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2023年3月24日金曜日

Photoshopを利用した中心投影画像のオルソ投影画像への疑似変換

 Pseudo-conversion of central projection image to ortho-projection image using Photoshop


I confirmed that if you have a normal photo and the corresponding ortho-projection material (this time a cross-sectional view), you can pseudo-transform the normal photo into an ortho-projection image by using the Photoshop puppet warp function.


通常写真とそれに対応するオルソ投影資料(今回は断面図)があれば、Photoshopパペットワープ機能を使うことにより、通常写真をオルソ投影画像に疑似的に変換できることを確認しました。

1 課題 剥ぎ取り断面画像を断面図に嵌め込む

壁に立てかけてある剥ぎ取り断面の画像(中心投影画像)を断面図に嵌め込む方法・手順を検討しました。


剥ぎ取り断面画像(上村秀明氏撮影)


断面図(上守秀明・宮城孝之「報告 千葉市有吉北貝塚斜面貝層の接状剥離作業」、『(財)千葉県文化財センター研究連絡誌』20-1 1987年)

2 方法・手順

2-1 画像と断面図のオーバーレイ配置

画像の不用部を除去します。


不用部を除去した画像

画像と断面図の大きさを略一致させ、Photoshopで別レイヤーとして配置します。もちろん画像と断面図の細部は合っていません。


Photoshopにおける画像と断面図の配置

2-2 パペットワープ機能で特徴点を一致させる

パペットワープ機能で画像の特徴点にピンを打ちます。特徴点とは画像と断面図で同じ場所であると判断できる点です。次に打ったピンをマウスでドラッグして断面図の同じ場所に移動します。


パペットワープ機能で特徴点に打ったピンを移動する様子

2-3 特徴点を一致させた結果

今回は18個所の特徴点を一致させました。


特徴点を一致させた結果

画像を疑似的に断面図に嵌め込むことができました。画像と断面図の層相区分線の両方が見やすいように濃度を調整して作業を完成させました。


作業結果(完成)

3 メモ

写真とそれに対応するオルソ投影資料(今回は断面図)があれば、Photoshopパペットワープ機能を使うことにより、通常のスナップ写真をオルソ投影画像に疑似的に変換できることを確認しました。


2022年5月4日水曜日

縄文土器実測図から簡易3Dモデルをつくる第一歩

 The first step to create a simple 3D model from the actual measurement of Jomon pottery


I was able to take the first step to create a simple 3D model from the actual measurement of Jomon pottery. It is an activity that feels like making a paper craft from actual measurements. The work of the axis is the cooperation between Dimension and Photoshop.


縄文土器実測図から簡易3Dモデルをつくる第一歩を踏み出すことが出来ました。

1 縄文土器実測図からつくる簡易3Dモデル

縄文土器実測図からつくる簡易3Dモデル


実測図(加曽利貝塚博物館S30企画展パンフレットから引用)


縄文土器展示の様子(R3企画展)

フォトグラメトリーによる3Dモデル

https://skfb.ly/osRYJ

2 今回簡易3Dモデルの作成方法

ア illustratorによる3Dモデル作成

illustratorで土器形状に合った3Dモデルを回転体機能で作成してWabefront(.obj)ファイルで書き出します。


illustratorの3D機能(回転体)による3Dモデル作成

イ 3Dモデルの半裁

アの3Dモデル(Wabefront(.obj)ファイル)を3DF Zephyr Liteに読み込み半裁にして、Wabefront(.obj)で書き出します。


3DF Zephyr Liteで3DF Zephyr Liteを半裁にした様子

ウ 半裁3DモデルのDimension読み込み


半裁3DモデルをDimensionに読み込んだ様子

エ 半裁3DモデルのUV書き出し

半裁3DモデルのUVを書き出します。UVはPhotoshopファイルで書き出されます。


書き出されたUVファイル画面(Photoshop画面)

オ UVファイルに実測図画像書きこみ

UVファイル(Photoshopファイル)にはアートフォルダーのレイヤーがあります。このレイヤに実測図画像をdrag and dropで取り込み、角度や大きさを調整してモデル範囲に調和的に配置します。配置が終わったらUVファイルを保存します。


実測図画像をモデル範囲に調和的に配置した様子

カ DimensionにUVファイルを反映させる

オで保存したUVファイル(Photoshopファイル)をDimensionの3Dモデルにdrag and dropします。3Dモデルに画像が貼り付きますが、プロパティでみるとデカールモードで貼り付いています。これを塗りつぶしモードに変更します。これで3DモデルにUVファイルに配置した画像が表現されます。


