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2026年2月26日木曜日

人面付土版(印西市馬場遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Model of Observation Records of the Clay Tablet with a Human Face (Baba Site, Inzai City)


I enjoyed creating a 3D model of the observation records of the clay tablet with a human face (Baba Site, Inzai City), which is on display at the Chiba City Archaeological Research Center's special exhibition "The Mysterious Late Jomon Period."

The exhibit explains that the clay tablet shares similarities with the Bundo-gata clay figurine in that it is a clay object depicting a face, and that there may have been a connection between the two.


千葉市埋蔵文化財調査センターで開催中の特別展「謎多き縄文晩期」で展示されている人面付土版(印西市馬場遺跡)の観察記録3Dモデルをつくり楽しみました。

展示では、顔を表現する土製品という意味で分銅形土偶と共通し、関連があった可能性が説明されています。

1 人面付土版(印西市馬場遺跡)観察記録3Dモデル

人面付土版(印西市馬場遺跡)観察記録3Dモデル

241号土坑出土の祭祀具

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 令和7年度特別展「謎多き縄文晩期」

撮影月日:2026.02.12


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v8.038で生成 processing 84 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像(テクスチャ有り)


3Dモデルの画像(テクスチャ無し)


3Dモデルの画像(テクスチャ有りと無しのハードライトミックス)

2 メモ

・展示では、顔を表現する土製品という意味で分銅形土偶と共通し、関連があった可能性が説明されています。

・中央部渦巻き様の文様の上の窪みが口になるのでしょうか。

・中央部渦巻き様の文様はいろいろな遺物で見かけます。左右から伸びる手が握手してるような印象を受けます。両家のめでたい姻戚関係成立(婚姻成立)を祝う文様であると勝手に想像しています。


2024年9月5日木曜日

人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル

 Clay tablet with human face (Uchino No. 1 Site, Chiba City) Observation record 3D model


I created a 3D model of the observation record of the clay tablet with human face (Uchino No. 1 Site, Chiba City) exhibited at the Kasori Shell Mound Museum special exhibition "Faces of Clay Figurines from the Jomon Period." Based on the principles of cognitive archaeology, I believe that this human face expresses cuteness and youth. From the pattern of two strings tied together on the back, I imagined that this clay tablet was a marriage prayer tool for women to hold in their hands.


加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」に展示されている人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。認知考古学原理からこの人面はかわいらしさ、幼さを表現していると考えます。裏面の2つの紐が結ばれる文様から、この土版は手で握る女性用結婚祈願具と想像しました。

1 人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル

人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」

撮影月日:2024.08.27


展示の様子

ガラス面越し撮影

3DF Zephyr v7.531 processing 141 images


3Dモデルの画像


3Dモデルの動画

2 参考 土偶人面


ミミズク土偶の人面 加曽利貝塚博物館企画展「縄文時代の土偶の顔」

同時期ミミズク土偶の人面は目や口がしっかりと造形されていて、人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の人面と比べると、「わいらしさ」、「幼さ」という印象はあまり持てません。「びっくり」の印象はうけます。

3 人面の可愛さ(幼さ)

この土版の人面から受ける印象は可愛さ(幼さ)です。この印象は現代人の多くが受ける印象であると考えます。認知考古学原理から、縄文人がこの人面をつくるときに可愛さ(幼さ)を表現したものと考えます。


認知考古学原理による顔表情の理解

参考 2021.12.15記事「認知考古学の意義について気が付く cognitive archeology

4 人面付土版の理解(想像)

人面付土版の人面表情と、展示裏面の文様(二つの紐(アイテム)が結ばれる文様)から、この土版は手で握る女性用結婚祈願具であると想像します。


人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の理解(想像)

土版本来の表面、裏面は展示と逆であると考えます。人面(赤ん坊)は女性が渇望するものですが、あくまでも結婚の副産物であり、この土版の主題は「二つの紐(アイテム)が結ばれる文様」=結婚であり、その文様面が表面と考えます。

表面を右手で握った時にできる擦り跡(微細な欠損)が観察できます。

今風に言えば、千葉市内野第1遺跡に結婚式場があり、その結婚式場にこの儀器が備えられていて、近在人々の結婚がある時に、この結婚式場が使われ、花嫁がこの人面付土版を右手で握ってふりながら結婚の誓いを述べた…、というような情景で使われたと夢想します。


2022年1月9日日曜日

人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の観察記録3Dモデル

 3D model observation of the human face-shaped clay tablet (Uchino Daiichi site, Chiba city)


I created a 3D model of the human face-shaped clay tablet (Uchino Daiichi site, Chiba city), which is exhibited at the Chiba City Folk Museum "Chiba City Excellent Archaeological Material  Exhibition". I observed it and made a note of the learning task.


