だけでなく葬儀や先祖との交流も埋葬や再葬など野外で行われる踊りや歌などを伴う活動と、住居内で行われる死者と話し合う交流祭祀に分かれていたと想像します。
住居内で行われる死者との交流祭祀では死者の夫側関係者が大きな異形台付土器を使って死者と話しを行い、妻側関係者が小さな異形台付土器を使って話したと想像します。

ペア深鉢形土器も婚礼や葬祭で夫側が妻側親族に食べ物を、逆に妻側が夫側親族に食べ物を(おそらく象徴的に)提供する道具だったと想像します。

上谷遺跡では葬儀でそのように使われた祭祀道具が最後には墓に埋納されたものと想像します。

夫婦(めおと)土器は夫婦関係が特別に意識される祭祀、つまり夫婦の出身集落が特別意識される祭祀で、室内で行うことがふさわしい契約的祭祀や死者との交流祭祀で使われた汎用祭祀道具であると想像します。

2020年3月30日月曜日

異形台付土器(加曽利貝塚)2点の報告書記述

縄文土器学習 390

このブログでは現在加曽利貝塚博物館常設展に展示されている加曽利B3式異形台付土器(千葉市加曽利貝塚)2点の観察と考察を行っています。
この記事では異形台付土器出土遺構や出土状況について「史跡加曽利貝塚総括報告書」(2017、千葉市教育委員会)等の記述を抜き書きして学習します。

1 加曽利B3式異形台付土器(千葉市加曽利貝塚)2点の出土遺構
異形台付土器は貝塚南東傾斜面から検出された大型竪穴遺構である112号竪穴住居から出土しています。

112号竪穴住居の位置
「千葉県の歴史 資料編考古1(旧石器時代・縄文時代)」から引用

112号竪穴住居
史跡加曽利貝塚総括報告書」(2017、千葉市教育委員会)から引用
「ほぼ南北に長軸を持つ約19m×16m程の楕円形を呈すると見られる竪穴住居跡である。
地形の傾斜のため北から東にかけての壁は確認されなかったが、遺存状態の良い南西端では70cm以上の壁高がある。
壁に沿ってやや内側に、直径20~30cm、深さ10~40cm程度の小規模なピット(P111 ~192)が列をなし一部は複合して溝状となるが、壁が残っていない範囲では
検出されていない。従って、P192付近より北及び東側では、ハードローム層より上位の上層中に床面があったと考えて良い。」史跡加曽利貝塚総括報告書」(2017、千葉市教育委員会)から引用

112号竪穴住居 発掘時写真
「千葉県の歴史」から引用

2 加曽利B3式異形台付土器(千葉市加曽利貝塚)2点の出土状況
「特殊遺構の床面附近における遺物の出土状況は、その南西部と東北部とではかなり異なっており、おもに南西部に集中している傾向があった。とくに、石棒と異形台付土器および玉類などの特殊遺物は、この南西部の外周の柱穴列と周壁との間からおもに発見されている。」

異形台付土器
史跡加曽利貝塚総括報告書」(2017、千葉市教育委員会)から引用
「64・65は床面直上から出土したとされる異形台付土器で、64は「横に倒れた状態でほぼ原型のまま出土した」とされたもの、65 は「成立の状態で置かれた本土器が、ちょうど上部からの土圧で押しつぶされたような状態を示していた」とされたものである。
体部の注口状突起を正面に見た場合、一見すると同一の装飾と誤解しかねないふたつの士器は、同一文様を用いずに非常によく似た印象を与えるように製作されている。口縁部と台部を装飾する帯縄文は、64では上下を沈線で区画して端部に狭い無文部を持つのに対し、65 には端部側の沈線がない。
互連弧充填縄文ふたつで装飾する体部では、64は左右、65は上下に向き合うように配置している。
体部と口頸部・台部との区分は、64は隆帯状となる二本の沈線間に工具の側面を押し付けた刻み目を施すのに対し、65は一本の沈線のみである。
注口状突起の装飾は、64は円管状工具の先端による刺突文であるのに対し、65は縄文を施文する。
それぞれに施文する縄文原体は、64はRL、65 はLRである。
なお、『紀要8』では、「丹彩の痕跡」が64の体部と台部に認められ、65にはないとされている。現状肉眼では、64の注口状突起の刺突文内に赤彩を認めるが、65が赤彩されていなかったという判断は困難である。
64の器高21.6 cm、65は19.2 cmである。」史跡加曽利貝塚総括報告書」(2017、千葉市教育委員会)から引用

