2022年8月23日火曜日

屋外漆喰炉炉体形状3Dモデル

 Furnace shape 3D model of outdoor plaster furnace


I created a 3D model of the furnace body shape of the Horinouchi-style outdoor plaster furnace in Daizenno Minami Shell Mound. It is a test work to create a 3D model for learning from the actual survey map published in the excavation report. The tests are passing.


大膳野南貝塚の堀之内式期屋外漆喰炉の炉体形状3Dモデルを作成しました。発掘調査報告書に掲載されている実測図から、学習用3Dモデルを作成するテスト作業です。テストは成功しつつあります。

1 屋外漆喰炉炉体形状3Dモデル

屋外漆喰炉炉体形状3Dモデル


屋外漆喰炉炉体形状3Dモデル画像


3Dモデルの動画

2 屋外漆喰炉炉体形状3Dモデルの作成プロセス

ア 断面図から炉体形状(※)の高さ読み取り、平面図プロット


断面図から読み取った高さ情報を平面図にプロットした様子

※この作業では漆喰堆積を除いた堆積物が炉体を構成していると仮定しました。

イ 炉体形状等高線図(想定)の作成

高さ情報がプロットされた平面図に炉体形状等高線図(想定)を作成しました。実測図情報から思い浮かべることができる炉体の様子を等高線で表現する作業です。本来は、考古学専門家がその発掘体験と能力を発揮する作業になります。今回作成した等高線図は3Dモデル作成ステップに必須であるため、素人の私が仮に作成したものです。


炉体形状等高線図(想定)

ウ 炉体断面線作成

3Dモデルを作成するために必要な炉体断面線を、漆喰炉全体をカバーするために16本作成しました。

エ 炉体断面線の3D空間配置

Blenderに炉体断面線をインポートして、3D空間に配置します。


炉体断面線の3D空間配置配置の様子 垂直倍率×2

オ 炉体3Dモデルの作成

Bsurfaces機能を利用して炉体3Dモデルを作成します。


炉体3Dモデルの様子 垂直倍率×2

3 感想

3-1 考古的感想

堆積する漆喰より下部に堆積する暗褐色土などには焼土粒や漆喰粒が微量含まれていて、漆喰堆積を伴った炉利用時の炉体を表現していると考えました。炉体は大小2つの炉から構成され、南側の炉がメインの炉であると観察できます。外周は地面より高く堤防状に炉体が盛り上がっています。

炉体の上に漆喰が堆積していることから、炉の利用毎に漆喰を堆積させていったことが考えられます。なぜ漆喰を堆積させたのか、漆喰を堆積させた行為の意味は特段に興味のある学習課題です。漆喰(恐らく破砕貝パウダーを主原料とするモノ)の白さには特段の神聖性があったものと空想します。

3-2 Blender操作技術

・作業時間は、上記作業プロセスの内ア・イ・ウ(illustrator作業…手作業)が90%、エ・オ(Blender作業)が10%という割合になります。ア・イ・ウの作業は根気が必要で、趣味活動としてはできれば避けたい作業です。

・断面図高さ情報から等高線を描く作業の素案作成に利用できそうなパソコンソフトは探せばゴロゴロありそうな予感がします。

・実測図から炉の3Dモデルをつくる作業は2段階から構成されていると考えるようになりました。第1段階は実測図から3Dモデル姿を合理的に想像し、それを等高線図で表現する段階。第2段階はその想像成果(等高線図)をパソコンスキルで3Dモデルに造形する段階。

・炉体3Dモデルの形状と断面図の形状は大局的には良く合っていますが、一部はずれています。このずれは作業をやり直す(フィードバックする)ことにより少なくすることができます。


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