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2023年4月1日土曜日

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の発達史想定

 Assumed developmental history of stripped cross-sections of shell layers on the northern slope of Ariyoshi Kita Shell Mound


I observed the stripped cross-section of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, and hypothesized the development history of the shell layer. By imagining it in 3D space, I was able to make a more convincing assumption.


有吉北貝塚北斜面貝層の剥ぎ取り断面を観察して、貝層発達史を想定しました。3D空間の中でイメージすることにより、より納得的に想定できました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の発達史想定 模式3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の発達史想定 模式3Dモデル

・ガリー侵食による堆積物の堆積面(1)に凹みがあり、斜面貝層(2、3)はその凹みを埋めるように発達します。

・初期斜面貝層(2)の層相は斜面では貝投棄の状況を反映して純貝層や混土貝層であり、凹みやガリー谷底では水流の影響を反映して混貝土層になります。

・途中期斜面貝層(3)では凹みを埋めつくしたため水流の影響が減じ、層相は谷底以外では純貝層や混土貝層になります。

・終期最初の斜面貝層では谷底も埋めつくされたため、層相は全て純貝層や混土貝層になります。

ガリー堆積物の地形面3D形状は説明のための誇張模式表現です。


3Dモデルの動画


発達史想定画像

2 参考 発掘調査報告書における発達史記述

剥ぎ取り断面から0.8m上流に位置する第11断面の発達史を発掘調査報告書では次のように記述しています。


第11断面の段階区分 発掘調査報告書から引用加筆

「第1段階 崩落した土砂が隅の方に堆積する。この堆積と同時か少し遅れて貝が投棄されており、本位置では土砂とともに上方(南側)から押し流されて堆積したと思われる混貝土層などが堆積する(K・L3・H3・G5・G6・G7・G9層など)。

第2段階 皿状となった窪地に、斜面上(西側)から投棄した貝が堆積する(F5・B2・F3・F2層など)。

第3段階 再び上方(南側)から土砂が、第2段階で投棄された貝とともに押し流されて堆積する(G4・G3・G2・S3・S2・S1層など)。

第4段階 ほぼ埋まった窪地にさらに貝が投棄され、窪地はほぼ完全に埋まり、テラスを持つ斜面となる(E1・C(1)・F1・F・A2・A1・B層など)。」(発掘調査報告書記述)

発掘調査報告書における発達史では斜面貝層形成の前半(第2段階)と後半(第4段階)の間に斜面貝層形成の中断時期があり、その中断時期(第3段階)にガリー谷底に土砂が押し流された時期があることになり、不自然です。第3段階にはこの断面では無いけれども上流で規模の大きな侵食が存在したから、この断面に土砂が流れてきたことになります。従って発掘調査報告書の発達史の説明を深めるためには、その侵食の存在を上流の断面図を使って指摘する必要があります。

なお、自分の見立てでは、斜面貝層が形成され始めてから以降、北斜面貝層では顕著な侵食作用は見られません。

顕著な侵食作用が存在しない証拠の一つは、断面右寄りで、左岸斜面貝層に起因する貝層と右岸に起因する土層がほぼ垂直に接していることです。左岸に起因する物質と右岸に起因する物質が混ざらないで下流方向のベクトルで移動しています。下流方向への移動(流れ)は虚弱であったと考えられます。顕著な侵食があるということは、勢いがあり運搬力の強い流れが生まれたことを示しますから、このような貝層と土層が垂直方向に接触することはあり得ません。北斜面貝層では貝や土器破片の水流による移動はきわめて限定的であったと考えることができます。

3 剥ぎ取り断面の発達史想定の検証方法

1で想定した発達史を前提にすると、貝層から出土する土器分布の観念は次のようになるはずです。


発達史想定に基づく土器分布の観念

今後北斜面貝層の土器3D分布と貝層3Dモデルとの対応分析を深め、その結果がこの土器分布観念にあてはまることになれば発達史想定の正さを検証したことになると考えます。


2023年3月27日月曜日

有吉北貝塚剥ぎ取り断面の観察 ガリー堆積物

 Observation of stripped cross section of Ariyoshi Kita shell mound Gully sediments


I am observing the stripped cross-section of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, which is displayed at the Chiba Prefectural Central Museum. Since shells and pottery fragments can be observed in the gully deposits at the bottom, it can be inferred that the old slope shell layers have been eroded and lost.