参考 石棒
「紀要8」から引用

3 感想
・異形台付土器は特殊遺構と称せられる大型竪穴住居から石棒等の祭祀にかかわる遺物とともに出土しています。
・出土場所が外周の柱穴列と周壁との間ですから、現代風にいえば催し物ホールの正面舞台の横にある機材ルームのような場所に異形台付土器が置いてあったとでも形容できると思います。112号竪穴住居が集落の祭祀や催しを行う会場であり、そこで異形台付土器2点を使った祭祀や石棒を使った祭祀等が執り行われていたと想像します。
・異形台付土器や石棒が出土した遺構南西部は壁高が70センチ近くあり、その前の空間がこの竪穴住居の「上座(舞台)」だったと想定できます。
・加曽利B3式期の112号竪穴住居では冠婚葬祭や無病息災祈願、生業発展祈願、あるいは広域交流など多彩な行事が執り行われたと思います。その中のイベント(祭祀)で異形台付土器が使われたと想定します。
・どのようなイベント(祭祀)で異形台付土器が使われたのか、引き続き思考してみたいとおもいます。
・石棒は男性(主導)型イベント(祭祀)、異形台付土器は女性(主導)型イベント(祭祀)に関わるかもしれないと、現状ではあまり根拠のない空想をしつつ次の検討に進みます。

2020年3月28日土曜日

異形台付土器の上部切除モデルによる観察

縄文土器学習 388

加曽利B3式異形台付土器(千葉市加曽利貝塚)Aの観察を行っています。
この記事では上部切除モデルによる観察、文様浮彫展開写真による観察を行います。

1 参考 加曽利B3式異形台付土器A(千葉市加曽利貝塚)上部切除3Dモデル
次画像の赤色部分を切除して3Dモデルを作成しました。

切除部分

参考 加曽利B3式異形台付土器A(千葉市加曽利貝塚)上部切除3Dモデル 
撮影場所:加曽利貝塚博物館 
撮影月日:2019.12.27 
許可:加曽利貝塚博物館の許可による全周多視点撮影及び3Dモデル公表 
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 81 images

上部切除モデルのアニメ

土器上部を切除することにより、土器内部構造の様子や中部の様子をより詳しく観察することができます。

2 文様浮彫展開写真
GigaMesh Software Frameworkを活用して加曽利B3式異形台付土器A(千葉市加曽利貝塚)の文様浮彫展開写真を作成しました。

GigaMesh Software Frameworkに土器をセットした様子

加曽利B3式異形台付土器A(千葉市加曽利貝塚)文様浮彫展開写真 土器表面(外面)

加曽利B3式異形台付土器A(千葉市加曽利貝塚)文様浮彫展開写真 土器内面
土器内部に視点をおいた場合の展開写真です。

3 観察と感想
3-1 土器上部
・土器上部(切除モデルで切除した部分)は口縁部平滑な一般土器の形をしています。口縁部に縄文があり、口唇部も表現されています。
・ただし、内面をみると土器の底がありません。

斜め上からみた加曽利B3式異形台付土器A

3-2 土器中部
・断面形状が三角の円環状の形状をしていて、二つの小環が口を開けています。
・小環は中空となっています。(3Dモデルでは中空には表現できていません。)

2つの小環が中空となっている様子
・2つの小環は少しだけ斜め上を向いて口を開けています。
・小環と小環の中間部が少し出っ張り、その部分にたすき掛け状に縄文が施されています。

たすき掛け状に施された縄文

3-3 土器下部

土器下部の様子
・土器下部と土器中部の内面に壁があります。
・土器下部は口縁部平滑な一般土器を裏返して置いたような形状をしています。
・模様も口縁部に縄文があるようなイメージを受けます。

3-4 感想
・土器上部は底抜けの一般土器を、土器下部は底のついている一般土器を、土器中部は草木などを紐で縛って、そこに中空の環を差し込んだような印象を受けます。そのような3つの構成物からなる装置のフィギュアがこの土器であるとの推測をします。

詳しい検討をさらに進めることにします。

2019年12月7日土曜日

縄文後期異形台付土器(野田貝塚)3Dモデル

縄文土器学習 279

野田市郷土博物館所蔵縄文後期異形台付土器(野田貝塚)の観察記録3Dモデルを作成しました。

縄文後期異形台付土器(野田貝塚) 観察記録3Dモデル
撮影場所:野田市郷土博物館
撮影月日:2019.09.09
撮影及び掲載は野田市郷土博物館の許可による
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 69 images
野田市郷土博物館HP説明文引用
「サイズ : 口径95、底径80、高125」
「野田貝塚(野田市清水)から出土した異形台付土器。縄文時代後期のもの。算盤玉の形に似た胴部には横を向いた孔の突出部がついており、胴部及び台部に透かし穴も入っている。明らかに容器としての機能を持たず、まつりなど非日常的な用途に使われたものだろうと考えられている。香炉のようなものを想定する説もある。」