実測図画像が3Dモデルに貼り付いた様子

キ 微調整

カで満足できない場合、UVファイル(Photoshopファイル)を調整してそれをDimension3Dモデルに再度drag and dropすれば調整結果が即座に反映されます。PhotoshopとDimensionのやりとりの操作は判りやすく快適です。Blender操作とは全く異なるタイプの操作感です。

ク DimensionからWabefront(.obj)ファイルの書き出し

Dimensionから3DモデルのWabefront(.obj)ファイルを書き出してBlenderで利用したり、Sketchfabに投稿したりして利用します。


Dimensionから書き出したWabefront(.obj)ファイル

(実際は画像ファイルはフォルダーにまとめられています)

3 メモ

3-1 簡易3Dモデルの意義

実測図から簡易3Dモデルをつくれば実測図が一般人(もっと絞り込めば自分自身)に興味深いものになるかもしれないと考えました。学術的意味は全く考えていません。この活動は考古遺物をペーパークラフトでつくって楽しむという活動と同類です。

3-2 波状突起

波状突起や把手は現在は立体的に表現できていませんが、3DモデルをBlender等で削ることにより表現可能になると考えます。

3-3 左右縁辺部表現

土器実測図は土器を正面から見た時の図柄であり、展開図ではありません。従って実測図を3Dモデルに貼り付けると左右縁辺部のゆがみがさらに強調されます。このため簡易3Dモデルは正面付近から見ると最適となる3Dモデルです。

3-4 色塗り

実測図に文様等を判りやすくするために色塗りすれば訴求力のある簡易3Dモデルができると考えます。色塗りはPhotoshopを使っているので、効率的で効果的にできます。またillustratorを使って編集することも抵抗感なくできます。

4 注

・この土器はS30企画展では加曽利EⅣ式土器として展示され、R3企画展では加曽利EⅤ式土器として展示されました。

・関連ブログ記事

2019.03.05記事「加曽利EⅣ式4単位波状口縁深鉢の観察」

2022.02.25記事「加曽利EⅤ式深鉢(No.39)(千葉市六通貝塚) 観察記録3Dモデル」



2021年2月17日水曜日

パップス-ギュルダンの定理による縄文土器体積の求積

 縄文土器学習 546

縄文土器学習に土器容量の検討は欠かせませんが、3Dモデルを利用した土器容量の計測法を知りませんので、その実用的計測方法の原理を検討してみました。

1 展示縄文土器の3Dモデルに実寸法を付与する

展示縄文土器の3Dモデルを作成し、それに実寸法を付与する方法は自分レベルでは既にその方法が確立しました。一言でいえばショーケース外側そばにファイバー製折尺を置いて、それとショーケース内土器を含めた3Dモデルを作成します。それで3Dモデルには実寸法が付与されます。

なお、展示土器の説明名札の特定特徴が同一規格なら、それをスケール代わりにできます。つまりある展示土器の名札の寸法がわかれば、それをスケール代用品として利用できますから、他の土器撮影でいちいち折尺を利用することはありません。

2012.02.10記事「縄文土器群理解の指標としての大きさ(容量)」


実寸法により計測された土器 正面から


実寸法により計測された土器 上から

2 展示土器3Dモデルの計測用疑似モデル作成による体積測定(開発中)

展示土器3Dモデルは背後からの情報、内面情報が欠落しますので、それから土器容量を求めることは出来ません。そこで、展示土器3Dモデルに近似した計測用回転体3Dモデルをつくり、その体積を求めることにします。土器に入る液体の量、つまり容量の計測の前のステップとして土器全体の体積(土器体体積+液体が入る量)を求めることにします。加曽利EⅠ式深鉢(No.37)(野田市東亀山遺跡)を例にします。

ア Photoshopによる計測用回転体3Dモデルの作成

実寸法を付与した展示土器3Dモデルのオルソ投影断面(正面から)から断面線をトレースしました。


断面線トレースの様子


断面線トレース結果(左縦線は対照用10㎝線)

断面線をPhotoshopに投入して回転体3Dモデルを作成しました。


Photoshop3Dモデル機能による回転体3Dモデル

この計測用回転体3DモデルをWavefront(.obj)ファイルに書き出します。

イ Blenderによる計測用回転体3Dモデルの計測(開発中)