千葉市立郷土博物館「千葉市出土考古資料優品展」で展示されている、人面付土版(千葉市内野第1遺跡)を3Dモデルで観察しました。

1 人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル Human face-shaped clay tablet

人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル Human face-shaped clay tablet

縄文時代晩期

右は裏面レプリカ

撮影場所:千葉市立郷土博物館「千葉市出土考古資料優品展」

撮影月日:2021.12.22


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 78 images

Human face-shaped clay tablet (Uchino Daiichi site, Chiba city) Observation record 3D model

Final Jomon period

The right is the back side replica

Location: Chiba City Folk Museum "Chiba City Excellent Archaeological Material Exhibition"

Shooting date: 2021.12.22

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.010 processing 78 images


3Dモデルの動画

2 メモ

2-1 展示説明

「人面付土版 内野第1遺跡(花見川区宇那谷町) 市指定文化財

縄文時代晩期に特有の遺物で、護符という意見がある。

本資料は土偶と同様に顔面表現がなされ、「クレヨンしんちゃん」に似ているとして話題になった。」

2-2 実測図


実測図

千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

2-3 問題意識

ア 顔面表現 1

土版の顔面表現は耳飾も付いていて、土偶表現と似ています。同じ顔面様式であるように感じます。


参考 千葉市内野第1遺跡出土 安行式ミミヅク土偶実測図

千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

土版の頭部が膨らんでいることも、この土版作者が土偶を意識して作成していることを物語っているように受け取ります。

しかし、顔表情という面からみるとこの土版と土偶は大いに異なります。

土偶の顔表情は一般に怪異とか恐怖とか驚異のような異様な雰囲気を感じるものが多く、かつ破壊されて消費されます。しかしこの土版は「クレヨンしんちゃん」に似ているといわれるように「可愛さ」「幼さ」を感じさせます。また破壊されることなく完形で出土しています。

これらの情報から、土版と土偶の顔面様式は同じでも表情と使用方法が異なり、その意義(用途)が違っていたことを納得できます。展示説明にあるように、この土版は護符(お守り)であったのだと思います。土偶は女神を殺害する(土人形を破壊する)という祭祀クライマックスを伴う身近な祭器だったのだと想像します。

イ 顔面表情 2

この土版の顔面表情の「可愛さ」「幼さ」は縄文人作者が意図して表現したものであり、その意図をわれわれ現代人がその通りに感じていると考えます。


認知考古学原理の理解

2021.12.15記事「認知考古学の意義について気が付く cognitive archeology

ウ 三角形

土版表面と裏面に描かれる縄文施文三角形について、他遺物に類似模様を探して対照し、今後その意義を考察することにします。

エ 入組文

土版裏面上部の入組文は吉祥文であると考えています。


入組文の例 手燭形土器(安行3a式)(佐倉市吉見台遺跡)

2021.12.07記事「手燭形土器(安行3a式)(佐倉市吉見台遺跡)の観察 Candlestick-shaped earthenware 2

吉祥文である入組文が描かれていることから、この土版は乳児死亡リスクが低減した一定年齢まで子どもが育ったことを祝う祭祀で使われたお守り、育児に関するお守りであったのかもしれません。


2020年8月27日木曜日

人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の顔解釈訂正

 縄文土器学習 458

2020.08.26記事「本当は怖いミミズク土偶」の検討結果に基づいて、人面付土版(千葉市内野第1遺跡)の顔解釈(2020.0.13記事「千葉市埋蔵文化財調査センター展示室展示物の3Dモデル」)を訂正します。

1 人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデルその2 

人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデルその2 

縄文時代晩期前葉(約3300年前) 

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター 

撮影月日:2020.02.04 

ガラス面越し撮影 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 63 images


展示の様子


展示の様子


実測図

千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用


3Dモデルの動画

2 人面付き土版(千葉市内野第1遺跡)の顔解釈


人面付き土版(千葉市内野第1遺跡)の顔解釈

・2020.0.13記事「千葉市埋蔵文化財調査センター展示室展示物の3Dモデル」では顔に髭があり、アイヌ女性が行うような入れ墨であると考えました。その考えを廃棄し、顔の皮剥ぎの様子を表現しているものと訂正します。

3 感想

・土版自体はひょうきんな表情をしていて、地母神そのものはマスコット、愛玩物のように扱われていたと想定します。しかし、デザインの原義は地母神が殺害され、死体がバラバラにされ、そのプロセスの中で顔の皮が剥ぎ取られるという凌辱の表現です。

