2020年3月3日火曜日

対向系横位連携弧線文土器の観察

縄文土器学習 366

現在、加曽利貝塚博物館E式土器企画展(終了)の展示土器について学習しています。この記事では対向系横位連携弧線文土器として、加曽利EⅢ式小型深鉢(佐倉市池向遺跡)企11土器を観察します。(企11はこのブログにおける整理番号です。)

1 加曽利EⅢ式小型深鉢(佐倉市池向遺跡)企11 観察記録3Dモデル

加曽利EⅢ式小型深鉢(佐倉市池向遺跡)企11 観察記録3Dモデル 
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」 
撮影月日:2019.11.19 
整理番号:企11 
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 69 images

展示の状況

2 3Dモデルから作成した文様浮彫展開写真
GigaMesh Software Frameworkを使って3Dモデルから文様浮彫展開写真をつくりました。

加曽利EⅢ式小型深鉢(佐倉市池向遺跡)企11 文様浮彫展開写真 1

加曽利EⅢ式小型深鉢(佐倉市池向遺跡)企11 文様浮彫展開写真 2(参考)

3 観察と感想
・口唇部に3単位の小波状(突起)をもちます。
・上段の弧線文と下段の弧線文が対向する対向系横位連携弧線文土器です。

沈線と縄文の分布

参考

・画面中央部の上段と下段の「弧線文」が異様に膨らんでいます。特に上段は弧線文というよりも円形文に近い形状です。
・その左の「弧線文」には棘がある模様に見えます。
・円文=渦巻文と棘のイメージから唐草文の影響があると想像しました。

・照明が強すぎるためかえって土器表面の凹凸が写真に表現できませんでした。3Dモデルにすると写真よりもわかりやすくなりますが、沈線を全部追うことはできません。しかし、3DモデルからGigaMesh Software FrameworkとPhotoshopを使って文様浮彫展開写真をつくることによって沈線を追い、その分布を明らかにすることができました。いつの間にか、私にとってGigaMesh Software FrameworkとPhotoshopは展示土器学習のための必須ツールとなりました。







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