Yamanashi Prefectural Archaeological Museum Exhibition "Jomon people who draw the heart" Summary of learning
In my hobby activities in June and July 2022, I was enthusiastic about learning related to the Yamanashi Prefectural Archaeological Museum exhibition "Jomon people who draw my heart", and my knowledge and skills have greatly increased. First of all, I would like to thank the Yamanashi Prefectural Archaeological Museum for providing me with a wonderful learning opportunity. In this article, I will summarize the background of this learning and the main impressions for reference at a later date.
2022年6月7月の趣味活動では山梨県立考古博物館企画展「心を描く縄文人」関連学習に熱中し、知識や技術も大いに増えました。まずは素晴らしい学習機会を提供していただいた山梨県立考古博物館に感謝する次第です。この記事ではこの学習の経緯と主な感想をまとめて、後日の参考にすることにします。
1 学習経緯
1-1 考古学講座「土器や土偶に描かれた「顔」」受講
2022年5月21日にwebで開催された山梨県立考古博物館令和4年度考古学講座第1回「土器や土偶に描かれた「顔」」(講師:山梨県埋蔵文化財センター佐賀桃子先生)を受講しました。この講座受講が今回人面土器学習の最大のきっかけにになります。企画展の内容について詳しい説明があり、興味が深まり、ぜひとも観覧したいという気持ちになりました。
2022.05.22記事「考古学講座「土器や土偶に描かれた「顔」」受講」
なお、6月7月に次の考古学講座もweb受講し、学習上、大いなる刺激を受けました。山梨県立考古博物館に感謝します。
・「煮炊きに使われない縄文土器」(講師:山梨県埋蔵文化財センター岩永祐貴先生)
・「環境変動と八ヶ岳山麓の縄文社会」(講師:北杜市教育委員会生山優実先生)
・「百年の論争 縄文農耕論の今」(講師:南アルプス市ふるさと文化伝承館館長中山誠二先生)
1-2 企画展「心を描く縄文人」観覧
2022年6月1日に企画展「心を描く縄文人」観覧を観覧しました。観覧時間は5時間以上に及び、10の展示コーナーについて3Dモデル用撮影を行い、押したシャッター数は2282回になりました。
2022.06.02記事「人面・土偶装飾付土器の企画展観覧」
1-3 展示人面土器の3Dモデル作成と学習
6月は展示土器の3Dモデル作成を行い、展示説明やパンフレットを使って学習を深めました。作成した3Dモデルは6~7月全部で23土器(コーナー)(色塗り重複を除く)です。
2022.06.03記事「出産文土器複製(北杜市津金御所前遺跡) 観察記録3Dモデル」など多数
1-4 「研究紀要」35・36(2019、2020 山梨県立考古博物館・山梨県埋蔵文化財センター)の入手
6月末に展示に大いに関係のある次の論文を閲覧しコピーを入手しました。
・今福利恵 2019 「勝坂式土器における動物文様と人体表現」「研究紀要」35 山梨県立考古博物館・山梨県埋蔵文化財センター
・今福利恵 2020 「勝坂式土器における抽象文」「研究紀要」36 山梨県立考古博物館・山梨県埋蔵文化財センター
この論文入手と内容咀嚼により、企画展学習が一段と深まりました。6月一杯でまとめようと考えていた学習を7月一杯まで伸ばし、学習を深めました。
この2論文を読んだことにより、抽象文土器の本質や出産文土器人面の意義(動物の擬人化)などを知り納得しました。また動物文の変遷やデザインについて整理された情報を得ることが出来たことも特筆すべきことでした。この論文により自分の学習は大いに加速しました。
なお、この論文閲覧・コピーは山梨県立図書館と千葉市図書館の協力で実現しました。2館に感謝します。
2022.07.03記事「抽象文土器の文様について」
1-5 図録「縄文の女神-人面装飾付土器の世界」入手
企画展展示土器と説明文言の不整合について、どうしても理解できないので、ご担当学芸員の方に電話させていただいたことがあります。その時、山梨県立考古博物館2004特別展図録「縄文の女神-人面装飾付土器の世界」の存在を知りました。早速web古書店から入手しました。代表的な人面装飾付土器多数が前後が判る大判写真で掲載されています。土器細部の確認の大いに役立つ資料として活用しています。
1-6 Sketchfabに抽象文土器と人面土器collection作成
Sketchfabにこれまで作成してきた3Dモデルストックの中から抽象文土器と人面土器についてそれぞれcollectionを作成しました。自分の3Dモデルを使った学習をより効率化するためのツールとなります。
2022.07.17記事「人面土器collectionの作成」
1-7 3Dモデル塗色技術獲得と動物文の塗色
フォトグラメトリで作成した3DモデルをUV展開してそれに適合するテクスチャ画像を再生成して、その画像をPhotoshopで編集することにより3Dモデルに塗色する技術を獲得しました。
2022.07.19記事「メモ 縄文土器3Dモデルの塗色方法」
3Dモデル塗色技術を活用して多数土器の動物文を塗色して学習を進展させました。人面装飾付深鉢形土器(甲府市後呂遺跡)では実測図を入手して2つの人面がカエル擬人化であると考えることができ、学習が深まりました。
2022.07.24記事「人面装飾付深鉢形土器(甲府市後呂遺跡)動物文解釈訂正」など多数
人面解釈例
テクスチャ画像塗色例
人体文塗色例
動物文解釈例
2 主な感想
2-1 3Dモデル学習の効果を実感する
企画展に展示されている主な縄文土器の3Dモデルを作成し、その3Dモデルを活用して学習するという自分の学習スタイルが効果的であることを実感できました。次の点で効果的である(学習満足感を得られる)と感じました。
ア 撮影とパソコン作業(フォトグラメトリ作業)プロセスの中で土器観察が深まる
撮影をしている時、「どの部分が見えて、部分が見えないか」とか「その模様は正確に3Dモデルとして結像するかしないか」など意識します。またパソコン作業で「3Dモデルでボヤと見えるのは結像が不正確だからなのか、それともそれが現実だからか」など意識します。このような作業プロセスのなかでその土器の細部まで観察を深めることになります。
イ 新たな問題意識が生まれた時、展示会場における土器観察を疑似的に再現できる
新たな問題意識や疑問が生まれた時、例えば「あの部分の文様をAと考えていたが、本当はBではないか」などと考えた時、3Dモデルならそれを動かしながら確認することができます。一方、数枚の写真では「どちらとも判断できてしまう。写真ではなく、現物をもう一度確認する必要がある」となることがいつものことです。
ウ ストックの活用
類似土器3Dモデルをcollectionで随時観察できるので、学習がはかどります。
2-2 動物文や人面土器の認識を深めることができた
今福利恵(2019)論文で動物文のパターンを知り、それを多数土器3Dモデルで確かめることができたのは自分にとって大収穫となりました。また、同論文でいわゆる出産文土器というものが出産とは無関係であり、動物擬人化の表現方法であることを知ったこともさらなる大収穫です。また、この学習の中で、なぜヘビやカエル(後にイノシシが加わる)がメインの動物なのか、新たな疑問が生まれました。とても大事な疑問であると直観します。
2-3 3Dモデル技術拡張が図られた
これまでの3Dモデル作成技術、GigaMesh Software Frameworkによる展開技術に加え、7月にBlenderUV展開と3DF Zephyr Liteによるテクスチャ画像再生成技術を獲得できました。双眼把手など複雑立体形状をもった縄文土器も画像再生成出来るようになったことにより3Dモデル塗色がより高度に出来るようになりました。3Dモデルに塗色することにより、文様意義検討が促進できます。
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