そのWavefront(.obj)ファイルをBlenderに読み込み、Blenderの体積求積機能(アドオン Mesh:3D Print Toolbox)で体積を求めました。


Blenderで体積を求めた様子

しかし、しかし・・・、体積の値が天文学的数値になっていて、単なる桁間違いや桁設定ミスではななさそうなので、現在暗礁に乗り上げている状況です。Blenderの体積求積は正確に機能しているので、Photoshop作成の計測用回転体3Dモデルに何か問題がありそうです。感覚的には、もう少し試行錯誤を重ねれば、この方法で求積できるに違いないと楽観しています。

3 パップス-ギュルダンの定理による体積測定

パップス-ギュルダンの定理によれば、回転体体積は次の公式で測定できます。

(回転体の体積 V) = (図形 F の重心 G が回転により描く軌跡の長さ) × (図形 F の面積 S)

この方法で縄文土器体積を求積しました。

ア 重心位置計測用3Dモデル作成

Photoshop3Dモデル機能を利用して重心位置計測用3Dモデル(押出)を作成しました。


Photoshopによる重心位置計測用3Dモデルの様子

イ 重心位置と回転軸との距離

この3DモデルをBlenderに投入して重心位置を表示し、その画像から重心位置と回転軸までの距離を求めました。


Blenderによる重心と回転軸との距離計測

重心と回転軸との距離=4.22㎝

これから、重心が回転により描く軌跡の長さ=2×π×4.22㎝となります。

ウ 回転体図形の面積測定

Photoshopに次の図形を投入して計測ログ機能により土器断面図(半裁)の面積を計測しました。


Photoshopにおける土器断面図(半裁)面積測定の様子(左四角形は対照用10㎝×10㎝矩形)

土器断面図(半裁)の面積=237.21㎝2

エ パップス-ギュルダンの定理による体積測定

縄文土器体積(計測用回転体3Dモデル)=2×π×4.22×237.21=6286.44㎝3≒6.29リットル

4 感想

実寸法を付与した展示土器3Dモデルから計測用回転体3Dモデルを作成し、それをBlenderに投入して体積を測定できるようになれば、手間が省け作業が効率化します。

計測用回転体から土器体の厚さ(器壁の厚さ、底の厚さ)を差し引いた回転体をつくれば、土器容器に入れることのできる液体容量を計測することができます。

土器容量の変化が型式によってどのように変化するのか知ることができれば、それを手がかりの一つとして社会の様子をよりクリアに推察することができます。





2020年3月3日火曜日

対向系横位連携弧線文土器の観察

縄文土器学習 366

現在、加曽利貝塚博物館E式土器企画展(終了)の展示土器について学習しています。この記事では対向系横位連携弧線文土器として、加曽利EⅢ式小型深鉢(佐倉市池向遺跡)企11土器を観察します。(企11はこのブログにおける整理番号です。)

1 加曽利EⅢ式小型深鉢(佐倉市池向遺跡)企11 観察記録3Dモデル

加曽利EⅢ式小型深鉢(佐倉市池向遺跡)企11 観察記録3Dモデル 
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」 
撮影月日:2019.11.19 
整理番号:企11 
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 69 images

展示の状況

2 3Dモデルから作成した文様浮彫展開写真
GigaMesh Software Frameworkを使って3Dモデルから文様浮彫展開写真をつくりました。

加曽利EⅢ式小型深鉢(佐倉市池向遺跡)企11 文様浮彫展開写真 1

加曽利EⅢ式小型深鉢(佐倉市池向遺跡)企11 文様浮彫展開写真 2(参考)

3 観察と感想
・口唇部に3単位の小波状(突起)をもちます。
・上段の弧線文と下段の弧線文が対向する対向系横位連携弧線文土器です。

沈線と縄文の分布

参考

・画面中央部の上段と下段の「弧線文」が異様に膨らんでいます。特に上段は弧線文というよりも円形文に近い形状です。
・その左の「弧線文」には棘がある模様に見えます。
・円文=渦巻文と棘のイメージから唐草文の影響があると想像しました。

・照明が強すぎるためかえって土器表面の凹凸が写真に表現できませんでした。3Dモデルにすると写真よりもわかりやすくなりますが、沈線を全部追うことはできません。しかし、3DモデルからGigaMesh Software FrameworkとPhotoshopを使って文様浮彫展開写真をつくることによって沈線を追い、その分布を明らかにすることができました。いつの間にか、私にとってGigaMesh Software FrameworkとPhotoshopは展示土器学習のための必須ツールとなりました。