千葉県立中央博物館に展示されている有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の観察をしています。最下部のガリー堆積物に貝殻と土器破片を観察できることから、古い斜面貝層が侵食され失われたことが推察できます。

1 ブロック状堆積物の分布

剥ぎ取り断面下部ではブロック状地層断片が乱雑に堆積しています。この堆積はこの場所でガリー侵食があり、それによる堆積物であると考えれらます。


ブロック状堆積物の分布

2 貝殻破片の分布

剥ぎ取り断面下部の堆積物には貝殻破片が混入しています。また一部には貝層そのものがブロック状になって堆積しています。


貝殻破片の分布


ガリー堆積物に貝層ブロックが含まれている様子

注 このブログでは「ガリー堆積物」とはガリー侵食により地層から剥がされた断片が重力と流水の営力で堆積したものを指すことにします。

3 土器破片の分布

剥ぎ取り断面下部の堆積物には土器破片が混入しています。


土器破片の分布


ガリー堆積物に土器破片が含まれている様子

4 ガリー堆積物の堆積面

1~3の情報を踏まえ、ガリー堆積物の堆積面を想定しました。


ガリー堆積物の堆積面

5 ガリー堆積物の検討図

1~4の情報を集成すると次図のようになります。


ガリー堆積物の検討図

6 メモ

発掘調査報告書では「第1段階 崩落した土砂が隅の方に堆積する。この堆積と同時か少し遅れて貝が投棄されており、本位置では土砂とともに上方(南側)から押し流されて堆積したと思われる混貝土層などが堆積する(K・L3・H3・G5・G6・G7・G9層など)。」と記述されています。

しかし、ガリー堆積物(発掘調査報告書でいうところの崩落土砂)に貝層ブロックと土器破片がふくまれているのですから、貝の投棄は崩落の前(ガリー侵食の前)であると考えられます。

つまり、古い斜面貝層の形成があり、土器投棄も行われていたある時期に、ガリー侵食が発生し、古い斜面貝層が失われたことが推察できます。

北斜面貝層から中峠式土器がまとまって出土するので、ガリー侵食で失われた斜面貝層には中峠式期頃の貝層が含まれていたのかもしれません。今後詳しく検討します。



2023年3月23日木曜日

有吉北貝塚剥ぎ取り断面の全体画像

Overall image of the stripped cross-section of Ariyoshi Kita Shell Mound


I obtained the whole image and the facies classification diagram of the stripped cross-section of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, transformed the whole image using the Photoshop function, and projected it onto the facies classification diagram. I have prepared materials for deepening the study of the developmental history of shell layers.


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の全体画像と層相区分図を入手し、全体画像をPhotoshopパペットワープ機能により変形して層相区分図に投影当てはめました。貝層発達史学習を深めるための材料が揃ってきました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面全体画像


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面全体画像(上守秀明氏撮影)

剥ぎ取り断面作成担当者であった上守秀明さん撮影の有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面全体画像を入手しました。壁に立てかけてある剥ぎ取り断面を撮影した通常の中心投影画像です。剥ぎ取り断面の大きさをイメージできるように人物が写っています。

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面全体の写真はこの1枚の写真以外にはほとんど存在しないようです。

この写真の利用について許可していただいた上守秀明さんに感謝します。またこの写真存在を教えていだだき入手及び上守さんお取次の便をいただいた西野雅人さんに感謝します。

