2022年8月31日水曜日

失敗だらけのBlender作業

 Blender work full of failures


In August, I focused on 3D modeling of archaeological survey maps. The substance is Blender work full of failures. I made a note of the situation for studying.


0 はじめに

8月の趣味活動は「発掘調査報告書掲載実測図の3Dモデル化」というテーマに集中しました。実体は失敗だらけのBlender操作習熟活動です。つまり8月は「Blender強化月間」として過ごしました。寝ても覚めてもBlender操作テクニックを考えている日々を送りました。2010年から始まった趣味活動でパソコンソフト習熟だけに丸々1ヵ月を費やしたのは初めての体験です。失敗だらけとはいえ、貴重な体験ですから、向学のためにその活動をメモします。メモは8月になって初めて知って使ったBlender機能をピックアップして、それをテーマ作業に特段に役立った機能、有効活用した機能、判らなくて困った機能などに分けて列挙しました。

なお、9月も引き続き「Blender強化月間」とし、Blenderをなんとか自家薬籠中のものにしたいと思います。

1 実測図3Dモデル化に特段に役立った機能

1-1 Bsurfaces機能

アドオンBsurfaces GPL Editionによる機能です。断面線から曲面を生成できますから断面線が描ける地物ならどんなものでも3Dモデルにすることができます。実測図3Dモデル化の中核技術になると考えます。


断面線から曲面を生成した例 漆喰炉


断面線から曲面を生成した例 縄文土器

アドオンBsurfaces GPL Editionによる機能は、2D animation画面においてグリースペンシルでのみ正常に機能すると体験的に理解しています。全般→Layout画面やベェジェ曲線では体験上正常に機能しません。

Bsurfaces機能では条件付きで等高線からも曲面生成できます。その条件とは同じ値の等高線が全て連続している必要があるということです。そのため尾根の先に小山があるとか、窪みが複数個所にあるとかの地形の曲面生成はBsurfaces機能ではできません。従って、等高線を使ってBsurfaces機能で曲面をつくることは実用になりません。

1-2 UV投影機能

モディファイアのUV投影で画像を立体オブジェクトにオルソ投影できます。この機能によりオルソ投影として描かれた縄文土器実測図を3Dモデルに文様復元的に描画できます。この機能も実測図3Dモデル化の中核技術になると考えます。


UV投影により文様を復元的に描画している様子 縄文土器

モディファイアのシュリンクラップ機能も画像を立体オブジェクトにオルソ投影して描画することに利用できます。

1-3 3D空間におけるオブジェクトのトランスフォーム機能

Blenderでは3D空間におけるオブジェクトの位置、回転、スケール、寸法を超精細単位で表示したり、移動変形できます。このトランスフォーム機能を使って屋外漆喰炉形状の復元等高線作成作業、等高線から断面図を作成する作業を効率的かつ正確に行うことができました。これまではこの作業をillustratorの計測機能を使って行っていました。とてもストレスフルな作業でした。これを廃止することができました。


Blenderを使った復元等高線作成の様子

参考 Blenderの画面カスタマイズ機能を最大限活用して次のような画面構成をデフォルトにして作業の効率化を図っています。(モニター画面2枚用)


Blender画面カスタマイズの様子

2 実測図3Dモデル化作業の中で利用した機能

2-1 アペンド機能

別のBlenderからオブジェクトやマテリアルなどを取り出して使っているBlenderファイルに取り込むことができる機能です。とても重宝しています。

2-2 「リソースをパック」したファイル保存とその活用

Blenderファイルに画像ファイルとかオブジェクトファイルとか全てのデータ(リソース)をパックして保存する機能です。これにより保存したBlenderファイルを別のフォルダーで再利用できます。アペンド機能を知ってからはアペンド機能の方が使い勝手がよく、「リソースをパック」は使わなくなりました。

2-3 Bezier Toolkit

アドオンBezier Toolkitを使って、グリースペンシルをillustratorなどのベジェ曲線操作ライクに使えるようにしました。とても使い勝手がよく、重宝しています。Bsurfaces機能利用には必須機能です。

