2013年7月23日火曜日

古代官道跡を米軍空中写真でみる その1

花見川地峡の自然史と交通の記憶 39

1 古代官道の仮称
これまでこのブログで「古代官道(仮説)」という表現で古代官道跡について表示してきましたが、固有名称を与えて表現と理解を容易にできるようにすることとします。今後「柏井・高津古代官道」と仮称することとします。

2 使用した米軍空中写真と調査区
分析に使用した米軍空中写真は次の2枚です。
USA-R2769-95 1949426日撮影
USA-R2769-96 1949426日撮影
印画紙プリント空中写真をスキャナーで1200dpiで電子画像としてパソコンに取り込み、画像ソフト(フォトショップ)で実体視や画像分析しました。
空中写真の幾何補正等はしていません。

調査区を次のように設定して、調査区毎に詳細に検討しました。

調査区の設定
USA-R2769-95(部分)を使用

3 柏井・高津古代官道跡の確認
3-1 双子塚古墳
実体視すると、双子塚古墳の東側は樹木がなく開けた空き地になっていて、東の道路から双子塚古墳が見えるようになっています。
双子塚古墳の上には樹木が生えています。
双子塚古墳を基点にするように土地利用界が鋭く折れ曲がっています。

参考 双子塚古墳の姿
1982年発掘調査前撮影写真(出典:「千葉市双子塚」千葉県住宅供給公社・財団法人千葉県文化財センター、1983)
古墳背後は樹林に覆われている捨土土手

3-2 A調査区
柏井・高津古代官道跡が直線状土地利用界として明瞭に残っています。
直線状土地利用界は天保期印旛沼堀割普請の捨土土手地形の上に走っています。
従って、天保期印旛沼堀割普請の後に再測量して、古代から続いてきた境界(柏井村と横戸村の境界)を再度正確に設定しています。
柏井・高津古代官道の跡が江戸時代の国家的大土木工事をもってしても消滅しないという強烈な保守力、維持力に一種の感動をおぼえます。

A地区説明図

A地区の地形イメージ

柏井・高津古代官道跡が直線状土地利用界として空中写真で認識できますから、それ以上の画像分析は特段必要ではありませんが、参考までにフォトショップの「輪郭のトレース」という機能を使って直線状土地利用界を確認しました。

A地区の画像分析(「輪郭のトレース」)

さて、柏井から高津に向かうのに、なぜわざわざ花見川東岸の双子塚古墳を基点にして古代官道ができたのか、根本的な疑問が湧きます。

その解答に迫る情報をB地区と高台南古墳で得ることができました。

B地区以降は別記事とします。


つづく

■□花見川流域を歩く■□にほんブログ村■□花見川流域を歩く■□にほんブログ村■□
にほんブログ村 アウトドアブログ ウォーキングへ にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログ 千葉(市)情報へ にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ

0 件のコメント:

コメントを投稿