2 有吉北貝塚剥ぎ取り断面に関する資料

有吉北貝塚剥ぎ取り断面の作成に関する次の資料の存在を千葉県立中央博物館から教えていただき、早速入手しました。

上守秀明・宮城孝之「報告 千葉市有吉北貝塚斜面貝層の接状剥離作業」、『(財)千葉県文化財センター研究連絡誌』20-1 1987年

この資料には剥ぎ取り断面作成方法の詳しい説明と断面位置図(北斜面貝層位置及び周辺地形図)、層相区分線図(接状剥離面土層断面図)が掲載されています。


断面位置図(北斜面貝層位置及び周辺地形図)

この位置図から剥ぎ取り断面は発掘調査報告書掲載断面11番と12番の間で、11番より0.8m下流側であることがわかります。


剥ぎ取り断面位置と発掘調査報告書断面位置の関係図


層相区分線図(接状剥離面土層断面図)


参考 発掘調査報告書11番断面


参考 発掘調査報告書12番断面

3 剥ぎ取り断面全体画像の層相区分線図(接状剥離面土層断面図)への投影

剥ぎ取り断面全体画像をPhotoshopパペットワープ機能を利用して変形し、層相区分線図(接状剥離面土層断面図)へ投影当てはめました。


剥ぎ取り断面全体画像の層相区分線図(接状剥離面土層断面図)への投影画像

4 展示はぎとり断面3Dモデル画像の層相区分線図(接状剥離面土層断面図)への投影画像

展示剥ぎ取り断面3Dモデルのオルソ画像を層相区分線図(接状剥離面土層断面図)へ投影しました。


展示はぎとり断面3Dモデル画像の層相区分線図(接状剥離面土層断面図)への投影画像

5 展示剥ぎ取り断面画像及び全体画像の層相区分線図(接状剥離面土層断面図)への投影画像

3及び4の画像を合成して展示剥ぎ取り断面画像及び全体画像の層相区分線図(接状剥離面土層断面図)への投影画像を作成しました。


展示剥ぎ取り断面画像及び全体画像の層相区分線図(接状剥離面土層断面図)への投影画像

6 剥ぎ取り断面写真

剥ぎ取り断面作成直前の清掃作業終了写真が発掘調査報告書に掲載されています。


剥ぎ取り断面写真

7 メモ

5の画像および発掘調査報告書における11番断面、12番断面とその説明、さらに6の現場写真から剥ぎ取り断面付近における検討材料が整いました。これらの材料を参考にしながら、千葉県立中央博物館展示剥ぎ取り断面の現場観察により貝層発達史学習を深め、その結果を仮説的にまとめることにします。


 

2023年3月18日土曜日

有吉北貝塚剥ぎ取り断面の土器調査

 Investigation of pottery on the stripped cross section of Ariyoshi Kita Shell Mound


I visually created a map of the distribution of pottery fragments in the stripped cross-section of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. Certain pottery fragments 51 were confirmed, and about half of them were found in the lower part of the sloping shell layer, in other words, near the waterside at that time, indicating the characteristics of pottery fragment dumping activities.


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面における土器破片分布図を目視で作成しました。確実な土器破片51を確認し、約半数が斜面貝層下部に、つまり当時の水辺付近に分布していて、土器破片投棄活動の特徴が読み取れます。

1 土器破片分布図


土器破片分布図 (3Dモデルのオルソ投影図 高さ4.3m、幅4.0m)

目視で土器破片と確実に確認できたもの(赤丸)は51あります。展示上部は照明が暗く目視が不十分であった可能性があります。なお、双眼鏡を持参しましたが、近すぎて効果的に利用できませんでした。

目視で土器破片の可能性があるけれども確認できなかったもの(青丸)が7あります。

断面左下部に剥ぎ取り作業痕のようですが、最初は土器破片と直観したもの(空色丸)が3あります。


作業痕か土器か、土器か否か


作業痕か土器か

2 考察


土器破片分布図 考察

土器破片は斜面貝層分布に対応して土器破片が分布しているように見えます。このことから、貝層投棄活動と土器破片投棄活動は時期的に連動していることが推察できます。

同時に、土器破片は斜面貝層下部に半数が集中分布していますから、貝分布と比べて土器破片分布は偏在性がきわめて強いことが判ります。斜面貝層下部は当時の水辺付近です。土器破片投棄は水辺付近で行われる祈願活動の一環で行われたと想像します。