2-4 画像ファイルのオブジェクトとしてのインポート

アドオンimport images as planesで画像ファイルをオブジェクトとして読み込めるようにしました。とても便利で多様しています。

2-5 オブジェクトの色グラデーション表示とベイク

オブジェクトの色をグラデーションで表示し、それをベイクできるようになりました。

ベイク操作の仕方が当初は判らず、気が付くまでに時間がかかりました。

また自作カラーパレットを画面上に置き利用できるようになりました。

2-6 ブーリアン結合、ブーリアン差分

モディファイアのブーリアンを使ってオブジェクトの結合(ブーリアン結合)や中抜き(ブーリアン差分)に使っています。便利です。

2-7 統合オブジェクトを分離する機能

統合オブジェクトを分離する機能を知り活用しています。

2-8 オブジェクトを整列させる機能

オブジェクトを整列させる機能を知り活用しています。

2-9 ノードのコピー、貼り付け機能

ノードをコピーして別オブジェクトのノードに貼り付け再利用して、ノード作成を効率化しています。

2-10 ナイフ機能

ナイフ機能でオブジェクトの変形や切り取りの試みをしています。今後大いに活用する可能性のある機能です。

3 困ったこと、つまづいたこと

3-1 テクスチャ画像の名称中の半角空白存在による障害

画像をPhotoshopやillustratorでつくると、あるいはスクリーンショットでつくるとその名称中に半角空白が入ることがあります。この画像をBlenderでオブジェクトのテクスチャ画像として使い、そのオブジェクトをWabefront(.obj)ファイルとしてエクスポートした場合、そのオブジェクトを3DF Zephyr Liteに読み込むとテクスチャ画像が反映されません。この仕組みが判らないため、丸1日時間を空費しました。このような場合、対症療法的に、Wabefront(.obj)ファイルのmtlファイルをエディターで編集して半角空白を削除し、画像ファイル名称からも半角空白を削除して使いました。画像ファイルはその名称から半角空白を除去してから使うように心がける必要があります。

3-2 パスに含まれる全角空白による障害

作業フォルダーの名称に全角空白を使ったことがあります。このフォルダー内で行うBlender作業そのものは通常通り問題ありません。しかし、オブジェクトをWabefront(.obj)ファイルなどにエクスポートすると、テクスチャ画像がつかえなくなります。mtlファイルをみるとテクスチャ画像パスの全角空白が別文字に置き換わっています。この場合も対症療法的にはmtlファイルのエディター編集で対応できます。しかし、作業ホルダーのパスに全角空白を使うことは厳禁です。

3-3 スナップ機能を知らないことによるオブジェクトの不随意回転

スナップ機能をオンにするとオブジェクトを移動させる時、別オブジェクトの近くで回転するような動きをします。この機能の存在を知らないため、数日間苦労しました。スナップ機能をオフにすればこのような不随意回転のように感じる動きは無くなります。

3-4 UV展開忘れ

作業を始めた当初はオブジェクトUV展開を忘れてエクスポートして、そのエクスポートファイルに画像が貼り付かない障害が何度かありました。

4 課題として残ったもの

4-1 マテリアル

マテリアルについては強い興味がありますが、学習が進んでいません。今後学習を深め、マテリアルライブラリをBlenderの中で使えるようにしたいとおもいます。なお、Dimensionでマテリアルを付加したオブジェクトをblenderにインポートすると、マテリアルをそのままBlender内に持ち込めることを確認しました。手間をかければ、Dimensionの多様なマテリアルをBlenderで使えるということです。

4-2 アニメ

Blenderアニメ機能は以前利用したことがあるのですが、今回その利用にチャレンジしたところ、ほとんどちんぷんかんぷんで敗退しました。早急にアニメを使えるようにしたいと思います。

4-3 人物造形

考古学的遺構や遺物のスケールとして人物を使うことを考えています。Make HumanのBlenderアドオンMPFB V2.0-a2を試してみましたが、有望です。

4-4 参考 QGISによる等高線から3Dモデル

Blender操作ではありませんが、QGISで紙等高線から3Dモデルを構築できます。このQGIS機能を使って考古遺構3Dモデル作成を試みてみる価値は大きいと考えています。


0 件のコメント:

コメントを投稿