撮影写真の1例
野田市郷土博物館所蔵

上から
野田市郷土博物館所蔵

横から
野田市郷土博物館所蔵
1対のラッパ状開口部の様子

下から
野田市郷土博物館所蔵

感想
・異形台付土器は2つの土器の底を合わせて、その接合部に草を巻いて縛って作成した煙発生吸引装置の模型(フィギュア)であると空想的に仮説しています。
・煙とは大麻の煙であると空想しています。
・つまり異形台付土器とは実際に大麻の煙を発生させることなく、大麻煙を吸引した時と同じ効果をもたらす縄文人発明の祭具(イコン)であると考えます。
2019.03.27記事「器台「大麻炙り台」仮説に関連する超空想」参照

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参考 カメラ配置の様子



2019年7月3日水曜日

堀之内式土器 観察記録3Dモデル その3

縄文土器学習 173

2019.07.03記事「堀之内式土器 観察記録3Dモデル その2」のつづきです。

市立市川考古博物館の堀之内式土器展示コーナー以外の場所に異形台付土器が舟形土器、注口土器やその他多くの品と一緒に展示されていました。

展示の状況全体を観察記録3Dモデルにしましたので掲載します。

異形台付土器等の展示 市立市川考古博物館 観察記録3Dモデル
撮影場所:市立市川考古博物館
撮影月日:2019.05.24
ガラス面越し撮影。

異形台付土器等の展示 市立市川考古博物館
撮影場所:市立市川考古博物館

2019年6月7日金曜日

加曽利B3式異形台付土器 加曽利貝塚出土 観察記録3Dモデル

縄文土器学習 149

縄文土器を形式別に学習しています。
加曽利B3式土器について加曽利貝塚博物館展示土器を素材に学習します。
この記事では加曽利貝塚から出土した加曽利B3式異形台付土器の観察記録3Dモデルを作成しましたので掲載します。

加曽利B3式異形台付土器 加曽利貝塚出土 観察記録3Dモデル
撮影場所:加曽利貝塚博物館
撮影月日:2019.05.16
ガラス越し撮影
参考 左は加曽利B3式浅鉢、右は加曽利B3式深鉢
異形台付土器、浅鉢、深鉢ともに112号住居跡から出土。

異形台付土器 展示の様子

異形台付土器の機能について、自分は「大麻蒸気発生吸引装置のフィギュア(イコン)」仮説を考えています。その真偽は今後検討を深めることにします。
2019.03.27記事「器台「大麻炙り台」仮説に関連する超空想

異形台付土器に関して次の記事をかいたこともあります。
2019.04.06記事「異形台付土器の資料

メモ1
加曽利B2式期が社会のピークでその後加曽利B3式期には社会が凋落傾向にあるのではないかと想像しています。そのような落ち目の時期に異形台付土器が果たす役割が増大したと想像します。

メモ2
「大麻蒸気発生吸引装置のフィギュア(イコン)」仮説が正しければ、実際の大麻吸引を伴わなくても、イコンの力で死人と話したり、病気を治癒したり、人を奮い立たせることが出来たことになります。「言霊」と同じ力を異形台付土器が持っていたと考えることができます。


2019年4月6日土曜日

異形台付土器の資料

縄文土器学習 85

八千代市立郷土博物館を訪問した際、過去の企画展パンフレットを販売していて、その中に異形台付土器企画展パンフレットがあり、興味が刺激されたので入手しました。

八千代市立郷土博物館で入手した資料
1995年企画展ですから24年前になります。20点以上の異形台付土器を展示したことが記録されています。

私は異形台付土器は前代における器台の特殊機能を引き継いだ新時代の(原理を異にする)特殊機能土器であると仮説(空想)していますので興味を持っています。
2019.03.27記事「器台「大麻炙り台」仮説に関連する超空想

パンフレットには多数の異形台付土器写真が掲載されていますので、自分にとって大変貴重な資料です。

パンフレットに掲載されている異形台付土器写真

パンフレットでは異形台付土器は「容器としての非実用性」と「継承されることもありうる」土器であることや出土状況から祭祀に使われた土器であると説明されています。

なお、「継承されることもありうる」根拠は佐倉市井野長割遺跡出土の2点の異形台付土器の形状が少し異なり、これが時間差を表す証拠であり、その2点が一緒に出土していることに求めています。
この説明は4半世紀前の説明であり、現在の専門家見解は2点の形状相違は時間差を表現するものではなく別の対象を表象している2種セットの土器であるとしているようです。
2つ同時出土は井野長割遺跡の他、広袴遺跡、加曽利貝塚、下ヶ戸宮前遺跡で見られます。祇園原貝塚では3つがセットになっています。
私は2つセットは夫婦(男女)を表現し、3つセットは家族(夫婦と子供)を表現し、各々死んだ親族と話す時に使われた祭具であると空想しています。

パンフレットには異形台付土器の分布図も掲載されています。

異形台付土器分布図 東日本

異形台付土器分布図 千葉県