2023年3月13日月曜日

剥ぎ取り断面における土器破片分布

 Distribution of pottery fragments in stripped cross section


A 3D model was used to create a preliminary study of the distribution of pottery fragments in the stripped cross-section of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. The pottery fragments are distributed near the riparian environment at the bottom of the shell layer at any time. A relationship between pottery dumping and the waterside environment is suggested.


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面における土器破片分布図を3Dモデルから予察的に作成して考察しました。土器破片は、どの時期貝層もその最下部の水辺環境近くに分布しています。土器投棄と水辺環境との関連が示唆されます。

1 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面土器破片分布予察図


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面土器破片分布予察図

3Dモデルで確実に土器破片であることが確認できるモノは赤丸、土器破片の可能性が残るモノを青丸で表示しました。

今後千葉県立中央博物館の展示現場で双眼鏡等を使った観察を行い、精度の高い土器破片分布図を作成することにします。

2 考察


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面土器破片分布予察図 考察

確認した土器破片(赤丸)を対象に考察すると、つぎのようなメモを作成することができます。

ア 土器破片は貝層最下部に集中して分布する

貝層は約30度の傾斜で重なって堆積していますが、どの時期の貝層でも土器破片出土位置はほぼその最下部です。貝層最下部はその当時のガリー水路にあたる場所です。つまり土器破片は水辺環境付近に集中していることになります。

このことから貝の投棄と土器破片投棄は全く別の原理で行われたことがわかります。土器投棄は水辺における祈願活動と関連していると推察できそうです。

また、この断面でみると、古い土器と新しい土器は水平方向に分布し、通常地層でみられる上下方向分布ではありません。

イ 土器破片はほとんが内面を上側方向にして分布している

土器破片はほとんどが内面を上側方向に、外面を下側方向にして分布しています。これは土器破片が人の手で投げられたものだからであると考えます。つまり、人が投げる時、手で持ちやすいように、土器内面を上にしてつかんで(上からみて凹に湾曲した土器をつかんで)いたからであると想像します。


土器破片の様子


2023年3月12日日曜日

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面3Dモデルの画像解析資料作成

 Creation of image analysis materials for a 3D model of the stripped shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound


I created several image analysis materials from the 3D model to support on-site observation of the Ariyoshi Kita shell Mound stripped cross-section. I created images that index cross-sectional unevenness and shell density, and superimposed images with photographs. It can be used as a reference for stratigraphic line drawing.


有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面(千葉県立中央博物館展示)の現場観察(展示観覧)を支援するために3Dモデルから画像解析資料を作成しました。断面凹凸や貝密度を指標する画像やそれらと写真と重ねた画像を作りました。層位線描画の参考になります。

1 剥ぎ取り断面3Dモデルから作成した画像資料

1-1 通常画像


通常画像

3Dモデルのオルソ投影画像です。

1-2 断面凹凸画像


断面凹凸画像

剥ぎ取り断面を水平に置いた時、上下方向をグレーのグラデーションで表現した画像です。展示で言うと黒が奥、白が手前となります。

1-3 断面凹凸等高線表示画像


断面凹凸等高線表示画像

断面凹凸画像をPhotoshopのフィルター→表現手法→輪郭検出で等高線表示に変換した画像です。

等高線の粗密やパターンが貝の大きさや密度などに対応しています。

1-4 断面凹凸カラー表示画像


断面凹凸カラー表示画像(奥→手前を青→白→赤で表示)