・鼻もほとんど表現されていないことから、逆に鼻削ぎも暗示しています。


2020年7月21日火曜日

ひょうきんでかわいいアイドル「地母神」

縄文土器学習 429

加曽利貝塚博物館で開催中の夏休み企画展「調べて発見!わたしのまちの縄文時代」に展示されている人面付土版(千葉市犢橋貝塚)を3Dモデルを作成して観察しました。

1 人面付土版(千葉市犢橋貝塚) 観察記録3Dモデル

人面付土版(千葉市犢橋貝塚) 観察記録3Dモデル
縄文晩期前葉安行3a式
撮影場所:加曽利貝塚博物館 夏休み企画展「調べて発見!わたしのまちの縄文時代」 
撮影月日:2020.07.14 
展示説明:人面付の土版 おまじないで使用? 縄文人はこんな立派なまゆ毛だったのかな。土版(どばん)は何に使われたんだろう。スマートフォンぐらいの大きさで握りやすそうだね。
ガラス越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.001 processing 25 images

展示の様子

特殊モード写真

動画

2 考察
ア デザインは地母神
この土版のデザインの原義は次のように怖い神話(地母神殺害再生神話)にあることは明白です。

ひょうきんでかわいいアイドル「地母神」
デザインの原義をほじくり出せば、怖い話(凄惨な話)になります。

イ 「ひょうきんでかわいい」ことについて
この土版は現代人が見て「ひょうきんでかわいい」ものとして感得できます。それだからこそ子供向き展示「夏休み企画展」で使われています。
「ひょうきんでかわいい」ことは縄文晩期人も同じであったと想定します。「地母神」が怖い神話の主人公であることは百も承知で、それが世俗化、アイドル化、キャラクター化(ゆるキャラ化)して人々に親しまれていたのだと想像します。
土版はお守りみたいなもので、作られてからある期間は使われ、祈願成就の際に壊されたのでしょうか?

縄文人と現代人が「ひょうきんでかわいい」と感じる感性の様子が似ていると推測できたように感じます。なにかうれしくなります。

ウ 最下段の復元図像について
土版にある3つの〇のうち最上段は凹んでいて口であることは明白です。真ん中の〇は喉に開けられてあ穴であると考えます。土偶にはこのようなデザインがかなりあります。
最下段は復元されたデザインです。自信を持って復元されているのでおそらく類似デザイン土版の例から復元されたもので、信頼に足る復元であると想像します。その意味は妊娠腹を割いた状況、妊娠腹に開いた穴であると空想します。神話における怖い話です。

エ 眉毛と鼻をイメージするカモメ模様について
半円弧を二つ連ねて、眉毛と鼻をイメージするカモメ模様が隆線で描かれ、顔の輪郭をなしています。
このカモメ模様は産道から頭と顔が出てきた嬰児の頭のうぶ毛模様に由来するデザインであると仮説しています。子ども-女の顔のイメージに多用される縄文時代の一般的模様であると仮説しています。いつか詳しく検討したいと考えています。縄文人の顔の彫の深さに由来するものではないと考えています。

2020年2月5日水曜日

人面付土版 観察記録3Dモデル

縄文土器学習 336

2020.01.28記事「ちば市政だより 2020 Chiba 2」で紹介した人面付土版を千葉市埋蔵文化財調査センターで観覧撮影し、3Dモデルを作成しました。

人面付土版(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル
縄文時代晩期前葉(約3300年前)
撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター
撮影月日:2020.02.04
ガラス面越し撮影、ガラス面に撮影者がスケール添
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 63 images
※パソコンで見ていただいている方は3Dモデル画面でマウスホイールを押して移動するとモデルを移動させることができます。端の部分も拡大できます。

展示風景

展示風景

感想
ひょうきんな人面で口、耳、目がありますが最大の特徴は眉(毛)にあるように感じます。眉(毛)が特徴的な土器としてこれまでに次の観察をしています。
2019.12.27記事「縄文中期顔面付釣手土器(飯田市北田遺跡) 観察記録3Dモデル
2019.12.18記事「縄文中期有孔鍔付土器(富士見町新道遺跡) 観察記録3Dモデル
顔の輪郭下部が顎鬚を表現しているとすればこの人面は男性です。
展示説明ではミミズク土偶との関連に触れていますが、ミミズク土偶は女性です。土版と土偶の関連、男性女性の違いに興味が生まれます。
胴部の三角には特有の意味が込められているものと推察します。
胴部の地は縄文で図の三角は磨消で作られたようです。

撮影写真はほとんどがガラス面に邪魔な反射光が写っているのですが、3Dモデルにはそれがほとんど皆無なので不思議です。
スケールをガラス面に置いて撮影したので、3Dモデルソフトの中で精密な計測が可能です。