グレーではなく色グラデーションで断面凹凸を表現することにより、断面凹凸が判りやすくなっています。断面凹凸は貝の大きさや密度などと関連していると推察できます。

1-5 「断面凹凸カラー表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像


「断面凹凸カラー表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像

断面凹凸カラー表示画像と断面凹凸等高線表示画像の乗算ミックス画像です。

この画像から貝の大きさや密度の様子を推察できると考えられます。この画像は3Dモデルを作成してはじめて得ることができます。

1-6 断面凹凸干渉色表示画像


断面凹凸干渉色表示画像

地図アート研究所(所長やまだこーじ)干渉色変換ツールで断面凹凸画像を干渉色表示に変換した画像です。


干渉色変換の様子

断面凹凸を干渉色に変換することにより、通常カラー変換(2~3色の変換)よりも事象をダイナミックに把握することが可能となります。

干渉色変換ツールを公開している地図アート研究所(所長やまだこーじ)に感謝します。

1-7 「断面凹凸干渉色表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像


「断面凹凸干渉色表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像

断面凹凸干渉色表示画像と断面凹凸等高線表示画像の乗算ミックス画像です。

1-5画像と同じ趣旨の画像ですが、事象をよりダイナミックに表現しています。

1-8 「断面凹凸カラー表示+通常写真」ミックス画像


「断面凹凸カラー表示+通常写真」ミックス画像

断面凹凸カラー表示画像と通常画像の乗算ミックス画像です。

1-9 「断面凹凸干渉色表示+通常写真」ミックス画像


「断面凹凸干渉色表示+通常写真」ミックス画像

断面凹凸干渉色表示画像と通常写真の乗算ミックス画像です。

1-10 メモ

次の画像を総合的に参考にすることによって、剥ぎ取り断面に層位線を描く活動が容易になると期待できます。

・通常画像

・「断面凹凸カラー表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像

・「断面凹凸干渉色表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像

・「断面凹凸カラー表示+通常写真」ミックス画像

・「断面凹凸干渉色表示+通常写真」ミックス画像

2 参考 拡大画像

2-1 通常画像


通常画像

2-2 「断面凹凸カラー表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像


「断面凹凸カラー表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像

2-3 「断面凹凸干渉色表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像


「断面凹凸干渉色表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像

2-4 「断面凹凸カラー表示+通常写真」ミックス画像


「断面凹凸カラー表示+通常写真」ミックス画像

2-5 「断面凹凸干渉色表示+通常写真」ミックス画像


「断面凹凸干渉色表示+通常写真」ミックス画像

3 参考 拡大画像2

3-1 通常画像


通常画像

3-2 「断面凹凸カラー表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像


「断面凹凸カラー表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像

3-3 「断面凹凸干渉色表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像


「断面凹凸干渉色表示+断面凹凸等高線表示」ミックス画像

 

2023年3月9日木曜日

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の場所推定

 Estimation of the location of the stripped cross-section of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound


I roughly estimated the location of the stripped cross-section of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound displayed at the Chiba Prefectural Central Museum. It is near section 11, which is described in detail in the excavation report. I get a little excited because I can check the nuances of the words in the cross-section of the excavation report at the site. I feel that my learning is progressing.


千葉県立中央博物館に展示されている有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面の場所を略推定しました。発掘調査報告書で詳しく記載されている断面11付近です。発掘調査報告書断面記載の言葉ニュアンスを現場で確認できるのですから、少し興奮します。学習が進展する気配がします。

1 展示剥ぎ取り断面のオルソ投影画像作成

展示剥ぎ取り断面のオルソ投影画像(正面から)を3Dモデルから作成しました。


展示剥ぎ取り断面のオルソ投影画像作成(正面から)

2 展示剥ぎ取り断面の推定位置

展示剥ぎ取り断面の位置を発掘調査報告書掲載貝層断面と照らし合わせ推定しました。発掘調査報告書掲載断面11の近く(断面11の前後各1m範囲内程度)であることを推定できました。


展示剥ぎ取り断面の推定位置

この情報から展示断面観察と発掘調査報告書断面11記載を照らし合わせることにより、発掘調査報告書記載の言葉のニュアンスを理解することが可能となりそうです。発掘調査報告書記載の言葉ニュアンスが判らないので学習に手ごたえがなかった不満足感がこれで解消できるかもしれません。発掘現場に直行できるというタイムマシンを手にしたようで、これからの学習活動が楽しみです。

千葉県立中央博物館には双眼鏡と顕微鏡モード撮影可能デジカメを持参して剥ぎ取り断面観察に通いたいと思います。

3 剥ぎ取り断面は、実は、この3倍あることを知る

千葉県立中央博物館webサイトをみると、平成21年度企画展「縄文の躍動」で有吉北貝塚北斜面貝層の剥ぎ取り断面が現在展示物の約3倍あり、11断面全部がつくられていることを知りました。


有吉北貝塚北斜面貝層の剥ぎ取り断面

千葉県立中央博物館webサイトから引用

いつかこの剥ぎ取り断面全体を詳しく観察したいものです。



2023年3月8日水曜日

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 観察記録3Dモデル

 Stripped cross-section of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound  Observation record 3D model


At the permanent exhibition of the Chiba Prefectural Central Museum, I carefully observed the Stripped cross-section of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, and at the same time created a 3D model so that I could observe the outstators at home. I have a lot of discovery and my excitement will not cool down forever.


千葉県立中央博物館常設展で有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面をじっくり観察し、同時に3Dモデルを作成して自宅でも露頭観察できるようにしました。沢山の発見があり感動がいつまでも冷めません。

1 有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 観察記録3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層剥ぎ取り断面 観察記録3Dモデル

高さ4.3m、幅4.0m

撮影場所:千葉県立中央博物館常設展

撮影月日:2023.03.07


展示の様子

3DF Zephyr v7.003で生成 processing 396 images

Stripped cross-section of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound  Observation record 3D model

Height 4.3m, width 4.0m

Location: Chiba Prefectural Central Museum  Permanent Exhibition

Shooting date: 2023.03.07

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v7.003 processing 396 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 メモ

2-1 感想

ふとしたことからこの剥ぎ取り断面存在を知り、即座に千葉県立中央博物館に駆けつけました。2時間ほど露頭観察して、その後約400枚写真撮影して、3Dモデルを作成しました。

有吉北貝塚北斜面貝層の現場を見ることはタイムマシンでもできない限りあり得ないと考えていた自分にとって、天からの惠みたいな幸です。

発掘調査報告書掲載貝層断面図の解読から自分が受ける情報と刺激とくらべて、この剥ぎ取り断面観察から受ける情報と刺激は段違いに多いです。疑似的とはいえないような迫真の現場露頭観察を千葉県立中央博物館でじっくり楽しみました。

3Dモデルの観察及び博物館再訪して双眼鏡を利用した観察を重ね、貝層断面の考察を深めたいと思います。

2-2 第一印象

検討を深めることはこれから進めたいと思いますが、第一印象ではつぎのようなことに気が付きました。

ア 発掘調査報告書では貝殻が集中している部分では土器出土がほとんどないという趣旨の記述がありますが、この断面を観察すると貝殻が集中している部分にも自分が想像して以上に土器が混ざっています。

イ 斜面に対する土器の向きが偏っています。土器外面が下になっている土器片が多くなっています。これは土器片を人が投げたことによる現象であると直観します。

ウ 断面下部に貝殻が混ざった土塊があります。上流の貝層が流水で侵食され流れ着いたと考えられ、貝層堆積当初はガリーに浸食力がある程度存在していたことが判ります。しかし、断面の中上部にはこのような侵食力の痕跡はありません。

エ 断面左下部には貝殻が皆無の砂があり、古いガリー侵食堆積物のようです。

オ 貝殻片がまばらに混じっている土層があります。この付近には貝投棄はないが、ガリー上流側では貝殻投棄があった時期があり、その時期に上流側から流れてきた土層のようです。